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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第1047回

ほぼ日編集部様

2月26日のニュースから

26日はさいたま地裁で猪野詩織さんの
ご両親が埼玉県警を国家賠償法に基づいて起こした
裁判の判決が出されました。
もちろん、私は番組終了後さいたま地裁に駆けつけ、
裁判を見守りました。
16日の夕刊で各紙とも判決の内容を伝えています。
毎日新聞も朝日新聞も1面トップです。
見出しだけ見ると、
一見猪野さん夫妻の主張が通ったかのような
印象を受けますが、実は違うのですね。

先ず朝日新聞ですが、見出はこうです。

「桶川事件 県に賠償命令  550万円
 殺害、因果関係認めず
 怠慢捜査を一部認定  さいたま地裁」


これだと、県に一部捜査の怠慢を認めて
埼玉県に賠償命令が出たことが
ニュースの目玉になっている、
しかし、裁判前も後もご両親の気持ちを聞いていた
私としては、こうした報道は少し、
いや、大いに違うなあ・・・ということです。

毎日新聞はどうか?
「県警の責任を認定  
 女子大生殺害  550万円賠償命令 
 さいたま地裁判決  殺人との関係は否定」


うーん、こちらも違うなあ。
毎日新聞の方はほとんど埼玉県が
敗訴したような印象の記事の作りになっている。
肝心の猪野詩織さんが殺害された事は
警察がちゃんと責任ある捜査をしなかったからだ、
というご両親の思いは裁判官には伝わらなかった、
というのが裁判の真相なのだ。

日本の裁判で行政の責任を問うというのが
いかに難しいか、改めて感じさせられたが、
そうは言ってもこの事件全体を見れば
警察の怠慢は自らがかつて認めたように明らかなので、
裁判所も「ゼロ回答」はさすがに出来ず、
「満額回答」はしないものの何らかの
回答はしなければならなかった。
それが550万円という賠償命令だろう。
ご両親は金銭の問題じゃありません、と明言されている。
つまりあくまでも、
娘が殺されたのはあれだけ必死に助けを求めたのに、
それに応えなかった
警察の責任を明らかにしたいということなんですね。
もう時間がありませんが、
ご両親は今日にも控訴されるでしょう。
猪野家の戦いはこれから始まるんですねえ。

私たちも見届けていきたい。
ではまた明日・・・・

2003-02-26-WED

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