植物の花や葉、茎、樹皮、実‥‥
そうしたものから作った染料をもちいるのが
「ボタニカル・ダイ」です。
この染料は、ひとつの色のなかに、
ひとの目でみえる幅をこえた、
200種もの色素をふくんでいます。
ひとの耳の可聴範囲を超えた音が、
音楽の深みや味わいとなって感じられるように、
ボタニカル・ダイのタオルから、ひとの目は、
色の深み、奥行きを感じることができるのです。
そしてこの染料は、
もともと「やさしい」タオルに、
さらに上質な「やさしさ」をもたらしました。
やわらかさが自慢の「やさしいタオル」が、
もっと肌触りよく、
上等なものになっているとご想像ください。
2012年夏の「やさしいタオル」から、
好評をいただいている「ボタニカル・ダイ」。
この冬は、ほぼ日でながく親しまれてきた
「スタンダード・チェック」でおとどけします。
不思議な深みのある色が、
2色づかいのチェックに織られることで、
やわらかな音色ハーモニーのように、
ここちよいタオルになりました。
「ブルーベリー&ブラックベリー」は、
落ち着いた青系のタオル。
ブルーベリーは実のかたちもかわいらしい、
人気の果実。
アントシアニンというポリフェノールが、
目を健康にするというのは有名です。
原産地の北アメリカでは、
昔、インディアンたちがこの実を食べて
体の邪気を追い出し、願い事をしたといいます。
ブラックベリーは酸味の強い実。
インディアンたちは、「冬をささえるベリー」といって、
寒い季節の保存食として大切にしました。
イギリスでは、ウールの黒を
このブラックベリーで染めました。
すべての光を吸収するこの黒は、
光、すなわち栄光を得る色とされました。
くすみのない青色と、深い黒のチェック。
しずかな長い夜に、お似合いです。
「カシス&ラズベリー」は、
あたたかみのある赤系のタオル。
カシスの薬効は、
古代ギリシャでもローマでもなく、
18世紀初頭のフランスで見出されました。
カシスのリキュールは「命の妙薬」といわれ、
白ワインとカシスでつくった食前酒「キール」が、
カシスの名を広めました。
ラズベリーは古代ローマ時代から知られ、
薬効と香り、そしてうつくしい色で愛されました。
かわいらしい赤い実は染料になり、
葉や根はのどを癒すハーブティーとして飲まれます。
ヨーロッパでは、その枝を魔女が杖にしたともいわれ、
実は神々の食べ物ともたとえられる果物です。
あかるい赤と、すこししずんだ赤のチェック。
暖炉や囲炉裏のほのおをながめているようです。