バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


1 9 9

「生活の基礎『家庭科』が、
 フランスにはない?!」

 
     

バブー

日本はゴールデンウィーク真っ盛りで
みんなそれぞれのお休みを
楽しんでいるところかな?!

一方ボクが今住んでいる
バカンス大国おフランスは
年中ゴールデンウィークみたいなもの。

パリは先週末まで
「イースターのバカンス」で
学校は2週間お休み。
バカンスが終わったと思ったら、
今週木曜日が祝日だから
「ポン」(=橋)になって
間に挟まれる金曜日もお休みになって
木曜から日曜まで連休。

そうこうしているうちに長い夏休み。
休みだらけやん!! という、
本当に年中ゴールデンウィークなお国です。

とのまりこ

さて、そんなイースターバカンス中、
友人の子供が我が家にお泊りに来ていたので
一緒にお料理を作ることに・・・。

にんじんの皮のむきかたを教えて。
みじん切りにしたり、乱切りにしたり。
なんで玉ねぎは涙が出ちゃうのか説明したり。
混ぜたり、炒めたり。
包丁の持ち方や切り方のコツを伝えて。
なんやかんやた〜くさんのことを話していて
ふと気付きました。

フランスって家庭科の授業がない。
だからジャガイモの皮のむき方も。
野菜のカットの仕方も。
包丁の持ち方や手の添え方も。
学校で教えてもらったことがないんだって!

バブー
もちろんママのお手伝いはしているけれど、
どうやらママがお料理上手で
ちゃちゃちゃ〜っと手早く用意してしまうから、
じっくり最初から最後までやってみたことは
なかったみたいで。
ボクの家でのお料理体験は
新しいことだらけだったんだって!

とのまりこ
小学校高学年の同じ頃、
調理実習で習った粉ふきいもやお味噌汁。
魚の三枚おろし。
並縫いとか返し縫いとかボタンつけとか。
ミシンの糸のかけかたとか。
それで作ってみるぞうきんとか
ナップザックとか。

人生の中で今でも役に立っている
色々なことの基本を教えてもらった
あの「家庭科」が
フランスにはないのかあ‥‥。

えっじゃあ誰に教えてもらうの?!
と、あらためて気になりすぎて、
手当たり次第にまわりのフランス人全員に
聞いてみたけれど、
「まあ、誰にも教えてもらったことないよね。」
「だから適当だよね。」
「見よう見まね?」
「両親から教えてもらう人は
 教えてもらってるんじゃない?」
という感じです。

というわけなので、
お母さんやお父さんが台所に立つ姿を
毎日のように見て学べる料理はさておき。

私たちがとりあえず一度はやったことがあって
なんとなく「上糸のかけかた」なんていうのも
体で覚えている「ミシン」などは
かなりプロフェッショナルな分野で
勉強していないと、
一般の人は全くできないものなんだそう。
「まりこはミシンが使えるのかっ!!
 おおお。」
と、逆に驚き絶賛されました。

メルシーボークー。
ジャポンの「家庭科」の授業に感謝・・・。

バブー
ハンバーグ煮込みを作ったこの日はね。
ボクもしつこく隣でねばってたら。
ニンジンのおこぼれとか
いろいろもらったりね。
楽しくておいしかったな〜。

日本の「家庭科」みたいに、
フランスにはあるのに日本には存在しない
とっても素敵な授業ってあるのかな?!
今度また調べてみようっと♪

 


※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!

 

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
【地図】 【駅からの道順はこちら】

 

2016-05-03-TUE


まえへ
トップへ
つぎへ