| タモリ |
まぁまぁ、正月ですからね。
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| 糸井 |
グダグダでもオッケーです。
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| タモリ |
どこのホームページもグダグダでしょう。
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| 糸井 |
はい（笑）。
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| タモリ |
このあいだ、福山雅治と、
リリー・フランキーと、オレと３人で
飲む機会があったんです。
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| 糸井 |
いいメンツですねぇ。
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| タモリ |
３人で、こう、ならんでね、
ちょっといいウイスキーやってたら‥‥
福山が言うんですよ。
「リリーさんさ、ソムリエっつうの
なんだかオレ、気に入らないんスよね」と。
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| 糸井 |
あの福山雅治さんが。
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| タモリ |
「森のシダクサのニオイだとかなんとか、
たとえが、しゃらくせえんですよ」と。
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| 糸井 |
ほう！
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| タモリ |
「ウイスキーはそんな表現じゃダメだから」と。
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| 糸井 |
はぁ！
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| タモリ |
「女でたとえましょう」っつって。
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| 糸井 |
おお、おお！
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| タモリ |
それがさ‥‥また、福山もリリーさんも、
すっごい細かい描写しはじめるんだよ（笑）。
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| 糸井 |
みんな負けたくないんでしょうね、
そのゲームには（笑）。
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| タモリ |
まず自分が誰であるのかからはじまる。
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| 糸井 |
あはははは、すごい（笑）。
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| タモリ |
32歳、女子高の体育教師とか。
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| 糸井 |
その立場から見て、
ウイスキーを「女性」にたとえるんですか。
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| タモリ |
それも、毎回ちがう女で言わなきゃいけない。
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| 糸井 |
それ、難しくないですか？
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| タモリ |
難しい。おもしろかったんだけど。
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| 糸井 |
それ、酒飲んでるというよりは
明らかに、ちがうことして遊んでますね。
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| タモリ |
なかでもやっぱり、リリーさんが細かい。
おもしろいのは、あの人の描写のなかに、
絶妙な感じで
「惜しい」が混じってくるんですよね。
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| 糸井 |
あははは、リリーさんの「惜しい」は‥‥
いろんな意味で、すごそうだなぁ（笑）。
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| タモリ |
いや、おもしろかったですね。
ただ、だれがどんなこと言ったかとか、
スッカリ忘れちゃったんだけど。
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| 糸井 |
でも、さんざん勝手なこと言ってますけど
女性から見た場合って
男を「惜しい」で見てないんですかね？
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| タモリ |
見てないでしょうね。
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| 糸井 |
じゃ、何で見てるんですかね？
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| タモリ |
フェロモンじゃないですかね。
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| 糸井 |
あれには‥‥ビックリしました。
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| タモリ |
ガッキーでさえも。
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| 糸井 |
ご存じない読者のために説明しますと、
タモリさんが９年ぶりに出演した日テレの
開局55周年特番（『タモリ教授のハテナの殿堂？』）で
「死に直面している男からは
フェロモンが出ているのかどうか」という
実験をしたんですよね。
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| タモリ |
したんです。
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| 糸井 |
誰だか顔がわからないようにした状態で、
「スタントマンの胸のニオイ」と
「次長課長の河本（準一）さんの胸のニオイ」を
女性ゲストに嗅いでもらったら‥‥。
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| タモリ |
全員、スタントマンのほうに行った。
こっちからフェロモンが出てるって。
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| 糸井 |
ベッキーもガッキー（新垣結衣さん）も。
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| タモリ |
で、次に、われわれ男性陣が嗅いでも、
何の匂いもしないし、
まず、両方のちがいがわからない‥‥。
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| 糸井 |
とにかく、
女性陣は全員「スタントマン」に行って、
男性陣は全員「わからない」と。
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| タモリ |
あれは、すごかったねぇ。
しかも、女性のゲスト全員が
スタントマンをの胸のニオイを嗅いだあと、
河本のニオイを嗅いだら、
「ああ」っつって納得顔なんですよ。
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| 糸井 |
そうそう、河本さんからは
「フェロモンが出てない」ってことを、
はっきりと確信してましたね。
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| タモリ |
あの企画は、スゴかったなぁ。
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| 糸井 |
予想以上でしたよね。
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| タモリ |
自分が河本だったら
なんともガックリくる企画というかね。
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| 糸井 |
そういう意味ですか（笑）。
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| タモリ |
だって、まったく出てないってことでしょ。
フェロモン。
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| 糸井 |
収録のはじめのあたりでは
ベッキーに「河本さんカワイイ」とか
言われてたのに（笑）。
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| タモリ |
１票ぐらい欲しいよね。
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| 糸井 |
まぁ、オレたちの商売だって
ほんとは「命がけだ」と言いたいんだけど‥‥
出ないか、フェロモンは。
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| タモリ |
以前「１億円の借金」を抱えてた友だちに
この実験のことを話したんですよ。
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| 糸井 |
ほう。
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| タモリ |
そしたらね、こう言ったんです。
「その昔、オレが１億の借金をしていたとき、
商談に行くには
そりゃ上等な背広は着て行くんだけど、
ポケットの中には
1000円、2000円しか入ってない時代が
ずーっと続いてたんだ」と。
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| 糸井 |
うん、うん。
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| タモリ |
「でもオレ、そのときのほうがモテたんだよ」って。
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| 糸井 |
借金のない、順風満帆な今より。
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| タモリ |
そう。
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| 糸井 |
なるほど、やっぱり
せっぱつまった状況だと、出るんですかね‥‥。
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| タモリ |
ただね。
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| 糸井 |
はい。
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| タモリ |
よーく考えると。
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| 糸井 |
ええ。
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| タモリ |
年齢の問題じゃないかと思うんだよね、ただ単に。
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| 糸井 |
え。
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| タモリ |
年くってモテなくなっただけだと思う。やつは。
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| 糸井 |
そんな（笑）。
＜つづきます＞ |
