■8月 11日■
田島貴男さんがつくるTシャツ。
「もし売れ残ったら俺が着る!」





TAROの遺伝子のインタビュー
で大人気だった
オリジナル・ラヴの田島さんと伊賀さんは、
これまでに、いちどだけ
お会いになったことがあります。
それはとある酒場でのことでした。
着流しを着た伊賀さんに、
ほろ酔いの田島さんは
「オッ、こんなところで着流しなんか着てる
 若者がいるぞ!」
と、「伊賀大介さん」であるということを
ぜんぜん認識せずに声をかけたそうです。
そのときも、TARO話で盛り上がったとか‥‥。

ぜひ、田島さんにもTシャツをつくってほしい。
田島さんからは
「やらせてください!
 でも、デザインなんてやったことないしなあ‥‥
 伊賀さんがいっしょにやってくれるなら」
というお返事。さっそくTシャツチームは、
レコーディングまっただなかの
田島さんのところへお邪魔しました。

田島 伊賀さん、あのときはどうも。
ぜんぜん伊賀さんだと気づかずに話しかけちゃって
すみませんね。俺、酔っててさ。
あっ、かっこいいな、この人!って思って
話しかけちゃって。
伊賀 TAROの話をして、盛り上がりましたよね。
だから、田島さんにはぜひ
Tシャツに参加していただきたかったんです。


田島 ほんと、うれしいな。

でも、つくりたい気持ちはあっても
服のデザインなんてやったことないんです。
どういうふうにつくったらいいか。
伊賀 そうですね‥‥田島さんの「思いの丈」を
Tシャツにぶつけていただいたら
いいと思うんです。
Tシャツといっても、プリントだけじゃなくて、
Tシャツに直接描いていただいてもいい。
布をはりつけたり、糸で縫いつけたり。
田島 うーーん、絵か。
子どものころは、油絵とかやってましたけど
13歳くらいから絵なんて描いてないし‥‥。
伊賀 でも、
うまくないと、絵を描いちゃいけない
ってことじゃないと思うんです。
田島 ハッ! そうだよね!
伊賀 先生(TARO)が言っておられるように‥‥。
うまくあってはいけない。
 きれいであってはならない。
 ここちよくあってはならない。

だから、ふだん洋服をつくったことのない方にも
ぜひやってもらいたいんです。

そういう人がTシャツを前にして
TAROというテーマひとつで、
「どうしよう、自分はここでなにができて
 そして、なにをやりたいか」。
そう考えていただくことこそ、
このTシャツでやりたいことなんです。
田島 何がいいんだろうなあ。
絵の題材は
ぼくが決めるんですよね。
そこでみんなが知恵を絞るのが
TAROっぽいってことなんだね。
伊賀 さらっとキレイなTシャツつくっても
おもしろくないですし。
こういう機会なんで、
確実にもう二度と
こんなことできない、

っていうようなものをやれたら
俺はおもしろいと思うんです。

田島 そうだね‥‥Tシャツねぇ‥‥
考えたことないからなあ‥‥
1か月くらいあればできるかなあ。
‥‥そうか‥‥そうか(笑)。
Tシャツに直接描いてもいいんだよね?
── リキテックスや布用の絵具だったら
問題ないと思います。
男の子用と女の子用の
2枚をつくっていただきたいんですが。
田島 へえ、そうなんだ。おもしろいね。
なんかドッキドキしちゃうなあ。
伊賀 そのドキドキ感がいいんですよ。
── ‥‥大丈夫でしょうか。
田島 だ、大丈夫じゃないよ、
ゼンッゼン。

ッハハハハハ!
── 大丈夫です、大丈夫です。
田島 黒一色でもいいの?
伊賀 ぜんぜんかまいません。
田島 なんていうインクでしたっけ?
── リキテックスです。
田島 リキテックス‥‥ね。
‥‥やべー! 俺やべー!
── 白Tシャツもありますが、
古着の上に描くのもおもしろいので
ごらんになってみてください。
田島 古着も、おもしろいね。
マレーシアか、シブイな。

伊賀 古着なんで、謎のTシャツがいっぱいあります。
田島 でも、やっぱり古着よりも
真っ白のTシャツがいいかな。
塗りつぶすスペースがほしいから。
さっきのマレーシアだったら
いけるかな。マレーシア、
うん‥‥うん‥‥
── 田島さん?
田島

うん‥‥なんか、考えはじめてきちゃった。
ちょっと待って(笑)。どうしようかな。
うわ、すっげえプレッシャー感じてきちゃったな。
急に!
── 大丈夫です、大丈夫です。
田島 できるのかな、俺に!
伊賀 大丈夫です、大丈夫です。
── TAROがみてますんで。
田島 ちょっと気合い入るなあ!
── マイナスに賭けろ、ですよ。
田島

そうだよね。Tシャツとか洋服とか、
ほんと、わかんないところから‥‥。
俺、Tシャツも、いつも適当に着てるし、
このジャンパーも15年くらい着てるもんだしさ(笑)。
裏地がボロボロになっちゃって。


事務所の方から贈られた、15年愛用のジャンパー。
「そもそも最初はこんな色じゃなかった」そうです。
傍らには、TAROの本がつまった愛用のカバンが健在。

伊賀 そういう人につくってほしんですよ。
マイナスをプラスに転換させる、
TAROスピリッツですよ。
田島 そうかそうか。
「知らない強さ」か。
伊賀 そうやってつくったTシャツを
服に関わる仕事をやってる人がみて
「うわあ、すげえなあ」と思うことが
あるかもしれません。

もちろん、服をふだんデザインしている人が
つくりこんだTシャツっていうのも魅力的です。
このTARO-Tは、
そういうのが混じっているのが
おもしろいと思うんです。
田島 わかりました。がんばります。
‥‥(小さい声で)大丈夫かな。
伊賀 大丈夫です、いけます。
田島 ハッハッハッハッハ。
伊賀 各自のところへ先生(TARO)が。
降りてきますから。
田島 そうだよねえ! もう、っったのむ!
あっ、お願いすると来ないかな。
こっちが「やるぞ」って状態になってないと。
気がついたら「いた!」ってかんじですよね、きっと。
いやーそうかそうか。
伊賀 いくらTシャツつくるのが得意な人でも
TAROのことをそんなには思ってない人には
つくってもらってないんです。
田島 いや、おれは
soulはあるからね!
好きだというね!!
それだけはあるからね。やってみます。
ほかの人はみんな
かっこよくつくってくるんだろうなあ。
伊賀 いや、逆に、かっこいいものを
「つくらない」というほうが
いいかもしれませんよ。
田島 ‥‥なるほどねえ。なるほど!
あっ、わかってきた! そかそかそか。
伊賀 ハマリすぎてて誰もみない絵は
だめじゃないですか。
田島 「いやったらしい」もの。
賛否両論が巻き起こるようなものね。
伊賀 へんに着地点を考えないほうが。
田島 そうだね!!
なるほど!!
パチパチ!!
そかそか、「着地点」!
わかった。オッケー。
「着地点は考えなくてよい」
── 人に説明する必要もありませんし。
田島 そうだよね。
俺は考えなくていい。
ちょっとわかったな。
── たくさんあるTシャツのなかで
みんなが「ぜったいこれは欲しくない」って
思うものがあってもいいかもしれません。
逆にそれはTAROが
褒めてくれることなのかも。
田島 なあるほどね!
そうか。
伊賀 1枚だけ残ったら、かっこいいっすよ。
田島 なら、俺が着ればいいんだ。
── そうですよ!
伊賀 ほんとにそれはそうだな。すげえ、かっこいい。
田島 うん。そうだね。
じゃ、ま、考えます。
あ、考えちゃいけないんだった。
ハハハハ。
漠然とぼーっと、こう、ね。
ハハハハ。
なんか曲書くのに似てんな、きっと。

伊賀 お忙しいとこ、すんませんでした。


田島さんが送ってきたTシャツは
次回公開です。
さすが田島さん、
ちょっと一筋縄ではいきませんでしたよ。


田島さんの取ったメモには
「着地点は考えなくてよい」の1行が!

最近のオリジナル・ラヴ


MAXI SINGLE「沈黙の薔薇」好評発売中。

秋にはNEWアルバムが発売予定です。
オリジナル・ラヴのオフィシャルサイト
“Have The Last Laugh”

 

このページに関するメッセージをpostman@1101.comまでお寄せ下さい。
このページの全部または一部の無断複製・転載を禁じます。