■ 9月 1日■
ふたりでひとつの風景。
早乙女道春さんのTARO-T。


みんなのTARO-Tシャツ制作も
そろそろ追い込みに入ってきました。
ここで、イラストレーターであり画家である
早乙女道春さんが、Tシャツづくりに
手をあげてくださいました。

1991年の、芦原すなおさんの小説
『青春デンデケデケデケ』の表紙や
ANAの「翼の王国」で
早乙女さんの描く絵に出会い、
ひそかにファンだったTシャツチームは大喜び。
さっそく伊賀さんといっしょに
お会いすることにしました!


早乙女 岡本太郎さん、好きですよ。
作品的に影響を受けたことは
あんまりないかもしれませんけど、
あの人のすごいところって、やっぱり
エネルギーですよね。
絵に限らず、音楽でも
何でもそうだと思うんですけど、
なにかを生み出したり
ひっくり返したりするのは、
エネルギーの力
よるんだと思います。
そういった意味では、ぼくは太郎さんを
全面的にリスペクトしています。
伊賀 そうですね。僕がこうやって
Tシャツをやらせていただいているのも、
太郎さんや、
Tシャツをつくってくれるみなさんの
エネルギーを感じるからです。

「こういうふうにやっておけば
 ぜったいまちがいないに決まってる」
というよりも、
「どうなるかわかんない」
というときのほうが
エネルギーが高いと思うんです。


早乙女 今回、そのドキドキ感は、ありますね。
容赦なくエネルギーは高まるなあ。
ぼくはこれまで、
ファッションにからんだことも
やりたいと思いつつ、
なかなかチャンスがなかったんで
うれしいです。
── よろしくお願いします。
伊賀 早乙女さんの作品は
前からどこかで目にしていたと思います。
見入っちゃう絵ですね。

早乙女 ありがとうございます。
Tシャツの制作方法は、
プリントをせずに、
Tシャツに直接描くというのはどうでしょうか。
プリントって、フォーマットがあるから、
意外と制約が多いんですよ。
伊賀 じゃあ、Tシャツは白いのがいいですね、
きっと。
早乙女 ええ。服をつくるというより、
キャンバスに描くっていう感覚に
近くなっちゃうけど、いいのかな。
── もちろんです。
早乙女 男の子用と女の子用の両方を制作するんですね。
ああ、なんだか現物のTシャツを目の前にすると
どんどんおもしろくなってきた!



ところで、伊賀さんの着ている浴衣、
すてきですね。
僕は着物の絵を描くことも多いんですが
普段見慣れてないから
けっこう難しいんですよ。
── 伊賀さんはいつもカッコよく
浴衣を着ていますよね。
着崩れたりしないんですか?
伊賀 大丈夫ですよ。シャツのしわなんかは
一回ついちゃったらとれないけど
浴衣はどんなに着崩れても
トイレにいってキュキュッて直せば
しわはなくなるから、
とっても合理的なんです。
── 着物は日本が誇れるものですよね。
というか、
日本って誇れるものだらけなんですけど。
早乙女 そうですよ。
日本の美的感覚ってすごいですよ。
戦国時代の武将の甲冑も‥‥
伊賀 アッ!やばいっすよねえ。
伊達政宗の兜も新月でかっこいいけど、
それと、あの、
早乙女 陣羽織でしょ!!
ビリヤードの玉みたいのが配置されていてて、
あのバランスって、並みじゃないよね?

伊賀 すっごいですよねえ。
── なにやら、マニアックな
戦国の、甲冑の話題に
入っているのかも?
早乙女 もしかしてあれは
日本でいちばんすごい服かもしれませんね。
伊賀 染め抜きで紫とかブルーとか黄色とか、
黄緑とか、
めちゃめちゃおしゃれですよ。
早乙女 伊達政宗のおしゃれっぷりって、
ふたり やばいっすよ!!
── ははあ、そうなんですか。
早乙女 男の人のファッションの極意というものが、
戦国時代の武将の格好に
あるような気がするなあ。
やっぱり最終的には
もしかしたら死ぬかもしれない、
その死にざまが大勢の目に触れるかもしれない、
っていう思想が根底にあるんだと思う。
伊賀 最終的に死んでいる姿を晒すっていう、
それが「晴れ舞台」なんですよね。
早乙女 うん、うん(うれしそうに)。
── なんか、ファッションって
とっくの昔にすごかったんですね。
早乙女 そうなんだよねぇ(しみじみ)。
ごめんなさい、今回のTシャツとは
直接関係のない話で盛り上がっちゃった。
完成を、たのしみにしていてくださいね。


そして、3週間後。
早乙女さんがつくってきてくださった
Tシャツです。
アクリル絵の具を使って、
何度か重ね塗りをして
色を出してくださったそうです。
すっっっっごおおおおおく、きれいです。


男女で並ぶとつながった絵が完成します。

早乙女さんからのメッセージ
  僕の絵のテーマのひとつである
「TRIPPIN' SCAPE 幻景旅景」から抜粋して
 Tシャツに描いたらどうなるだろう?
 岬で車を走らせる。林の間からチラチラする海、
 スピードをあげろ!
 キラキラキラキラ光る‥‥。
 2人で着るとひとつの風景になるようにしてみたかった。

海ぞいの道を車で走っているときにみえる
キラメキが、ふたりでつながった風景に
描かれています。
Tシャツの前でTAROに挑んだ早乙女さんの
エネルギーがあふれたTシャツ。
ああ、これもできることならペアで着たい!!
うっとりしつつ、

では、また次回!

 

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