バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


2 4 8

「パリの日曜日が
 かわりつつある?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2 4 8
「パリの日曜日が
 かわりつつある?!」

バブー

「パリの日曜日」といえば、
お店はほとんどどこもお休み。

だから
ガイドブックやパリのコラムを書くときなんか、
『日曜日は朝からマルシェや蚤の市に行って、
午後は美術館や公園をお散歩!』

なんていう、
買い物ができないのを前提にした
特別な日曜日の過ごし方の
提案が定番だったんだ。

ところがそんなパリの日曜日が
少しずつ変わりつつあるんだよ。

とのまりこ

観光地区や文化地区など、一部、
日曜日の営業が
法律で許可されているエリアは
(例えばマレ地区など)
日曜日に営業しているお店も
多かったのですが、
基本的には
「日曜日はお店はお休み」が原則。

午前中のマルシェなどへの
食材の買い出しが終われば
みんなゆっくり家で‥‥。
通りはひっそり静まりかえって‥‥
なんていうのが日曜日のパリでした。

ところが「経済成長と活性のため」の
規制緩和によって、
パリのデパートが
日曜日もオープンするように!
続々とオープンが決まった今年に入ってから
パリの日曜日が一気に変わったのです。

バブー
日曜日にお店がやっているなんて
日本では当たり前のことだけどね。

「パリのデパートが、
日曜日にオープンするようになったぞ〜。
大変だ〜大変だ〜!!」

なんてことがニュースになっちゃうくらい、
フランスでは革命的な出来事なんだ。


▲プランタンとギャラリーラファイエットの屋上はなにげに絶景スポット

とのまりこ
パリ版「東急ハンズ」と言われる
「BHV」というデパートが
2016年7月から一足早く
日曜営業をスタートしていたのですが、
それに続いて今年に入ってから
ギャラリー・ラファイエット、
ボン・マルシェ、
プランタン、と。
パリのデパートが次々と日曜日も営業に♪

一時期メトロの中の広告は
「日曜日もオープンしちゃいますよ〜」
っていう広告でいっぱいだったし、
お店のショーウィンドーにもデカデカと
「なんと毎週日曜日
オープンになっちゃいました〜!」
って表示してあったし。
とにかく今までのパリを考えたら
「うわお! パリも変わったなあ〜。」
というちょっとした事件なのです。

ちなみにこれ、労使の合意を条件にした
規制緩和なのですが。
「バカンス命!」
なフランス的には、当然のことながら
反対のデモがあったり、
従業員側との合意に至らず
延期されたり、色々あったようです‥‥。

結局合意が得られて
めでたく日曜日オープンになったものの、
従業員の日曜日の給料は2倍、
代休がある、
子供の面倒をみるための手当てが出る
などなど、
デパートごとに決まりがあるようで、
こんなところも
日本の百貨店の人たちがみたら
「オーノー! なんてめぐまれた!」
となってしまうのかもしれないですね‥‥。


▲プランタンはいまのところ特定の日曜のみ。
 近いうちに毎日曜になる予定だそうです

バブー
フランスに住んでいると、
『日曜日はお店は開いていないから
ショッピングは土曜日までに済ます』
が当たり前の思考になっているから、
どうもいまだに慣れないんだけどね‥‥。

滞在時間が限られている
パリ旅行の人たちにとっては
とってもうれしい変化だよね?!

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
【地図】 【駅からの道順はこちら】

 

2017-04-11-TUE


まえへ
トップへ
つぎへ
illustration:Jérôme Cointre