仁淀川沿いの山で採れるいろいろな山野草。
その「おいしさ」をあつめて、
まるで山を散策しているような気持ちになれる
ブレンドティーをつくりたいと考えました。
ベースに上品なうまみがでる釜炒り茶をもちい、
アップルミントの甘み、よもぎの深み、
どくだみの奥行き、
青しそとレモングラスのさわやかなうまみで、
さまざまな野趣をひとつにつつんでいます。
山野草の特徴である「青っぽさと草っぽさ」を
ちゃんといかしながら、おいしいお茶に仕上げました。

釜炒り茶は香ばしく甘みがあり、
葉の青味もふわっと口に広がるお茶です。
切り立った山あいが、茶の生育に適した気候である仁淀で
古くから飲まれてきたものです。
摘んだ茶葉を薪の直火にかけた鉄の釜でじっくり炒り、
よく揉み、天日にあてて仕上げています。

アップルミントは標高750ｍの自社園などで
自然栽培したものをもちいています。
夜の間に香りをたくわえた葉を、朝いちばんで手摘み。
成長した茎や葉は、ちょっと触れるだけで
ふわっと甘い香りが漂うほどです。
陰干しの後に乾燥機で水分を抜き、ブレンドに使いました。

よもぎは「よもぎ餅」などのお菓子に使われる、
日本人にとてもなじみのふかい野草です。
環境によって香りが違いますが、
採取地の標高を低めにすることで、
味わいに深みが出て全体がまとまりました。
よもぎの野趣は、さわやかな素材によく合い、
全体に味の深みをあたえます。

どくだみは、敷地内に綺麗な滝が流れる
「えいこさん」のお宅の裏の畑で採りました。
花の咲く時期に摘み、陰干しでゆっくり乾燥させることで
まろやかな酸味を引き出しています。
摘むときには激しいにおいがするのですが、
こうして乾燥させてお茶にすると、
深い味わいと奥行きがうまれます。

青しそは、仁淀川河口付近の海辺の畑で収穫したもの。
代々種とりをしたものなので、
無肥料・無農薬ですくすくと力強く育ちます。
さわやかで野趣の強い香りをできるだけいかすべく、
夜のうちにたっぷり香りをたくわえた
朝いちばんの葉っぱを収穫しました。

レモングラスは自社園で採れたものと、
そして有機栽培農家さんから仕入れたものをブレンド。
仁淀川河口付近の、海に近い”南国”の畑で栽培しています。
仁淀は標高が高いため、冬は気温がグッと下がり
株の冬越しがむずかしいので、そんな環境で育てているのです。
収穫したレモングラスは、先端と根を切り離し、
低温で乾燥させます。そうすることで、
雑味のない爽やかな風味に仕上がります。
「so-so」のなかでは、野草のクセをやわらげ、
香りを高める役割をはたしています。
ただレモングラスは0.1グラムでもブレンドする量が変わると
途端に青くさくなるので、微妙な計量に気をつかっています。

そんなたくさんの山野草をブレンドした「so-so」から、
仁淀の自然の澄んだ空気感を
たのしんでいただけると嬉しいです。