後編:サウナを体験してみた。

いよいよサウナに入ります。
米田さんたちがストーブを焚いて、
十分に空間をあたためてくださったところに、
まずは糸井が入ることになりました。

▲火を焚いて室内をあたためます。ストーブはフィンランド製。
▲さぁ、いよいよ‥‥。
▲入ります! なぜか猪木の真似。
糸井
(中に入って)
‥‥すごいね、入って間もないのに、
汗がじゃんじゃん出てきてます。
池田
熱いですか。
糸井
熱い。
ところで、ぼくが被っている
この帽子はなんでしょうか。
より汗をかくためのもの?
池田
いえ、熱で髪が傷んじゃうので、
それを防止するための帽子です。
糸井
なるほど。
池田
今日は、日本で流行りつつある
「ロウリュ」というものを
糸井さんに体験していただきたいと思います。
糸井
ロウリュ。
池田
はい。フィンランドに伝わるサウナ入浴法で、
熱したサウナストーンに水をかけて、
室内に熱い空気を送るんです。
湯気がぶわあっと降りてきて、すっごい熱いんですけど、
だんだん気持ちよくなりますよ。
▲サウナストーンはフィンランドの「かんらん岩」を使用。
 ここに水をかけて、熱い湯気を発生させます。
池田
焼けた石に水をかけるときの、
「ジュジュ~」っていう音に
注目していただければと思います。
いきますよ~。
(ロウリュはじまる)
‥‥大丈夫ですか?
糸井
熱いけど、気持ちいいです。
池田
この水は、ヴィヒタという
白樺の束を浸した水なんです。
ちょっと森の香りがしませんか?
糸井
ほんとだ。枯れ草のような香りですね。
▲「ヴィヒタ」とよばれる白樺の木。
池田
森林浴の気分ですよね。
では、もっと熱風を送ります。
(タオルで扇いで熱い空気をかき混ぜながら)
こうやってタオルで扇ぐのはドイツの文化で、
「アウフグース」といいます。
フィンランドではこんなふうに扇ぎません。
糸井
‥‥おおお、熱いっ!
池田
では、水に浸したヴィヒタを使って、
身体を叩いていきます。
これはリトアニアの文化で、
「ウィスキング」といいます。

(途中、一代さんが中をのぞいて)

一代
うわあっ、ふたりともすごい汗!
こりゃすごいですね。神経痛治りそう。
池田
神経痛だって治りますよ。
では糸井さん、一回外に出ていただいて、
外気浴をしましょう。
▲車体の後部は開閉式になっていて、開くと外気浴ができるベンチが登場。
糸井
ふぅーーっ!
なんだか知らないけど、すごい!
池田
いいですねえ。
糸井
気持ちがいいせいか、
雲が動いていくのさえ感動します。
池田
水分もしっかり摂ってくださいね。
糸井
なんか、ここにいると、
中にいる時間が懐かしいですね。
特に木の香りが良かったです。
池田
じゃあもう一回入りましょうか。
次はちょっと遠慮ない感じでいきますよ。
糸井
いいねえ。

(サウナトースターに戻って、
 さまざまな体勢でロウリュと
 ウィスキングを繰り返します)

▲楽しそうですが、室内はめちゃくちゃ熱いんです。
池田
はい、じゃあゆっくり起き上がってください。
次は外に出て、海に入りましょう。

(ふたりで海に入る)

池田
あ、ちょうどいいですね。
糸井
ちょっと冷たいかも。
▲9月末の海に浸かる池田さんと糸井。
 通りがかった漁師さんも「寒くないの!?」と、びっくりなさっていました。
池田
頭をつけて浮いていれば、
だんだん冷たくなくなりますよ。
糸井
あ、ほんとだ。
頭をつけるまでの方が寒かった。
一代
すごーい! 寒い?
糸井
気持ちいいです。
最初は寒いじゃないかって思ったんだけど‥‥。
池田
慣れてくるんですよね。
水風呂も同じで、
急に冷たくなくなる時間がくるんです。
さっきまでの冷たかった
自分を恋しいと思っちゃうくらいに(笑)。
このあと、身体を拭いて、
座ってぼーっとする時間を設けます。
実は、一番気持ちいいのが、その時間なんですよ。
糸井
あ、じゃあそれを早くやりましょう。
(海からあがる)
池田
しっかり水気を拭いてくださいね。
海からあがると、冷たい状態から
あたたかい状態に身体がなろうとして、
ぽかぽかしてくるんですよ。
それが気持ちいいんです。
糸井
ああ、これは‥‥気持ちいい。
池田
最高ですねえ。
糸井
うん、なんか感謝の気持ちがわいてきますね。
すごくさわやかな気分です。
池田
一代さんもサウナ、入りませんか?
一代
いいの? やりたい!
(中に入って)
うわぁ、超気持ちいい。
▲一代さんもサウナを体験!
 東北ツリーハウス観光協会の斉藤道有さんと「つなかん」料理長の今井竜介さんも一緒に。
池田
さぁ、熱波を送ります。
この香りとともに深い森林浴効果が楽しめます。
サウナは上の方が熱くなりますので、
熱いなと思う方は、
ちょっと縮こまって、背中で熱波を浴びてください。
糸井
タオルで顔をかくすといいですよ。
池田
じゃ、いきますよー。
糸井
うおー、くるねえ。
一同
おお~。
熱っ! 熱っ!
▲外からみるとこんなかんじです。
一代
ギブアップだー!
こりゃ、すごい。本物のサウナだよ。
(一代さん退出)
池田
ウィスキングいきまーす!
糸井
(肩を叩かれて)
ああ、これ、肩こりが取れますね。
池田
はい、では最後にロウリュして終わりまーす。
一同
おぉぉ~~!!!
(限界まで熱さを我慢する一同)
池田
みなさん、よく頑張りました。
はい、おしまいです。
▲火照った身体を冷ますため、海へ。
「つなかん」の料理長、海へダイブ!
▲そして休憩。この時間が至福のとき。
▲美しい夕焼けを眺めて、サウナ終了!
~サウナを終えて~
一代
いやぁ、サウナを誤解してた。
すごい。なめちゃダメだ。
最高に気持ちいいね。
さっき一瞬しか入ってないけど、
冷え性なのに足がぽっかぽかになりました。
糸井
あのさ、このサウナ、
気仙沼の名物になったらいいと思いますよ。
一代
いい!
糸井
気仙沼にサウナ小屋を建てるのと、
このサウナトースターを用意するのと、
どっちが現実的でしょうか。
米田
サウナ小屋の方が簡単にはできます。
糸井
サウナ小屋。
外側が簡単なものでも、
内装を木にすれば、素敵になると思いますよ。
一代
サウナトースターは
何の木を使っているんですか?
米田
天井と壁は松で、
ベンチはアバチという木を使っています。
糸井
杉とかでもいいわけでしょう?
米田
はい、もちろん。
一代
あ、じゃあその辺に生えてますよ。
フィンランドだとこういうサウナが普通にあるの?
池田
あるんですよ。
しかも、そこで宿泊もできます。
スモークサウナというものもあって、
サウナ室に食材を入れて燻すことができるんです。
スモークしたソーセージやサーモンが
サウナに入った後の夕飯として出てくるんですよ。
一代
あ、じゃあここでやるんだったら、
牡蠣をスモークして‥‥。
糸井
ああ、牡蠣もいいね。
一代
うん、やっぱりこれは気仙沼でやるべきだ。
糸井
ツリーハウスの近くにサウナがある、
っていうのもいいなぁ。
▲「いつかサウナを気仙沼の名物に!」そんな夢を描いて、
 東北ツリーハウス観光協会の斉藤道有さんと米田さんのあいだで、握手が交わされます。

そして、サウナのあとはバーベキューです。
「つなかん」のみなさん、道有さん、
「気仙沼のほぼ日」のサユミが
バーベキューの準備をしてくれました。

▲夜は「つなかん」でバーベキュー!
▲カツオを炙って、たたきにします。
 サウナで身体をととのえたあとにいただくバーベキューは格別でした。
▲スペアリブを焼いているところ。
「気仙沼のバーベキューもいつか名物になると思う」と糸井。
▲「また来てね!」一代さんたちが見送ってくださいました。
 このたびは、お世話になりました!
(撮影:ほぼ日)
▲気仙沼では、スイッチ・パブリッシングのみなさんと
 東北ツリーハウス観光協会のツリーハウスもたくさんめぐりました。
 写真は徳仙丈のツリーハウス「No.000 TOM'S HOUSE」です。
 その様子は「SWITCH VOL.35 No.3(2017年2月15日発売)」に掲載予定です。

気仙沼でのサウナ体験レポートはこれでおしまいです。
すっかりサウナが気に入った一同は、
このあと、米田さんたちが長野に作ったサウナ施設
「フィンランドヴィレッジ」にも、
気仙沼のおかみさんたちと一緒に行ってきました。
このまま話が進めば、
いつか、気仙沼にフィンランド式サウナが
できる日がくるかも‥‥?
そのときは、また報告しますね。

(終わります)