1101
ほぼ日事件簿・こんなことでした

大豆か? 落花生か? 
ほぼ日豆まきスペシャル!

もしも屋内に伝説上の鬼と呼ばれる生き物がいるのならば、
どうぞ速やかに屋外へ退去してください。
そしてもしも屋外に福と呼ばれる神様がいるのならば、
どうぞ我が家の門をくぐって入ってきてください。
そのように口々に叫びながら、
手に持った豆類をあちこちへ投げて
無病息災を願うという奇妙な風習が
二月の日本にはあるのだという。
──これを人は「豆まき」と呼ぶ。
私は、この奇妙な風習を熱心に研究し続けて、
今年でちょうど二十五年目となる。
申し遅れました、私、永田豆蔵ともうします。

そもそも豆まきのはじまりは、
紀元前6世紀までさかのぼる。
否、そんなにはさかのぼらない。
そしてさらにつけ加えるならば、
このコーナーは
豆まきの起源を探るコーナーではないのである。
ならばなにを追い求めるのかというと、
その命題はただひとつ!
「豆まきのときにまくのは、
 大豆なのか、落花生なのか」
ということである。

ことの起こりは昨日の
ほぼ日刊イトイ新聞に掲載されたつぎの一文である。


それはそうと、全国で、節分の豆まきをするのに、
「大豆」でやる派、と「殻つき落花生」派があるらしい。
「うちは、どっち」というのを、出身県名を明示して、
「ほぼ日」にメールで教えてください。


ほぼ日刊イトイ新聞を主宰する糸井重里氏が
そのように呼びかけたところ、
全国津々浦々からメールが山のように届いた。
具体的にいうと、軽く400通くらい届いた。
あ、そんなこといってるあいだにまた届いた。
いやはや、驚くべきレスポンスのよさである。
「豆まきだけにマメな人たちが多い」などという
ダジャレは思いついても決して言ってはならない。

それにしても人々がこれほど
「豆まき」に興味があるとは思わなんだ。
さっそく私はそれらのメールを分析しはじめたが、
なにしろ数が半端なく多い。
率直にいって、朝からずぅぅぅっと、
「豆」に関するメールを読み続けているしだいである。
むろん、永田豆蔵を名乗るからには、
「豆」の話には慣れているが、
それにしたって限度がある。
なにしろ開くメールのすべてが「豆」である。
開いても開いても「豆」の話である。
北海道からも九州からもメールは届くが、
テーマはすべて「豆」である。
「豆」の「豆」による「豆」のための
「豆」とはこのことである。
その状況を指して「豆天国」と呼ぶこともできるが、
同じ意味でそれを「豆地獄」と呼ぶこともできよう。
豆まきを研究する永田豆蔵ではあるけれども、
ここは声を大にして言っておきたい。

「豆のメールは締め切りました!
 来年まで送ってこないでください!」


なにがなんだかわからなくなったが、
このコーナーは、
全国から寄せられた「豆」に関するメールを
分析・集計していくページである。

大豆なのか? 落花生なのか?

いよいよその結果を報告していこう。
あ、ちなみに、
永田豆蔵は個人的に「大豆派」で、
どっちかというと「落花生」と聞いて
マジかよそんなの初めて聞いたよ、と、
驚いてしまったことをつけ加えておきます。
それでは、全国からのメールをご覧ください。

=
大阪は豊中市出身です。
うちは煎った大豆撒きます。
そして年の数だけ豆を食べます。
そうするとその年一年健康で
過ごせるそうです。
(banri 大阪府)

ああ、そうそうそう。
 それが一般的だと思うよ。
 少なくとも昨日まではそう思ってたよ。


=
僕は北海道に住んでいるのですが、
昔から「殻つき落花生」です。
北海道では落花生が主流だと思います。
落花生の方が床に落ちても衛生的だし、
大きいため見つけやすく、いいと思います。
(マサキ 北海道)

ところが、あるんです、
 落花生をまくところ。
 しかもけっこう多い。
 そして「衛生的で見つけやすい」と主張する。
 むうう、たしかに。そうかも。
 大豆ってちっちゃいし、転がっちゃうもんね。


=
え?! 落花生でやるところがあるんですか!?
うちは岐阜県ですけど、
大豆しか聞いたことがありません。
落花生のときは、年齢分食べるとき、
中の豆の個数で数えるんでしょうか?
それとも殻付きの状態の個数で数えるんでしょうか?
(にゃんぴょう 岐阜県)

え? ん? 個数? たしかに。
 落花生のときは、どういうふうに数えるの?
 ってことは、やっぱ大豆かなあ。
 だって数えやすいもん。


=
長野県長野市の山間の村に住む我が家では
“殻つき落花生派”です。
イエ、多分本来は大豆でやるのが
正しいのだと思います。
でも、大豆は掃除が大変なんですよね。
それに加え、我が家は旧家で、
広い座敷がいくつもあるので
部屋全部に大豆なんぞまいたものなら、
それはもう、収拾がつかなくなるのです。
だから、我が家では
家長である父が殻つき落花生をまき、
子供が後からついていって回収、
そして皆でコタツにあたりながら、
落花生を食べます。
(みあ 長野県)

ああ、なんだか、
 そういう風景もよさそうだなあ。
 旧家で家長がおごそかに落花生をまき、
 それを子どもたちが拾って歩く。
 うーん、来年から落花生にしようかなあ。


=
落花生なんて、そんなばかな。
だってピーナッツでしょ?
(ヒロシ ?県)

そうだよ、そうだよ!
 落花生なんてピーナッツじゃないか!
 いや、そういう問題か?


=
北海道札幌市ですが、うちは殻付き落花生です。
あとで拾って食べるので汚く無いように。
あと、お菓子も撒きます。
サイコロキャラメルとか。
(黒川 北海道)

サ、サイコロキャラメル?
 新説? ていうかお菓子まくの?


=
大豆です。
結構痛いです。
静岡です。
(西川 静岡県)

いや、痛いかどうかの話じゃなくてさ。
 ってことは、あなたはいつも鬼の役?


=
豆まきですが、うちでは
たてまえは大豆で行うということになっております。
が、大豆は食べてもおいしくないので
実際は落花生でやってたりします。
(retoro 埼玉県)

驚愕の新事実発覚!
 「豆まき」にはホンネとタテマエがあった!


=
「鬼は外」は大豆。
「副は内」は殻つき落花生。
(yumiko 静岡県)

外にまくのが大豆で
 中にまくのが落花生?!
 なにがなんだかわからなくなってきたぞ。


=
我が家の豆まきはミックスアラカルト状態です。
基本はお寺で祈祷した大豆を煎った豆です、
それを一升升へ入れ
さらにうぐいす豆・えびす豆・あさひ豆を入れます。
さらに殻付き落花生をたっぷりのせたのち
神棚に上げて、二礼二拍手一礼を家族全員で行います。
しかるのち豆まきを開始します。
(いしかりの豆親父 北海道)

ミックスアラカルト!
 各種ふんだんに取り混ぜて神棚に?
 私はなにを信じればいいのでしょう。


=
生まれてから27年間、
ず〜っと、福岡県に住んでいるのですが、
豆は大豆・落花生・まわりに砂糖がついたもの等々、
何でもありだった気がします。
最近では、ナッツ入りチョコまで投げるようで。
(のん 福岡県)

ああ、もう、なんでもありだ!
 なんでもありでいいじゃん!
 でもナッツ入りチョコは違うだろう。


=
我が家は、外に向かっては「大豆」でした。
「外に向かって」があるのなら、
「内に向かって」もあるわけでして。
内(部屋)に向かっては、
落花生も含め、冬みかんやお菓子など
を取り混ぜたモノを撒きます。
(みなてぃ 新潟県)

外が大豆で、中はなんでもあり?
 しかも、みかんまで?
 どうすりゃいいんだ!


=
保育園の豆まきは「殻つき落花生」で、
そのときも大人は「大豆」だった気がします。
「落花生」なら子供にあたっても安全だし、
殻つきなら中身がきれいで安心、
という配慮だったのかも。
(1965 長崎県)

さらなる新説!
 オトナは「大豆」で子どもは「落花生」!
 どうするどうなる日本の豆まき問題!

=
節分です。
豆まきしたいですが部屋の汚さに断念しております。
ちなみに「大豆」派です。出身は長崎です。
(夏目石 長崎県)

とりあえず、おまえは掃除しろ。
 大豆だの落花生だのいう話は
 掃除が終わってからだ。


=
実家は大豆ばらまき派(愛知県)でしたが、
今は賃貸なので小袋パックされた
市販マメをなげてます。
嫁いわく「誰が掃除すると思ってんの!」
(♂37age. 兵庫県)

昔は旧家で家長がおごそかにまいたものだが、
 いまやベランダでタバコを吸う親父よろしく
 こそこそと小袋パックされた
 市販豆をまくのが精一杯。
 高度成長期以降、失われていく日本の親父。
 でも「誰が掃除すると思ってんの!」は
 説得力あるなあ。


=
我家は「その年の気分で」使い分けてます。
というか、買って来る母親の気分次第。
去年は落花生でした。
今年は大豆が準備してあります。
母曰く、「掃除が面倒だ!」と思ったら落花生。
こんなんでいいのでしょうか?
(黒瀬 広島県)

そんなんでいいのか!
 気分次第でいいのか!
 いいような気もするなあ。


=
我が家では
先ほど殻つき落花生で豆をまきました。
でも先ほど、サークルの仲間とは、
大豆でやりましたねぇ。
どっちなんでしょう。
(長井 宮城県)

どっちなんでしょうって、
 こっちが訊きたいよ。
 ああ、もう、らちがあかないなあ。
 もうちょっと真面目に話し合おうぜ。


=
私、北海道に生まれ育って50年以上になります。
今もって豆まきは殻つき落花生でやっています。
本州の人にお聞きしたい‥‥
投げたお豆まさか拾って食べるわけじゃないですよね。
ばらまかれたお豆はどうするんですか?
(C 北海道)

おお、落花生派から大豆派へ質問が!
 そうだそうだ、落ちてるのを食うのか!
 どうするんだ大豆派!


=
大豆派です。
去年の豆を撒き今年の豆を食います。
(けいこ 滋賀県)

はっはぁ、そうきましたか。
 まく豆は去年の古いやつで、
 食べるのは新しい豆。
 つまり、まく豆と食う豆は違うと。


=
うちは「投げる行事は落花生、食べるのは大豆」です。
どっちか片方を取れ、と言われたら、
「大豆」をとります。
(猫妻 群馬県)

ああ、もう、またややこしいことになった。
 投げるのは落花生で、食べるのは大豆?
 どっちか片方をとるとか、
 そういう問題じゃないだろう。


=
豆は絶対大豆です。
殻つきの落花生なんて考えられません〜。
落花生はおつまみです。
それを投げるなんて
さきいかを投げるようなものです。
(Satoko 奈良県)

おお、新たなる大豆派の攻撃!
 「落花生を投げるなんて、
  さきいかを投げるようなものだ」
 そうだそうだ! おつまみを投げるな!
 どうする落花生派?


=
うちは「殻付き落花生」派でした。
床に落ちた豆でも、
殻をむけば食べられて衛生的だし、
大きいからあとで拾うのも楽だし、
きわめて合理的と思っておりました。
大体、大豆ってそんなにおいしいもんじゃないでしょ?
(yudolf 北海道)

そうだそうだ! 
 大豆より落花生のほうがおいしい!
 だって落花生はピーナッツだからな!
 これはちょっと決定的かしらん?


=
私は京都出身、大豆派です。
節分で使う大豆が大好きで、
「こんな美味しいもの、鬼になぞくれてやるか」
とばかりに歳の数以上に
ボリボリ(今でも)食べていたのですが、
殻つき落花生なら力いっぱい投げつけられそうです。
(柚 京都府)

と思ったら、大豆が大好物だという人も登場。
 しかも、好きな大豆は投げられないから
 落花生派に転向? 
 言われてみれば、たしかに大豆もうまいんだよな。
 なんつーの? 落花生はひとくち目からうまいけど、
 大豆は後味にコクがあって、
 ついついもうひとつ食べたくなるんだよなあ。
 うーん、どうしよう、どっちもうまい。


=
うちは大豆です。出身は広島県です。
あんまりおいしくないという理由から、
昔イカピーでやったことがありました。
おいしかったのに一回きりで終わってしまいました。
(晶子 広島県)

うまさを追求するあまりイカピーで?
 でも、一回きりで終わり?
 うまいだけじゃダメなのか。


=
「殻つき落花生」なんてありえない!
そんなんで、「鬼は外」に行くか?!
(なかむら 埼玉県)

なんだかわからんけど説得力あり!
 そんなんで「鬼は外」に行くのか?


=
落花生もそりゃ豆ですけど。
(Yumiko 愛知県)

ボヤき派登場。
 コンビ漫才のなかで
 異彩を放つ、ひとり漫談。


=
北海道民になって17年目になりますが、
今でも、落花生には「違うだろ!」と
言いたい気分でいっぱいです。
だって、落花生って原産国南米ですよ。
日本や中国じゃないんですよ?
節分みたいに古式ゆかしい行事に
なぜ、わざわざ落花生?
大豆なら昔から日本で栽培されてたからいいのです。
そして、よりによって
北海道で落花生というのが許せない!
アレは、寒い地方じゃ栽培できないのです。
大豆の生産地である北海道よ、なぜ??
と憤慨する私は、農学部出身です。
(スイカ 北海道)

ああ、ありがとう。
 ついに学術的見地からの意見。
 さすが農学部。
 原産地と地方の特産品であることから論述。
 ん? ってことはアレか?
 千葉では「落花生」でいいってこと?


=
うちは「殻つき落花生」派です。
落花生は千葉の特産ですもの!
(あにゅ 千葉県)

あっ、やっぱりそうか!
 じゃあ、千葉では「落花生」か!


=
千葉県人でも豆まきは大豆。
(れい蔵 千葉県)

おーい、オレをおちょくってるのかあ?


=
もしかして、「殻つき落花生」って
殻ごとまくんでしょうか?
それはヘン!絶対ヘン!
もしかウチがヘン?!
ウチはちゃんと殻を割って
中身をまいてます!
(Takahashi 宮城県)

ええっと、これはどっちの意見?


=
昔は大豆と落花生と両方でしたが、
最近では落花生のみです。
母に聞くと
「落花生のほうが後片付けがラクだし、
 食べてもおいしいから」
という理由から大豆が削除されたらしいです。
(ゆっきー 北海道)

どうもさっきから感じてるんだけど、
 伝統や風習というものには、
 母ちゃんの力が強く作用するのではないか?


=
我が家では、
母親のやる気次第で変わってきました。
私が幼い時は俄然やる気で、
きちんと大豆を炒っていましたが、
あまりにも子供達に
『おいしくない』と不評だったからか
いつの間にか空付き落花生に変わってました。
しばらくはそれで落ち着いていたんですが、
数年に一度、母のやる気がわくらしく、
炒った大豆を年の数だけ
食べさせられる羽目になります。
(けい 宮崎県)

やっぱ母ちゃんか!
 母ちゃんのやる気次第か!


=
父は福岡出身、母は東京出身の我が家では、
「大豆」です。
今春結婚しますが、
来年はどっちを撒くのでしょう?
今から楽しみです。
(K 東京都)

ご結婚おめでとうございます。
 素敵な家庭を築いてください。


=
「大豆」でやる派、と「殻つき落花生」派がある?
は? オオマメ? どんなマメだよ?
もちろん、豆はダイズでしょ!
‥‥大豆=ダイズ。
気づいた瞬間、背中が凍りました。
恐るべし、読みまつがい。
(24uni 静岡県)

まずは国語の勉強をしろ。
 豆の話はそれからだ。
 あと、『言いまつがい』も読め。


=
今日は節分なので、
恵方(今年は東北東)を向いて
巻き寿司をまるかじりします。
しかも、一本まるっと。
食べきるまでは、みな無言で‥‥。
今日の今日まで、この習わしは、
全国区だと思っていました。
(岐阜県の子はやらない、と言ってました)
東京の方では、やりますか?
(うっきぃ 愛知県)

ああ、太巻を食べる話も山ほど届きました。
 でも、今回は豆の話なので割愛します。

=
大豆派です。
うちの方の風習では
年男、年女(厄年だっけな?)は
家の近くの四つ角の道に
後ろ向きで年齢の数の豆を投げて、
振り返らずに家に戻ってきて
厄を落とすという、なぞの風習があります。
(祥子 愛媛県)

四つ角で後ろ向きに豆を投げる?
 なんだよ、豆の話よりおもしろそうじゃんか。


=
うちは屋内にまくのは殻つき落花生、
屋外は炒った豆でした。
それから厄年の人は豆をまきつつ
一番近くの三叉路まで行き、
そこで小銭をまくというのをやってました。
(りんごう 鹿児島県)

こっちは四つ角じゃなくて三叉路!
 しかも小銭をまくの?
 それ、どうなるの?
 拾った人はどうするの?


=
我が家では「福は内」のときに、
豆を口の中に放り投げます。
「福は内」と言いながら、
自分の口の中に投げます。
これは、夫が考えたオリジナルで、
どちらかの実家でやっていたわけではありません。
(Naoko ?県)

おもしろい風習だと思ったら
 オリジナルか!
 編み出すな編み出すな!


=
私の実家では
神棚にお供えしてからまいていました。
そのお供えなのですが、
おじいちゃんが歌いながら
謎の踊りをしていたのを覚えています。
あと、謎なのですがSさんの家では
豆まきはできないと
子供の頃学校で話題になりました。
鬼の親戚だからとか‥‥。
(さたけかおり 新潟県)

おじいちゃんが謎の踊りを!
 どんな踊りだ!
 しかもSさんの家は鬼の親戚?
 そんなバカな!


=
うちの血筋は代々
節分に豆まきをしない家らしいです。
なくなった祖父に聞いた話ですが、
なんでも、うちは、元をたどると鬼の家系で、
自分たちは鬼の子孫なんだそうで‥‥。
だから節分は外出せず、
家でひっそりしているんだそうです。
小さい頃は自分が鬼だなんて言われて、
ショックでしたよ。
小学校の豆まき大会で自分の正体を見破られないかと、
戦々恐々としていました。
(ケイチョ・リー ?県)

うわあぁ! 鬼の家系の人がいた!
 そういえばケイチョさん、
 デリバリー版にも投稿してくださってましたね。
 というか、豆どころじゃなくなってきたぞ。


=
母が昔やってみせてくれた
「出雲のひいじいちゃん流」まめまきは、
豆の入った入れ物を手に、
窓際もしくは戸口に仁王立ちになって、
「鬼は外福は内鬼は外福は内鬼は外福は内…」
と超早口でお経のように唱えながら、
つかんだマメを交互に家の中と外に、
ものすごい勢いでまくというより投げつけるという、
鬼どころか福の神も逃げていきそうな、激しいものでした。
(あまどり 和歌山県)

またしても、おじいちゃんが謎の行動を!
 超早口でしゃべりまくりながら
 豆をものすごい勢いでまく! たいへん!


=
今日は、仕事仲間と
居酒屋の個室を貸し切って大豆まきちらします!
(Mizushima 福岡県)

かと思うとこっちでは
 個室で思う存分豆まき大会!
 でもこれ、風習じゃない!


=
豆まき後はなぜかお小遣いをもらえました。
福島県です。
(福島県 リエ)

‥‥お小遣いをもらえるんですか。
 なんか、それがいちばんいいなあ。


=
母は幼少のころ鬼子母神を奉ってある
お寺の檀家で育ったため
そのような風習にはついていけないと
30年以上言い続けています。
(えつここ 山形県)

ああ、そんな理由も出てきますか。
 なるほどなるほど。
 日本って、いろいろあるなあ。


=
家では捲く時こう大声で言いながら捲きます。
「鬼は〜外! 福は〜内!
 鬼の眼(まなこ)をブッ潰せ!」
(じゃっしぃ〜 山梨県)

わー、なんて乱暴なかけ声だ。
 そこまで鬼を嫌わなくてもいいのでは。


=
うちのじいちゃんは
「福はー内ー! 鬼はー外ー!!
 鬼の目玉ぶっつぶせ!!!」
と言いながらまいていたので、
我が家ではそういわなくてはならないのです。
(イガツン 宮城県)

ここにも「目玉ぶっつぶせ」派が!
 えええ? そのかけ声、全国区?


=
我が家では、
「鬼は外 福は内 
 福でもってぶっとばせ〜!」でした。
(マキ 茨城県)

微妙に違う! 微妙に違う!
 違うけど、微妙に似てる!
 こっちは「ぶっつぶせ」じゃなくて
 「ぶっとばせ」です!
 

=
投げる際には
「福は内、福は内。鬼は外、鬼は外。
 福の神でぶっとめろ〜!」と言います。
(キキ ?県)

新たなるチャレンジャー!
 「ぶっとめろ」!
 しかも「鬼は外、鬼は外」って、
 なんで2回言うねん。

=
夫は節分を年に一度、すごく楽しみにしています。
会社帰りに玄関でお面をかぶり
「わーるーい子はいねぇーかー?」と
なまはげさながらに帰ってきます。
下がスーツなので
あきらかにパパなのに四歳と一歳の娘は
毎年、大泣きです。おしっこちびりそうです。
彼は、それをビデオに撮り幸せそうです。
ビデオカメラを持った鬼なんて
怖くもなんとも無いと思うのですが‥‥。
(中村 京都府)

スーツ姿で、ビデオ片手に、
 なまはげの決まり文句を叫ぶ鬼。
 日本の伝統はどこへ行くのか。


=
小学校の豆まき大会に思い出があるのですが、
前日に鬼のお面を作ってくるという宿題が出され
画用紙を一枚持ち帰ってきたのですが、
その夜熱を出してしまって
お面を作れなかったのです。
しかし朝起きて画用紙をみてびっくり。
父が私のかわりにお面を作っておいてくれたのです。
しかもなまじ絵の上手な父でしたから
ものすごいゴツイ強面の
真っ赤に激怒した般若のような。
これはちょっとと思いつつ、満足げな父に
「こんなのいやだ」と言えずに学校に行き、
豆まきの時間
みんな小学生なりの可愛い鬼のお面が並ぶ中、
ひとりだけとても恐い、
絶対自分で描いていないと丸わかりの
リアルな鬼が逃げ回っていたのです。
笑い者にされるし、人一倍豆もくらった気がします。
父はもう忘れているだろうけれど私は忘れないよ。
(りお ?県)

うはははははは。
 親父の描いたリアルな鬼の面!
 しかもまだ忘れてないあたりがおかしい!
 ええと、ここはなんのコーナーだっけ?


=
今年になって出てきた疑問。
今年はうるう年です。
毎回うるう年は節分が2月4日なんです。
なのに今年のカレンダーには
2月3日に「節分」の文字。
これは何でなんでしょう。
何でこんなことに拘っているかというと、
私の誕生日は2月4日。
母の誕生日は2月3日。
年の数だけお豆を食べていた小さい頃は、
節分にぎりぎり誕生日を迎えるか
どうかが大きな問題でした。
母は毎年誕生日を迎えて、大きな顔して食べられる。
私はいつも「後一日なのに」と悔しかった。
それでもうるう年のときだけは、
いつもより1つたくさん食べられる。
これはすごくうれしいことだったんですよ。
だから私の中で「節分」っていうのは
人一倍思い入れがあるような気がします。
特にうるう年には…。
ちなみに私の父の誕生日は2月29日です。
このことも私の「うるう年」好きに
拍車をかけてるのかもしれません。
(ぴよこ ?県)

へええ、うるう年の節分って
 2月4日なの?
 「いつもより1つたくさん食べられる」って
 なんだかかわいいなあ。
 で、ここはなんのコーナーだっけ?
 ‥‥豆の話だ! 豆の話をしてくれ!
 大豆か、落花生か、どっちなんだよ!
 

=
ひとりで豆まきをしようと思い立ち、
部屋を見渡すと、そこにあったのは
「グリーン豆」。
(ワハハ本舗の梅ちゃんが鼻に入れて飛ばすヤツ)
(きよきよ 熊本県)

だ・か・ら! グリーン豆じゃなくて!
 大豆か、落花生!
 グリーン豆なんて使ってるのは、
 きみかワハハの梅ちゃんくらいだよ!


=
わたくし、大豆でもなく、殻つき落花生でもなく、
春日井のグリーン豆を使っております。
鼻からまいております。
わたくしの鼻から飛んだ豆が
弧を描いて飛んでいく間に
願い事を三回すると、
かならず叶うと言われております。
節分に限らず、一年中
日本のどこかでやっておりますので
どうぞ機会がありましたら、
いらしてくださいませ。
(梅垣義明 ワハハ本舗)

だから‥‥‥‥ん? えええ?
 これってひょっとして、その、
 もしかして、アナタは?



 わあ、梅ちゃん!
 なんとご本人からのコメントでした。


というわけで、
非常識なほど長々とお届けしてきましたが、
「大豆か落花生か」論争はこのくらいにして、
みなさまからのメールを集計した結果を発表します!
「おいおいここまでマエフリだったのかよ」という
声が全国から聞こえるようですが、
とにかくそれほどたくさんの
メールが届いたということです。
さあ、結果発表!!!
ドラムロールは各自お願いします!


(大豆は「●」、落花生は「○」で集計しています。)
北海道 ●●●○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
青森  ○○○○○○
岩手  ●○○○○○
宮城  ●○○○○○○○○○○○○○
秋田  ●●○○○○○○○
山形  ●○
福島  ●●●●○○○○○
茨城  ●●○
栃木  ●●
群馬  ●●●●●●
埼玉  ●●●●●●●
千葉  ●●●●●●●●●●●●●●●○○
東京  ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●○
神奈川 ●●●●●●●●●●●●●●●○
新潟  ●●●●●●○○○○○○○○○○○○
富山  ●●●
石川  ●●
福井 
山梨  ●●●
長野  ●●●●○○○○○○○○
岐阜  ●●
静岡  ●●●●●●●●●○
愛知  ●●●●●●●●●●●●●●●●
三重  ●●●●●○
滋賀  ●●
京都  ●●●●●●○
大阪  ●●●●●●●●
兵庫  ●●●●●
奈良 
和歌山 ●●●●
鳥取 
広島  ●●●●●●●○○
山口  ●●○
岡山 
愛媛  ●●●●
香川  ●●
徳島 
福岡  ●●●●●●●●○○○
長崎  ●●●●○
大分 
熊本  ●●●○○○○
宮崎  ○○○○
鹿児島 ○○○○

むーーー、なんとも興味深い!
「落花生」派は北海道で生まれ、
そこから東北に伝わったとの説もありましたが、
なぜか九州の一部にも「落花生」派が。
しかも、全体の割合からいっても、
「大豆」派が圧倒的っていうわけじゃないんですねえ。

と、いうわけで、このへんで豆特集、
お開きにしたいと思いますが、
せっかくだから「ほぼ日」でも豆まきするか!
ってことで、老舗の豆屋さんまで出かけて、
買ってきましたよ、「豆」。



いちおう、両方買ってきたんですが、
買うときにふと疑問が湧きました。
「豆屋さんは、豆まきをするのか?
 売り物である豆をまいたりするのか?」
長い長い読み物の最後に、
豆屋さんのコメントをお届けします。


豆まきですか?
しますよ。
たまに、お客さんで、殻付きの落花生を
お求めの方もいらっしゃいますけど。
あれは、どうもまいた後に、
掃除が簡単、とかいう理由だそうですねえ。
うちは、大豆ですよ。ごくふつうに。

(豆源本店 店長 ホシノさん)

豆源本店
〒106-0045 港区麻布十番1-8-12
TEL 03−3583−0962
営業時間 9:30〜19:00
定休日 火曜日不定休
 


そういうわけで、
豆屋さんも豆まきをするそうです!
まくときは「大豆」だそうです!
結論からいうと、どっちの「豆まき」も
立派な「豆まき」だからガンバレ!
鬼は外! 福は内! また来年!



‥‥ところで、豆といえば。

このページへの激励や感想などは、
メールの表題に「ほぼ日事件簿を読んで」と書いて
postman@1101.comに送ろう。

2004-02-04-WED

TORIGOOE
戻る