この人ほど「おやじ!」と叫ばせたくなる人いたかしら、
と思うくらいに「おやじ」が似合う気がします。
うざくて、残念な(ダメな、いけてない)ことが多くて、
そして何よりも身内感のある近さ。
また本人は決して自分をそんな風に
とらえてないだろうけど、の空回りっぷり。
ご本人はすごくできる
バリバリのビジネスマンだった過去の威厳を残しつつ、
柔軟な発想と大胆な行動力で
新たな世界を切り開いてる男、参上!
‥‥くらいのつもりかもしれません。
私が日本に一時帰国するという話をしたときに
「あ、僕も行こうかな。
ねえ、日本の人たち、生のフィンランド人
見られたら良くないかな」
と言ってきて、その発想と勘違いに
どうフォローしたらいいのか、
どう突っ込んだらいいのか
ただ沈黙に任せるしかなかったこともありました。
本当にどうにかして欲しいと思うことしばし、
うざいと言ってしまうこと5度や6度にあらず、
「おやじ!」と心の中で叫んでしまうこと数知れずです。
でもこんなおやじだから、
不思議な人脈を作るのも、とても上手かもしれません。
私がエルッキさんに会ったのは、
ヘルシンキでのこと。
ブラックソーセージ(血のソーセージ)と牛乳という
黄金のコンビに舌鼓をうつ麗らかな春の日の午後でした。
屋台のわきの階段に腰かけていた
私のところにやってきて、
いきなりいろんな話を一方的にしてきたのが
エルッキさんです。
超がつくくらい強引に自分の話をし続け、
気づいたらその翌週くらいに
電車のチケットが届いてました。
当日は他にもアウトドア誌の編集者がいたり
茸の専門家が来る予定だから気楽に遊びにきて、
とあったので遊びにいったのでした。
それ以来、エルッキさんを介して
いろんな分野の面白い人たちに会わせてもらいました。
おやじは見事なくらいに魅力的な人たちを
どこからともなく探し出してきます。
そしておやじがどんなにうざく強引でも、
彼の一声で集まったメンバーたちでいると、
ものすごく居心地がよくて
チームワーク抜群だなという勢いのよさなんです。
彼のパーティーには村の人だけでなく、
遠くから車で何時間もかけて
やって来てくれる仲間たちがいます。
私もその一人になってしまったかもしれません。
小さな村では今までありえなかった、
そんな立場の方が私人としていらっしゃったりもします。
そしてそんなパーティーで案の定、
満を持して用意したはずのカメラなのに
そのバッテリーが見当たらない! と大騒ぎです。
結局、私が持参したカメラで
パーティーの記録を撮ることになりました。
この残念ぶり、そしてまたしても振り回されている私。
おやじ! と叫ばせてもらってもいいですよね。
遊びに行くたびに、なんかしでかされてる気がします。
そしてこんなおやじっぷりを見事にフォローし、
彼のいろんなダメなところを結局
「それも味わいかも」
と感じさせてくれるのは、
奥さまのアンニッキさんがいてこそ、かもしれません。
アンニッキさんがいてくれて、
おやじの魅力は成立しているような気がします。
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