|
第1051回
ほぼ日編集部様
3月2日のニュースから
もう3月か????!!!!
早いなあ・・・これじゃあっという間に70歳だな。
昨日九州の妹から母親が転んで
顔の骨を折ったという連絡があったよなあ。
そういう歳なんだよねえ。
私事ですが、私の母親は82歳ですけどまだ元気でねえ、
あの森光子さんと京都の高等女学校で同級生なんですが、
今でもママさんコーラスの
指揮者かなんかやったりしているんです。
元気はいいんだけど、足下が危うくなるんですねえ。
両手に荷物を持ったまま倒れたらしくて、
顔から地面に!
すぐに飛んでいきたいんですけど、
仕事で行けません。
親不孝者め!
と自分に言い聞かせながら原稿を書き始めました。
さてと、気になりながら取り上げてない記事。
1日の朝日新聞夕刊の芸能のページかなあ?
こういう見出しがあったよ。
「観覧者」
これは通しの見出しだと思うけど、
この日のタイトルは
「フライング拍手」
袖の見出は
「余韻の数秒、なぜ待てぬ」
筆者は「吉田純子さん」というライターの方かなあ?
書き出しをちょっと引用しておこう。
「かみしめていた余韻を、いきなり拍手に破られた。
名演への感激が一気に冷めてしまった」
実は私もこういう気持ちを味わったことがあるんですね。
だからほーっ、
同じような事を感じて感想として書く人がいるんだと
少々感激しましてここに紹介しておきます。
この筆者が言うにはことは、
2月7日に東京文化会館で開かれた
東京都交響楽団の公演での事らしい。
ロシア生まれの指揮者バルシャイさんの指揮で、
マーラーの未完の絶筆曲
「交響曲第10番」を聞いていたそうです。
「やがて演奏は終盤を迎え、
弦の響きがゆるやかに減衰し、
最後の音が空気に溶けた途端、
聴衆の一人が『パン、パン』と拍手を浴びせかけた」
そうですばい。うーん、困ったもんじゃねえ・・・
こういう独りよがりはどこにでもいるちゃいるんだけどさ。
吉田さんの記事によれば
「静寂が戻るまでの10秒もの間、
バルシャイは指揮棒を掲げたまま身じろぎもしなかった」
その時の凍りつくような光景が目に浮かぶ。
音楽に浸って最後のほんの
僅かのしじまに心が一つになっていた聴衆は
そのパンパンには怒っただろうなあ。
吉田さんによればこの手の
「フライング拍手」は日本で
とりわけ目立つんだそうだ。
記事には何人かのコメントが載っているので
紹介しておこう。
音楽評論家の東条碩夫さん。
「この曲知ってるぞ、という身勝手な自己顕示欲」
サントリーホール企画担当者
「クレームは後を絶たない。
かといってアナウンスで注意する訳にもいかず、
頭が痛い」
これは吉田さんの体験なんだろうか。
昨年夏、ドイツのテノール歌手、
プレガルデイエンがシューベルトの
「冬の旅」を東京で歌った時にも手に汗を覚えたという。
歌い終わった瞬間にパンパンが起きたんだろう。
演奏を終えてうつむいていた
プレガルデイエンが驚いたように顔を上げ、
破裂音の続く2階席後方をきっと見据えたのだそうだ。
事情を知るものからすると本当に冷や汗ものでしょうね。
この日会場で聞いていたバリトン歌手の
河野克典さんはこういったそうだ。
「演奏家にしてみれば
『はい、もう帰っていいですよ』と
言われたようなもの。
派手に盛り上がるオペラアリアの場合は、
間髪を入れぬ拍手が嬉しいけど」
吉田さんによれば、
無粋なフライング拍手は演奏家にとっては
ブーイングに等しいということのようだという。
「演奏家と聴衆が深い共感に浸っているほんの数秒を、
なぜ待てないのか。
フライング拍手に遭遇するたびに、
待ちに待った美酒を目の前で下げられたような
気持ちになるのは私だけではないと思うのだが」
そうなんです、私もこの野郎!!
と何遍思ったか。
どうもあの一瞬に賭けているバカなヤツがいるんですね。
オレはこの曲を知ってるから
終わった途端に他の誰よりもそれを示すために
拍手を始める。拍手はオレから始まるんだ!
そんな気負いさえ感じさせるあの拍手だよねえ。
初めて聞いた人はどこが楽曲の終わりか分からないから、
じいっとみんなの拍手を待っている。
それが日本の音楽会の普通の姿です。
あんまり行儀が良すぎて
物足りないなあと思うときもあるんですが、
あの一人か二人の物知り顔人間に、
あの最高の沈黙の瞬間を一発で潰されてしまうのも
我慢がならないなあ・・・
ということで今日は日曜日、音楽の話題で・・・・
また明日から
(今日からですけどね、これをお読みになってる頃は)
1週間が始まるんですね。
イラクの情勢がいよいよ切迫してきますよ。
ではまた明日・・・・
鳥越さんがアンカーマンをされている
「ザ・スクープ」サイトはこちらです。
http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/
放送をインターネット上でも見ることができますよ!
鳥越さんの新刊が出ました!

「虚誕」
著者:鳥越俊太郎 小林ゆうこ
岩波書店
本体価:¥1800
ISBN:4000225227

「報道は欠陥商品と疑え」
著者:鳥越俊太郎
ウェイツ
本体価:¥750
ISBN:4901391224

ニュースの職人
「真実」をどう伝えるか
著者:鳥越俊太郎
PHP研究所
本体価:¥660
10月17日発売!

「桶川女子大生ストーカー殺人事件」
著者:鳥越俊太郎
メディアファクトリー 2000/10出版
本体価:\1,500
ISBN:4840101590 |