第11回 おじい、熊がいる。
糸井 雨だなぁ。
雨だねぇ。
糸井 わざわざ、こんな日にねぇ。
でも、ちょっと小降りになってきたかな。
糸井 小降りがお好きですか?
ええ。あんまり、大降りは。
糸井 はははは。
一同 (笑)
あ、なんか、そこ、
おもしろいもの売ってる店だね。
 
糸井 なんだろうね、マキビシ?
そうだね。手裏剣と。
糸井 「‥‥おじい、熊がいる。手裏剣投げていいか?」
え?
糸井 「‥‥おじい、熊がいる。手裏剣投げていいか?」
それ、なに?
糸井 思い出。
思い出?
糸井 うん。
高校1年生のときに、
自動車修理工場にバイトに行ってたんだけど、
そこの先輩の工員さんでちょっとおもしろい人が、
しょっちゅう、それを言っててさ。
いきなり言うの?
糸井 いきなり言うんだ。
いきなり言われると、おかしいね。
糸井 うん。
それがもう、バイトのあとで
思い出し笑いするくらいおかしくて、
すっかり染みこんじゃっててさ。
たぶん、なんかのマネなんだけど。
なんのマネかはわかんないんだ?
糸井 そう。
わかんないからおかしいのかもしれない。
そうだね。
糸井 「‥‥おじい、熊がいる。手裏剣投げていいか?」
「‥‥おじい、熊がいる。手裏剣投げていいか?」
糸井 っていうか、そんなこと、
ふつうは言わねぇだろ(笑)。
一同 (笑)
言わないよね。
まず、熊がいない。
糸井 そうだね(笑)。
一同 (笑)
熊がいるんだね。そこにね。
しかも「出た」んじゃなくて、
もう、「いる」んだね。
糸井 どっかから、見てるわけだ。
で、手裏剣はいつも持ってる。
糸井 そういうことだね。
忍者なんだろうか。
忍者なんだろうね。
糸井 「‥‥おじい、熊がいる。手裏剣投げていいか?」
「‥‥おじい、熊がいる。手裏剣投げていいか?」
糸井 なんなんだろうなぁ、これ。
あ、ほんとに小降りになってきたね。
糸井 小降りがお好きですか?
ええ。あんまり、大降りは。
一同 (笑)
(つづくに決まってます)

2008-05-09-FRI


(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN