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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第1037回

ほぼ日編集部様

2月16日のニュースから

毎日新聞の朝刊2面に「発信箱」というコラムがある。
編集局のデスクや編集委員などが書くもので、
一般記事と違って思いっきり主観で書くところが面白い。
だから署名入りだ。
毎日新聞は一般記事も署名入りにしているので
コラムだけが署名入りという訳ではないのだが、
このコーナーは私の愛読のポイントだ。

16日は西部本社報道部の玉木 研二記者だ。
見出しは
「喜劇と気づかぬ悲劇」
内容は福岡市議会のなにやら奇っ怪なできごとについて。
コラムによると、福岡市の人工島建設をめぐって
怪しげな利権疑惑が持ち上がっているそうなんですが、
この問題を審議する市議会の特別委員会で、
議会側がメディアに対し、委員会の映像は構わないが、
「音声取材は禁ず」というルールを作ったというのだ。
理由はコラムによれば、
「会派によって1人当たりの質問時間に差があり、不公平」
というのだそうだ。

これには玉木記者もまことに分かりにくい、
と首をひねっているようだ。
で、こうした制限に対し、テレビ側は反発。
FBS福岡放送は【ガチンコ勝負】で、
この禁止令を破って音声を堂々と流したそうだ。
ところが、RKB毎日放送は質疑の映像を流しながら、
議員の発言を一言一句そのままの口の動きに合わせて
スタジオで吹き込んだという。
で、玉木記者はこういう。

「思わずひざをたたいた。何という皮肉。
 音声取材禁止がいかに無意味でばかばかしいことか、
 この吹き替え放送は見事に証明した」

なるほど・・・・
うん、RKBの現場は知恵を絞ったなということですね。
ただ、やはりここは正面突破で
議会に税金で仕事している議員の義務として
情報を公開する意味を
キチンと分からせてほしかとこですばい。
ばってん、まあ、こげなトンチも必要かもしれまっせん。

実はこのところ議会とメディアの関係では
ちょっと気になることがあるんですばい。
このコラムでも触れていますが、
やはり福岡県の川崎町議会で、秘密会で扱ってきた
「プール金問題」を外部
(ここには社名は書いてないが、実は読売新聞)
に漏らした犯人探しが行われていて、
当の新聞記者を議会に呼びつけ
情報源を明かせと迫ったことがあった。

読売新聞社は参考人として応じることにして、
議会では「情報源の秘匿」という
このマスコミ世界のルールに則り証言を拒否した。
なんともはや、お粗末な一幕なんですが、
実はもう一つ同じことが最近ありましてねえ・・・
こちらは2月11日の東京新聞に載っていたんですが、
愛知県豊橋市議会でも焼却炉の導入をめぐる問題で、
この一連の問題を報道した
NHKの「クローズアップ現代」の記者やディレクターを
参考人招致することを決めたという記事があったんです。

どうも日本ではそういうことは
簡単に出来ると
議会も一般社会も思っている節があるんですね。
「知っとるなら聞かれて答えればいいんだろう」
程度に皆さんは思うかもしれまっせんが、
報道機関にとって取材で得た情報の
入手先を明かすことは自殺行為なんですね。
一度そういうことをしてしまったら、
もう誰も極秘の情報なんか漏らしたりしません。
あの記者に漏らしたらすぐにバレてしまう、
と思われたらその記者は情報の入手が困難になるでしょう。

こういうことはアメリカでは
極めてデリケートな問題だとの認識がありますが、
日本では簡単に思われているようなので、
今日は敢えてこの話を紹介してみました。
お分かりでしょうか?
分からんでしょうかねえ。
こういう一見業界だけの問題のように思えるものが、
実は情報を得ている
読者や視聴者の利益なんだということなんですばい。
そこだけ分かって頂けたらいいかなあ・・・と。

ではまた明日・・・・


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2003-02-17-MON

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