●「ゆるさ」や「抜け」が必要?
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ほぼ日 |
まずは本日の主役、
ほぼ日手帳ユーザーの4名の方々に
簡単な自己紹介をお願いします。 |
小林 |
国際協力関係の仕事をしております、
小林聖子と申します。
よろしくお願いします。 |
渡辺 |
イラストレーター兼主婦をしております
渡辺裕子と申します。
「ほぼ日手帳」歴は2009年で6冊目です。 |
永田 |
製作関係の仕事をやってます、
永田ゆにこと申します。
本日は尊敬している糸井さんや佐藤卓さんに
お会いできるのを楽しみにしておりました。 |
山口 |
糸井さんの出身地群馬県から来ました、
山口幸子と申します。
生活雑貨のお店のバイヤーをしております。
手帳のほうは4年まえから
使わせていただいてます。 |
ほぼ日 |
そして、今日は、文房具の専門家として、
webサイト「All About(オールアバウト)」の
ステーショナリーガイドを担当されている
土橋正さんにもお越しいただきました。 |
土橋 |
どうぞ、よろしくお願いします。 |
糸井 |
そして、糸井です。
よろしくお願いします。 |
佐藤 |
佐藤卓です。
よろしくお願いします。
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ほぼ日 |
みなさん、よろしくお願いいたします。
お聞きおよびかと思いますが、
本日のテーマは、ほぼ日手帳の「方眼」です。
2009年版から、3.45ミリの大きさに
変更された「方眼」について
いろいろとうかがっていきたいと思います。
それでは、最初の質問ですが、
みなさんは、手帳のひとつひとつの方眼、マス目に、
1文字ずつ文字を書いてらっしゃるんですか? |
永田 |
私はそうですね。 |
小林 |
マス目にキッチリ
文字を入れているわけではないんですが、
横の行といいますか、文字1行を、
1マスの高さに収めるように書いてます。 |
山口 |
わりとマス目は気にしないで書くほうだと思います。
ただ、私はカズンも併用して使っていて、
カズンと比べると、通常版に書くときは
チョコチョコ細かく書いてしまいますから、
やはりマス目に左右されているのかもしれません。
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渡辺 |
私もわりとマス目に入れて書いてますね。 |
ほぼ日 |
2009年版が発売されてからだいぶ経過しましたが、
ずばり、3.45ミリの方眼はいかがでしょう? |
渡辺 |
正直、まだ慣れません(笑)。
やはり、小さく感じてしまいます。
書くときにも違和感がありますが、
意外に、読むときもつらいんです。
なかなか目に入ってこないんですよ。
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佐藤卓 |
なるほど。
去年までは大丈夫だったんですね。 |
渡辺 |
はい、そうなんです。
1行空けてみるという工夫もしてみたんですが、
そうすると、去年は1ページに収まった量が
入らなくなっちゃうんですよ。 |
ほぼ日 |
なるほど。 |
永田 |
私は、苦労して書き込んでいるというよりも、
殴り書きの率がすごく上がったという感じです。
いままではちょっとしたメモでも
マス目に沿って書いていたんですけど、
今年は殴り書きですね。
あと、漢字を略して書くようになりました。
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渡辺 |
あ、それありますね。 |
永田 |
横棒がたくさん入る「昼」みたいな字は
横棒を端折ったりしちゃってます。 |
渡辺 |
記号率も高くなったりするんですよ。
あとでわかればいいやっていう気持ちから
アルファベットや数字だけで済ませたりとか。 |
佐藤 |
なるほどー。 |
糸井 |
いや、生々しい意見ですね(笑)。 |
小林 |
私は、昨年までの方眼が、
自分にとってちょうどいい大きさだったので
ビッチリ書きすぎてたんです。
今年は小さくなったことで、
その「マス目の呪縛」みたいなものから開放されて、
かえって伸び伸び書ける気がしたんです。
でも、よくよく考えると
書く量が減ったような気もします。
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渡辺 |
私も減りました。
あの、2009年版から、
すごくキレイなデザインになりましたよね。
変な話なんですが、
こんなにキレイになってしまうと、
キレイすぎて書けなくなっちゃうんです。 |
佐藤 |
ああ、それはデザインの大きな課題ですね。
逆にゆるいくらいのほうが
書きやすいんでしょうか? |
渡辺 |
そうですね。
もう少し「抜け」のようなものが
あったほうがうれしいかもしれません。
いままでの「ほぼ日手帳」って
「抜け」があったと思うんですよ。 |
佐藤 |
うんうん、ありましたありました。 |
糸井 |
「抜け」ねぇ(笑)。 |
佐藤 |
これまでのデザインを見直して、
ピントをきっちり合わせたことで、
ちょっとだけ取っつきにくくなったのかなぁ。
その「抜け」というか「ゆるさ」みたいなものは
これからの課題ですよね。
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糸井 |
曖昧な話ですいません。 |
佐藤 |
いえいえ(笑)。 |
●相性のいいペンとは?
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ほぼ日 |
文具に詳しい土橋さんは
いまの話を聞いていていかがですか? |
土橋 |
私はまだ「ほぼ日手帳」1年生で、
初めて使っているのですが、
小さいという印象はあまりないですね。
4ミリだった時代のを拝見したときに、
「大きかったな」とは思いました。
ただ、私が知る限りで、
小数点第2位までキッチリ計っている
手帳の方眼というのは初めて見ましたね。
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一同 |
(笑) |
糸井 |
あー、そうか、そうですねぇ。
ほかの手帳のスペック表では
あまり見たことがない。 |
佐藤 |
(笑) |
土橋 |
私はマスを2行に渡って書いてるんですが
そうすると3.45+3.45で7ミリなんですね。
それって日本を代表するノート、
コクヨの一般的な「キャンパスノート」の
罫線とほぼ同じ幅なんです。
それがわかると、いつもの字で書ける
安心感みたいなものが生まれました。 |
糸井 |
はーー、なるほど。
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土橋 |
あと、文房具としての観点からいうと、
ペンとの相性の問題もあると思います。
いまの方眼の大きさだと、
太めのボールペンはつらいかなと思いますので。 |
ほぼ日 |
みなさんは、どんなペンをおつかいですか? |
小林 |
私は0.3ミリのシャープペンをずっと使ってます。 |
山口 |
私の場合はもともとパイロットのコレトが好きで
ずっと使ってたんですが、
それの0.3か0.25ミリのもので書いてますね。 |
渡辺 |
私もコレトの0.3と
そのひとつ上くらいのを使ってます。 |
永田 |
私もコレトの0.3です。
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ほぼ日 |
「ほぼ日ストア」特典のボールペンは
つかわれていないんですね(笑)。 |
永田 |
夫にあげちゃった(笑)。
夫はあのボールペン、
よろこんで使ってるんです。 |
渡辺 |
書き味はすごくいいんですけど、
「ほぼ日手帳」には使わないですね。 |
山口 |
あの太さのボールペンで
この方眼に入れて書くのは
けっこうきびしいと思います。
方眼を意識せずに書くには問題ありませんが。 |
ほぼ日 |
土橋さんはいかがですか? |
土橋 |
私も、持っているペンで
いろいろと試してみたんですが、
やっぱり0.3ミリがベストですね
「東京都」とか「横浜市」と書いたときに
つぶれずに書けたの0.3ミリのゲルインク。
私の場合は、ぺんてるのスリッチでしたね。
太めのボールペンだと
ちょっとつらいかなという気がします。
あと、細字の万年筆でも書いています。 |
●永久にこのままでいいっていう
デザインはないんです。
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糸井 |
いま聞いた話の中で、
「読み返すときにつらい」っていうのは
説得力のある意見だと思いますね。
「ほぼ日手帳」って書く行為を
楽しんでいるのと同時に、
自分の書いたことを読む行為も
楽しんでるわけですから。
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佐藤 |
たしかにそうですね。 |
糸井 |
ただ、だから大きくするかというと
そう単純な話ではないように思うんですよ。
4ミリに戻すのは簡単なことだし、
戻さないっていうのも簡単なこと。
そのどっちでもない方向だってある。
でも、けっきょく、どれを選んでも誰かが
「それは違う」って言い出しちゃうんです。 |
佐藤 |
ええ、ええ。
方眼の大きさだけを突き詰めれば
いいというわけでもありませんしね。
たとえば、方眼を3.45ミリにしたことで
2009年版から、ページの下に
縦5マス分のスペースが生まれたんですね。
それを、4ミリの本願に戻すと、
空きスペースはなくなっちゃうんですよ。 |
永田 |
あのスペース、すごく便利なんです! |
佐藤 |
でも、なくなっちゃうんです(笑)。 |
永田 |
マス目は大きくなってほしいけど、
下のスペースは欲しいです。 |
佐藤 |
弱りました(笑)。
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一同 |
(笑) |
糸井 |
でも、彼女は困らせようと思って
言ってるわけじゃなくて、
本当にそう願ってるんですよ。 |
佐藤 |
うんうん、わかります。 |
糸井 |
むずかしいですねー。
ちょっと前に行ったアンケートでも
すごく微妙な結果が出たんですよ。 |
ほぼ日 |
はい。今年の2月に恒例の
「ほぼ日手帳2009アンケート」を行いました。
3.45ミリの方眼について、
第一印象と、つかってみての感想を
お訊きしましたので、ご覧ください。
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ほぼ日 |
大きくいうと、
「最初は小さいかなと思ったけど、
つかってみたらちょうどよかった」
という人が少し多かったんです。 |
糸井 |
徐々に慣れて、
よく思えてきたっていうことですよね。
ということは、またサイズを変えると
「せっかく慣れたのに!」ってことに
なってしまうんでしょうねぇ。 |
一同 |
(笑) |
糸井 |
たしかに、その責任感は感じるんです。
ただ、いったん決めたんだから
それを見直さないと決めつけるのも
なんだか不自由だと思うんです。 |
永田 |
あの、いろいろ言いましたけど、
方眼が3.45ミリになったことって、
自分の中のルールが少し変わっただけで、
すごい使いづらいというわけではないんです。
毎日書くことなので、そのテンポが
少しだけ変わったっていう感じです。
だから、個人的には、
「この方眼の大きさがベスト!」っていう
大きさがあるわけじゃないような気がします。
どういう大きさになっても、
「ほぼ日手帳」自体の魅力があるかぎりは、
使い続けていこうと思ってます。
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渡辺 |
そうなるんならそれでいいですよ、
っていう気持ちがあるんですよね。
だから、極端にいうと、
2010年版が3.45ミリのままでも、
4ミリに戻っても使うと思います。 |
永田 |
うん、うん。 |
小林 |
1日1ページの安心感がありますからね。
なんかもう小さい手帳には戻れない。
自分の書いたことを読み返す、っていう要素は、
ほかの手帳にはないものだと思います。 |
糸井 |
それはすごく言われますね。
うーん、今日はいろいろうかがって
すごくためになりましたが、
悩みも深まりました。
来年はどうなるんでしょうねぇ。 |
佐藤 |
最後に言わせていただきますと、
永久にこのままでいいっていう
デザインはないんです。
人の価値観も変わるし、技術も変わる。
インクだって、紙だって
変わるかもしれないわけです。
だから、いろいろなご意見をうかがいながら
調整するべきところを毎年微調整をしつつ
つくっていくんでしょうね。
個人的には、まだ調整しないで
もうちょっと様子を見るっていうのも
ちょっと忍耐が必要ですけど、
あるのかなぁ、っていう気もします。
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糸井 |
これね、突き詰めていく問題でもあるんだけど、
なんか追い詰めちゃいけない気がするんですよ。
だから、ちょっとサウナにでも行って、
ふたりでボーっと
この件について話し合いましょうか。 |
一同 |
(笑)
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