軍服を着た小野田さんのドラマを見た方々に、
いま現在の、こんな小野田寛郎さんの姿を、
ぜひ知ってもらいたいと思いまして、
こんなメールを紹介させていただきます。

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小野田自然塾のキャンプに参加してきました!

いつもすっごく楽しく「ほぼ日」を見ています。

小野田寛郎さんの事が話題になっていたので、
初めてお便りしました。
(小野田さんの事を知ったのが
「ほぼ日」を通じてでしたので)

今月の6日から9日まで、
小野田自然塾でのキャンプに行ってきました。
今年からは、子供だけでなく親も参加するキャンプになり、
家族で参加してきました。
(「子供よりも、親をなんとかしないと」
という思いもあって、親子キャンプになったようです)

場所は、森に囲まれた福島の山奥。
正直なところ、最初は
「あ〜、暑い〜。アブやら蜂やら、虫も多いし、
何で俺こんな山奥に来てるんだろ‥‥」
などと思っていたんですけど、
いざキャンプが始まると、
初日から最終日までとにかく楽しいキャンプでした。

親子キャンプと言っても、
親と子は全員別々の班に分けられ、
他の親や子供達と一緒に活動するんです。
テントを張り、火を起こし、飯盒炊爨をし‥‥という毎日。
(親子全員ばらばらの班だったこともあって、
活動を通して新しい友人が増えた事も
すごく良かったです)

活動も充実してて、ナイトハイクでは、
全く前の見えない真っ暗な森の中を、
数十メートルおきにある
鉛筆の先ほどの小さな蛍光塗料のぼんやりした目印だけを
頼りにゴールまで行くんです。
「いくら夜とは言え、
全く何も見えないほど真っ暗って事は無いだろう」
と思っていたんですけど、
一歩森に入ると本当に真っ暗なんで、驚きました。

小野田さんは、ルバング島の夜のジャングルの中では、
「どうせ真っ暗で何も見えないから」と言う事で、
目をつぶり(枝などで目を傷つけないために)、
裸足になって(地面から地形を感じ取れるように)
移動したそうです。

このナイトハイクは、自分にとって全く新しい経験で、
真っ暗な中で視覚以外の感覚が
研ぎ澄まされていくのが分かりました。
それに、ゴール近くの少し森が開けた所にでて
上を見上げると、樹々の間から暗い空が見え、
それがまるで藤城清治の影絵のようで
とても美しかったです。

その他にも、源流の水を飲みに行ったり、
ニジマスを手で捕まえて捌いて炭火で焼き魚を作ったり、
小野田さんがジャングルの中で実際に食べていた
乾燥肉を作って食べたりと、いろいろでした。
(ニジマスを捕まえる前には、
 「遊びで鱒を捕まえてはいけません。
  相手は命がけで逃げているんです。
  その命をもらって食べるんですから」
 とお話がありました)

すごいと思ったのは、
このキャンプのサポートで働いている人達の殆どが、
小野田さんの考えに共鳴して集まった
ボランティアなんですよ。
しかも、各班のリーダーは、皆20歳前後の若い人達。
皆子供の頃から小野田自然塾のキャンプに
参加して来た人達で、
夏休みを使ってお手伝いに来ていました。

子供の頃に自然塾のキャンプに参加した時に
リーダー達に良くして貰ったように、
今度は自分達がリーダーとして
子供達をサポートしていこうという、
「奉仕の連鎖」があるんです。
素晴らしいなと思いました。

蛾や蜂などが飛び回る自然の中での小野田さんのお話も、
ジャングルでの生活やブラジルでの話から今までの事、
そしてキャンプ参加者からの
沢山の質問に答える形で行われ、
とても勇気付けられました。
キャンプ参加者には、
小野田さんの言葉を編集してボランティアの人達が作った
小冊子「生きる」が配られました。
ジャングルでの30年やブラジル開拓などの
経験に基づいた、深い言葉ばかりです。

思いつくまま書いてるうちに
ずいぶんと長くなってしまいました。

「ほぼ日」これからも毎日楽しみにしています。
糸井さん、スタッフの皆さん、いつもありがとう!

hs

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