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第1054回
ほぼ日編集部様
3月5日のニュースから
昨日は時間がなくて書けなかった
「桶川女子大生ストーカー殺人事件」
についての埼玉県警本部長のとんでも発言を取り上げます。
先日さいたま地裁で
国家賠償法に基づく裁判の1審判決が出ました。
今回の本部長発言というのはこの裁判の直前に
(3/4日付の読売新聞によると2週間前)
茂田忠良・埼玉県警本部長が
ある公式の席で言った事らしい。
警察には医者や弁護士など
有識者の意見を聞くために、警察署単位に
「警察署協議会」という組織を持っているという。
こんなもんがあるとは知らなかったが、
所詮警察が不祥事続きで世間の批判をかわすために
こういう隠れみのを作ったんでしょうたい。
で、今回はその各署単位の協議会の代表が集まる
「警察署協議会代表者会議」
なるものが2月13日に開かれたというのですね。
この警察署協議会が日ごろから警察にキチンとモノを言い、
警察行政に対し世間の意見を率直に伝えるものだったら、
つまり警察の「隠れみの」ではなかったら、
恐らくこの茂田本部長も
ここまで本音は言わなかったはずですね。
ところが、この本部長、
時代の変化が分かっていないんだねえ・・・
自分たちの組織内部だけの話しだから
「ここだけの話」をしても
まさかそれが外へ漏れるとは思わなかったんでしょう。
ついつい本当のところを喋ってしまった。
しかもそれを録音テープにとって起こして文書にし、
本人が手を入れて、
「本部長コメント(要旨)」としてまとめ、
埼玉県警の各警察署にメールで送信していたという。
こういう内部の文書は
これまでなら外に絶対漏れなかったはずですね。
だからこの本部長さんも油断したんでしょうが、
時代は「内部告発」ありの時代です。
警察と言えども例外ではありません。
いや警察のような階級社会ほど
恨み辛みがうっ積している所はありません。
だからこうした内部の不祥事はすぐに外へ出てくるんです。
警察のキャリア制度というのを
聞いた事はあると思いますが、
今度の発言をした茂田本部長はまだ51歳の若さで
エリートコースの埼玉県警本部長です。
現在の警察庁長官、佐藤さんは
埼玉県警本部長から警察庁刑事局長、
警察庁次長を経て長官になった人ですから、
埼玉県警本部長がエリートコースのポストである事は
おわかり頂けると思います。
が、そこに落とし穴があるんですね。
かれはこの「警察署協議会代表者会議」を身内だと思って
つい本音をべらべら喋っちゃったわけですね。
協議会のメンバーが漏らしたと思いませんが、
コメントを各警察署に送った時点で
もう外へ漏れたも同然です。
警察署にはキャリアの警察幹部に
反感を持っている警察官はいっぱいいますから、記者に
「こういうのあったよ」とペーパーのコピーを渡せば、
はいこれで特ダネです・・・ね。
さて、問題の発言の問題点ですが、二つあります。
1…2年前に出した埼玉県警の調査報告書は
警察庁に指示され不確かなことまで書いてしまった。
2…原告はちゃんと金が(賠償金が)取れないと
控訴するだろう。
つまり原告側は金目当てに訴訟をしている。
もう少し詳しく発言内容を見てみよう。
読売新聞が4日付の朝刊で抜いた後、
朝日新聞も毎日新聞も
夕刊でキチンとフォローしてきている。
それを見ると読売の報道は正確なものだったことが分かる。
従って読売の茂田本部長のコメント(要旨)に沿って、
以下に、少し長くなるとは思いますが、
ポイントを紹介しておきます。
………………………………………………………………
(コメント要旨)
実は私も、着任前は、報道しか読んでいないものですから、
着任して業務報告を受けてみると、
「現在、民事裁判で1億1千万円あまり
損害賠償をされていますが、
警察には法的責任がないと争っています」と。
争点は、殺人事件に至る予見可能性の存否で、
当時の警察としては殺人事件に至る
予見可能性を持ちようがなかったという主張なのです。
で、私は
「しかし、あの報道を見ていたら、
法的責任うんぬんというより、
負けるに決まっているのではないか」と言ったらですね、
「準備書面を出しています」と。
「準備書面」とは、警察側の主張を記載した書面で、
それを読むと、確かにこれは
予見可能性があるとは言えない。
もし、これで予見可能性があるとして
損害賠償を取られるようであると、警察の現場の仕事は、
事前に相談受けてきた事例で
結果的に犯罪が起こるとみんな警察が
賠償金を払わなければならないことになるだろう。
埼玉県警の顧問弁護士さんも、
正にそういうご意見でして、
だからこれは争わなくてはいけないということであります。
そうすると、埼玉県警は3年ほど前に非を認めた
報告書を出しているんではないかと言われます。
なぜあんな報告書を出したのかと言いますと、
これは余り大きな声で言いにくいのですが、
当時、警察庁のご指導があったと担当者が語っています。
埼玉県警は従順なものですか、警察庁から
「こんな報告書では世論は待たないぞ。
警察にもっと非があったのだろう。非を書け」
と言われて、不確かな事まで書いてしまったものです。
もう2度とそういうことは
ないようにしたいのでありますが、
そういう経緯で訴訟をやっていますので、
正直言いまして1審判決の結論も分かりません。
私どもが提出した資料を虚心坦懐に読んでいただければ、
我々が負けるはずはないと思っていますが、
公式の報告書がありますので、その影響がどうなるのか。
他方、たぶん原告の方も余りお金を取れないとですね、
「ちゃんと多額の賠償金を取れると思って
訴訟を起こしたのに、これでは話が違う。
やはり高等裁判所に訴訟しましょう」
となるのではないか。
まあどんなことになるのか、
判決が出てみるまで何とも予測しがたいと考えております。
………………………………………………………………
ここで問題は警察は調査報告書なる公式の文書を
そんなに簡単にいい加減なもので作るのか、
本部長自ら公文書の偽造を
認めているんではないかということ。
新たな犯罪を本部長自ら認め、
公表している事に気がついていない。この馬鹿馬鹿しさだ。
それと、被害者家族を
「単に金目当てで訴訟している」と
遺族の事を公式の場で貶めたという、
これも新たな犯罪、名誉毀損の罪を
本部長自らが犯している事に気づいていないという事です。
以上ですね。
ではまた明日・・・
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