タモリ先生の午後 2008。 「スロー人」のすすめ。


第10回 タモリの「プゥ〜」がたまらない。
糸井 タモリさんにとって、
唯一「わからなかった音楽」が
ジャズだったんですよね、たしか。
タモリ うん、ジャズが最後だったんですよ。
他の音楽は、ことごとく聴いてましたから。
糸井 アートな人生ですねぇ。
タモリ まぁ、よく言やぁね。

糸井 で、さまざまなルールや様式に対して
適宜、批評を加えてきた、と(笑)。
タモリ うん、知らないくせして。
糸井 で、リズムは大好き。
タモリ うん、リズムは大事、ルールはキライ。
糸井 今やってることと、そのままじゃないですか。
タモリ そのままですねぇ。
糸井 できたら、省エネもしたいんですよね?
タモリ 音数も極力、減らしたい方向です。
糸井 1曲のなかで
「プゥ〜」のひと吹きだけで済むんだったら。
タモリ それに越したことはない。
糸井 「あの、タモリのプゥ〜がさー」なんて。
タモリ たまんねえんだよなって(笑)。
‥‥理想です。

糸井 もう、できることなら音すら出さずに‥‥。
タモリ 拍手がほしい。
糸井 こう、ラッパ構えただけで。
タモリ 客から大喝さいが(笑)。
糸井 リズムってのは、何なんですか。
タモリ 何なんでしょうね、うん。

まぁ、人それぞれ、
自分のなかに持ってるというものですよね。
糸井 だから、さっきの話で、
同窓会の席でちゃんとした挨拶しちゃった人って
場のリズムに合ってなかったんですね。
タモリ うん、リズム感がないというより、合ってない。
糸井 ルールの場合、
守らない人は罰則を受けなきゃならないけど。
タモリ リズムの場合は、合うか合わないかですから。
だから、違ってるのは、別にいい。
糸井 ああ、その考え、すごく賛成ですね。

リズムがちょっと違っても
お互いに合えば、ともだちになれますからね。

タモリ いまだに付き合いのある
高校時代からの仲間が4〜5人、いるんですけど
それぞれのリズム、ぜんぜん違うんですよ。

で、ひとり、聞いてるようでいて
なんにも聞いてないし、反応すらしないという
特異なリズム感をもったやつがいて。
糸井 特異な(笑)。

タモリ でも、そいつにはそいつなりのリズムがあって、
オレたちにとっては、それがおもしろい。

だから、いてくれなきゃ困るんです。
糸井 合ってるんでしょうね、リズムが。
タモリ ええ、いわゆる「癒し系」とは
ちょっと、違うんですけれども。
糸井 それとはまた、別のリズム。
タモリ うん、なんというか、こう‥‥
30小節に1発くらい低い音で「ドン!」と。



そんな感じのリズムで生きてる(笑)。
糸井 波長というか、間隔がやたら長いんだ。
タモリ でもね、たまーに鳴らす「ドン!」で
すごく重要なことを言うやつなんです。
糸井 それまで、無反応なのに(笑)。
タモリ みんなが困ってる状況をね、
その「ドン!」で解決しちゃうような‥‥。

<つづきます>


2008-01-06-SUN