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ほぼ日事件簿・こんなことでした

オッス!メッス!キッス!トッス!
アターーーック!!!
銀幕デビューしたったぜ〜い!


オス。「ぼーっとした青春」でもおなじみ、
ゆーないとです。

「ウォーターボーイズの監督がPARCOを舞台に
 ショートフィルム撮るらしいんだけど、
 エキストラやらない??」

ある日、ROCK西本さんからお声がかかりました。
おお!まじっすか?
それって結構、今をときめくっぽいんじゃない???
こりゃあ、ビッグへの道の何かを
つかめるかもしれないわ!
よーっしこうなったらヒロインの座を奪ってくるわ!
と、あややさんに堅く契りをかわし、
息巻いて、お友達おまめちゃんを誘い、
張り切って行ってきたっちゃよお!!!


PARCO前にて。あたいたちのお尻。
(あひるのluluちゃんでっす!4649ね!
 あんま関係ないけど。
 私たちがどれくらい張り切って行ったかというと、
 これくらい。計り知れませんねぇ)


集合時間。PARCO前で西本さんと合流。
いや〜どーもー。
今日はがんばりますですよー。
なんて、漫才の頭の挨拶みたいな感じでおしゃべり。
よし、今日は目立ちすぎて
「きみきみ目立ちすぎ!
 きみはあくまでもエキストラだからね」
と怒られるくらいの
伝説の『目立つエキストラ』になってみせますWA!!
そして、ヒロイン奪取!それが最終目的っす。

やんややんやと西本さんもまじえて、
おまめちゃんと3人で話してたらば。
ADさんっぽい若いニット帽に
ちょんちょこりんを付けた青年が、
「もーちょっと待っててくださいねー
 もうしわけないですー」
その日のエキストラは全部で20人くらいだったかな。
それぞれに「ちょと待ってねコール」して、
しっかりと退屈しないように、飽きないように。
「あれが、プロよ。
 待ち時間を待ちと感じさせないように、
 お相手してるんだよ。
 こういうのがプロデューサーとかの仕事ですわ」
流石西本さん!!!
だてにかつて「Mr.腸内洗浄」と呼ばれてただけのこと、
あるねぇ。関係ないねぇ。
「きみたち、そういう学校でそういう勉強してるやん!
 学ばな!!!」
はあ!ひっぱたかれたかのような衝撃!
これはなに??
あたしったら自分だ自分だ自分だばっかり。
自分が『目立つエキストラ』になって
ヒロインを奪取するとか、
そんなことしか考えてませんでした。
そうでした。
端くれながら我々は映画を作ったりする学科で
そういう勉強をしてるんでした。
プロの現場で学ぶチャンスじゃん!
目を覚ませ自分!!バカバカ!!!!!

気持ちを入れ直して、いざ閉店後のPARCOの中へ。
ちょんちょこりんニット帽のお兄さんが、
「じゃあこのゴザの上で少々お待ちくださ〜い」


ゴザをひく、ちょんちょこりんニット帽のお兄さん。
ベルトテカテカじゃん!パンツ見えちゃってるよ!!


まあ座りましょうや。と座った途端に、
隣の6人くらいのグループが
単位の話なんてしつつ、
さりげなーくバックの中からUNOを・・・。
UNO持参とはーあなどれますまいね。
「おいおい、エキストラのプロだよぉ」
負けたーーーライバルに負けたーー。
なんてコソコソしゃべってたら。
早速出番です!
あいよっ!!

わたしたちが参加した日は
カッペという設定の男の子と女の子が主役の日。
男の子なんて、
きったない泥だらけのTシャツ着てるんだわー。
「ねえ、きみTシャツきったないよー」
「・・・」


主役の女の子と男の子。
かわいいでしょ〜。
左の男の方が、店員さん役の役者さん。
★西本さんのイチオシ
「あの男の子マナカナにそっくりだよなあ!」


若いねぇぇぇーーーー。
これじゃあ流石に「ヒロイン奪取」はできねえなあ。
おれもう今年21歳になっちゃうものお。
残念。
しゃーねえ。こいつらのバックアップに専念するかあ!
あたいたちは、
子どもたちの後ろについてエスカレーターに乗ります。
あたいとおまめちゃんの後ろに、
男の人、女の人。の後に西本さん行きます。
紙袋を持たされたり、持たされなかったり。

閉店後で、空調も切れて、照明もたいてるから、
現場は暑いよーーー。いや、熱いよーーー。
店と店の間にライトスタンドが立ってたり、
ドリー(カメラをスムーズに移動させながら撮るための、
車輪のついたもの)も立派ですわ!!
じゅうたん敷いてある!なんでえ?


わかりにくっ。
しかし、うちらが使うドリーと大違い。
うちらのドリーはスケボーだからね。


さあてと撮影開始。よろしくおねがしまーす。
アクション!


「ウォーターボーイズ」の監督矢口さんの
矢口組の脚本家である鈴木卓爾さん。
BOSSチェアーに座ってらっしゃいました。


カット!
また定位置に戻る我々。
「おいおい、誰NGだよーー」
「誰待ち?こども??頼むよ〜」
「これだから素人はね〜まったくー」
誰だよ自分ら!
なんだけど、デ・ニーロ並の巨匠ぶって
楽しんでみたりしてましたわ。

試しに出演者の女の子男の子と
コミュニケーションをはかってみるわたしたち。
「暑いねー」
「うん、暑い!」
「テカっちゃうね〜お顔が!
 ほら、押さえて!テカっちゃう!!」
「へへ」
女の子は相手にしてくれるんだけど、
男の子(マナカナ似)はお年ごろなのかしらー・・・
ぜーんぜんシカト。
チラ見だもん。しょーがないけど。

んで、はじめは子どもたちの後ろで
しゃべっててくださいって言われたから、
ここぞとばかりに、色々やってみたんだけど、
「結局何もしゃべらないでムッとしてみてくれる?」
とご指示を受け。
あ、でしゃばりすぎたかも・・・。
そんなでテストも入れて4回くらいで
そのシーンはOKが出ました。
ふぅ〜小芝居してやったぜっ。

さあて、これからが本番だな。
のれんに腕押し、お母さんは腕まくり!!
もっといい味の小芝居してやらあ!!
待ってろよーーーーー。

「はい!じゃあ今日はエキストラさん
 以上で撮影終わりですんでーーーおつかれさまでしたー
 ありがとうございましたーーー」
あ、はーい。おつかれさまでしたー。
ってまだ22時じゃん!!!
2シーンかよっ!!
「何時に終わるかわかんないから、
 電車なくなったらタクシーで帰ろう。
 あたいたち近所でよかったね。ラッキー!」
なんて話までしていたのにだ!
なんて早いの!
もっとあたしたちを撮らなくていいわけえ?
まあ、思いの外疲れたなあ。
今日はこれくらいにしてやろうっ。

とりあえずストーリーも何もわからず、
出させていただきましたわ!!!
本物の現場の雰囲気を味わい。
勉強になったところもあった。
閉店後のPARCOに潜入なんて、貴重な体験もできた。
要求されてもいない、小芝居も出来ることはした。
いいんでねーかい???
まあ、ビッグへの道は簡単ではないという事だね。

7月に渋谷シネクイントでレイトショーらしいからね。
楽しみだ。
どれくらい映れているのか!
どれくらいオーラを放てているのか!
以上、銀幕デビュー報告でしたっ!

2002-04-07-SUN

TORIGOOE
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