われら、スジナシ応援団!笑福亭鶴瓶の即興ドラマに酔え。

最終回 飽きないように。錆びないように。
『スジナシ』や『生つるべ』のような
むちゃな番組をやり、
ベタな『いいとも!』に出て、
ラジオをやって、舞台をやって、
落語をやって‥‥。
でも、それだけいろいろやっても
「もう、これでいい」とは
ならないわけですよね。
あれもこれもと欲張るわけじゃないけど、
「もういいか」には、ならないですよね。

それはね、やっぱり自分がトータルで
飽き性やというのを知っているからね。
飽きないものを提供するいうか、
それでこっちも
錆びないようにいくっていうか。

うんうん。
自分が飽きるのがいちばんイヤだよね。

うん。
自分が飽きたのを
ずっとやってるっていうんが
いちばんイヤやね。

いわゆる
プロの仕事といわれるのって
そういうことが多いじゃないですか。
「飽きてもやるんだ」みたいな。
前も話したけど、鶴瓶さん、
どっかで「アマ」なんですね。

うん。アマ。それはもうね、
(上岡)龍太郎師匠がよう言うてたね。

ああ、上岡さんもそういう
「飽きを嫌う」ところがあるのかな。
すっぱりやめちゃったもんねぇ。
あの、上岡さんのことは、
誰か呼びに行かないんですか?

いや、ときどき
ボクが呼びに行っているんですよ。
電話して「出なはれ」って言うと
「もう人前に出るのは無理」
とか言うんですけどね。

上岡龍太郎さんを
毎週口説く番組というのはどうですかね。
電話したり、会いに行って
門前払いされたりして。

んっふふふ。
それおもろいね。

上岡さんが映らなくてもいいわけですよ。
毎回、会議をしてね。
「どうやったら出てくれるだろう?」って。

「上岡龍太郎、いつ出るか?」
おもろいわ。

おもしろいよね。
裏のテーマとしては、
「人の心はどうやって動くのか」
っていうことでしょう。
番組タイトルは
『上岡龍太郎』ですよ。

ふふふ。出てないのに。

出てないのに(笑)。
「さて、今週も
『上岡龍太郎』がはじまりました!」

ぶふふふふふ。

で、そのシャレをわからない人だと
思われたくないっていうのが
上岡さんの弱点なわけですよ。
だから、その番組を「やめろ!」とは
上岡さん、言えないでしょう?


ぶはははははははは。
それはね、あの人が
ものすごい喜ぶ番組ですよ。
とかいって、今度やる『スジナシ』の
舞台に出てきたりしてね(笑)。
え! ないでしょうね、まさか。

だって、誰が出るかわかりませんもん。

ああ、ゲストって当日まで
シークレットなんでしたっけ?

そうです。3日間やりますけど、
ゲストは日替わりで、
誰が出るかはわからないんです。

その、劇場『スジナシ』の、
応援団長なんですよね、ぼくは。
じゃあ、応援させてください。

応援させてあげましょう。
ぜひ(笑)。

一生懸命やらせていただきます。

いろいろいつもありがとうございます。
長いおつきあいで。

こちらこそ、いつもありがとうございます。

(ふたりの対談は今回で終わりです)
2006-02-23-THU