バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「給食のお値段が
 10段階ある?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「給食のお値段が
 10段階ある?!」

バブー

この間、ボクたちの友達が

「早く子供の学校の給食、
区役所に申し込まないと大変だ〜!!」

と大慌てで区役所に駆け込んでいた。

へええええ〜。
フランスの学校(公立の場合)の
給食って区役所に申し込むんだ〜。

ところでなんでそんなに慌てていたの?
って理由を聞いたら、
期日までに申し込みをしないと
いちばん高い料金設定の給食代に
なってしまうからなんだって。

とのまりこ

以前、フランスの学校給食のことを書いたときに
ちょっと触れましたが、
フランスの公立の学校、
給食代は親の収入によって料金が変わるのです。

例えば、パリのサイトを見ると、
2015年からは10段階に分かれていて、
「家族指数」によって給食代が決まります。

(家族指数とは、家族全体の収入から
家族の人数などで割って出される金額)

家族指数が
234ユーロ(約30,420円)未満の場合は
1食0.13ユーロ(約16.9円)(やすっ!)
384ユーロ(約49,920円)以下の場合は
1食0.85ユーロ(約110.5円)
以下つづき‥‥
5000ユーロ(約650,000円)を超える場合は
1食7ユーロ(約910円)(たかっ!)

最安値が16.9円。
最高値が910円。
かなりのお値段の違いです。

このように10段階になっているのです。
いちばん低いカテゴリーなんて
ほぼタダやんみたいなお値段ですし、
いちばん高いカテゴリーなんて、
バゲットサンドイッチと飲み物とデザートの
ランチセットなんかと同じお値段!
大学生並みの料金です。

そりゃ、申し込み期日をすぎたら
いちばん高いカテゴリー料金になってしまう
というのに焦っているはずです。

バブー
この給食、申し込んでも
申し込まずにお弁当を持っていっても
家に帰って食べてもいいんだよ。
(なんと昼休みは2時間もあるんだもの!)

月曜日と水曜日だけ給食にするとか
日数を選ぶのもあり。
ずいぶん自由な給食システムだよね。

とのまりこ
この、親の収入によってお値段が変わるシステム。
給食だけではなく、「サントル」と呼ばれる
放課後や夏休みなどに預かってもらえる
日本でいう「学童」のようなものも
10段階の値段に分かれているんです。

例えば、いちばん収入が少ないカテゴリーは、
水曜午後(水曜午後は学校がない)の学童の
月謝が0.7ユーロ(約91円)
なのに対し、収入がいちばん多いカテゴリーは
月謝33.6ユーロ(約4,368円)

やっぱり全然お値段が違うのです。

バブー
収入が少ないところからは少なく。
多いところからはたくさん徴収する。

なかなかいいシステムに見えるけど、
学校に収入が赤裸々になるって、
日本で考えたらなかなかすごいことだよね?!

いまやなんでも「個人情報が‥‥」という
言葉がつきまとう日本では、
そしてなんでも横並びにしようとする日本では、
なかなか難しいシステムかも
なんて思ったりしちゃうんだよね。

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
【地図】 【駅からの道順はこちら】

 

2017-08-22-TUE


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illustration:Jérôme Cointre