安斎 マネージャって、時間を管理するから
つらいと思うけど、
例えば僕のようなタイプの人の生活を
どうやって修正していくんですか。
片山 僕は、ほぼ
あきらめてます。
安斎 あきらめ!?
片山 そこは、直す必要もないのかな、と思てます。
だからこそ芸人なのかな、と。
ボーズ なるほどね。
片山 現場に「来てくれ」と
願うだけです。

一同 爆笑

ボーズ いちおう、モーニングコールを入れて。
片山 はい。そのときは、いちおう相手は
起きるんですよ。
でも、電話の雰囲気で、
まだ寝るつもりでいることがわかるから、
10分後にもう一度かけたりすると
「わかっとるわ!」と、キレられます。
そう思って、30分後にかけたら、
やっぱり寝てるんですよ!
もう間に合わない。
安斎 確かに10分後くらいだと、
イラッとするんだよね。
アニ バカにしてんのか? と。
ボーズ 勝手なもんだ。
片山 そこらへんのさじかげんが
むずかしいんですよ。
安斎 でも、いいなあ。
ちゃんとあきらめてくれる人がいて。
ほぼ日 片山さんは、
遅刻はできないですよね?
片山 いや、仕事をはじめた頃は、
がんばって時間どおりに行っていましたけど、
最近は、正直言うて、芸人さんの後で
現場に入ることもしょっちゅうです。
モーニングコールをして、
また寝てしまうこともあります。
アニ そうだよなあ、たいへんだもん、
モーニングコールも。
ボーズ 僕らも、地方でホテルに泊まったりするときは、
モーニングコールを頼むんです。
僕とアニは起きるけど
もうひとりのメンバーのシンコだけは
「来ない」という状況がままあるから。
「チェックアウトの30分前に
 シンコにだけは絶対電話してね」
って、毎回、マネージャーには言ってます。
安斎 だいたいその「30分前」という設定が
間違ってるんじゃないかな?
30分っていうのは、たぶん、
きちんとした人の30分
なんだよ。

一同 失笑
安斎 逆に、俺らは「30分ある」って思うかも。
アニ 「15分寝れる」
片山 いや‥‥あの、
わかります(苦笑)。
安斎 意識がウッスラしているなかで
「よし、シャワー省略‥‥」とか
「現場行って、シャツだけ着替えよ‥‥」とか、
計算する。
アニ 最後には、5分で大丈夫になってるかなあ。
安斎 俺は5分はきびしいかもしれない。
でも、10分前くらいに
「もっと早く電話してくれよ!」
って、相手に言わせるくらいのほうがいいかも。
片山 いや、ほんま、そうですね。
そのほうが効き目がある。
ボーズ 安斎さんは、
ふだんのマネージメントはどうしてるんですか?
安斎 契約関係のマネージメントはしてもらってますが、
現場のマネージメントも、たまにあります。
すんごく心配して電話かけてくるよ。
「えーと、入りが12時ってことは、
 何時に出ますか?」
からはじまって、
「何時に起きますか?」
「ごはんはどこで食べますか?」
ボーズ それじゃ子どもじゃないですか。

安斎 生活指導ですよ(笑)。
たまにそういうことをやられると、
けっこうビビるよね。
逆に、遅れてやろうか! って
思っちゃうときもあってさ。
一同
片山 そう言えば、芸人も、
わざと遠回りしたりするときがあります。
「遅れたろか」と実際に本人が
言うてることもありました。
ボーズ うちも、シンコがそういうことをたまに言うよ。
衝撃だったのは、
「シンコ、早くしないと遅れるよ」
と声をかけたら
「スタジオとかは、
 ちょっと遅れていったほうがいいんだよ」
と言ったこと。
安斎 スタジオ代がいくらかかると思ってるんだ!
ボーズ そういうことも「込み」で、
わざわざ遅れていくんです。
その度胸を見せたいという気持ちも
あるんじゃないかな。
安斎 あの男はわりとそういうタイプだよ。
ボーズ それが、すげえなと思って。
アニ むかつくわー。

ボーズ 腹立つわー。

安斎 きっと、イニシアチブをそこで取るんだね。
ボーズ 俺なんか、逆に
遅れると立場が弱くなると思うから、
嫌なんだけどなあ。
アニ 最初に遅れていって
まず、誰がボスかを見せつける。
猿山的な発想かもしれないね。
(つづきます!)



2007-12-20-THU


(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN