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LIFEのBOOK ほぼ日手帳 2017

LOFT手帳部門12年連続NO.1

ほぼ日手帳 2017

画家、junaidaさんの
持ち歩けるアート。ほぼ日手帳2017「LAPIS」、「ENDLESS」が登場。

水彩画のあたたかいタッチが魅力的な画家、
junaidaさんの絵がほぼ日手帳になりました。
手帳のデザインは、ふたつのシリーズからセレクト。
オリジナルには鉱石をモチーフにした
『LAPIS・MOTION IN THE SILENCE』、
weeksには布をモチーフにした最新作の
『ENDLESS』からひとつずつ選びました。
ほぼ日手帳になったご自身の絵について、
junaidaさんに、インタビューをしました。

プロフィール

junaida

junaida(ジュナイダ)さんは1978年生まれ。
画家。京都在住。
2007年から2011年まで芸能プロダクション
AMUSEにアーティストとして所属。
2014年より、京都精華大学客員教授に就任。
ボローニャ国際絵本原画展2015入選。
近年は、三越クリスマス催事への作品提供や、
西武グループによる
SEIBU PRINCE CLUBのポスターなどを担当。
近著に、鉱石の世界を描いた
『LAPIS・MOTION IN THE SILENCE』
北欧文学からインスパイアされた
『NORDIC TALES』
宮澤賢治の世界を描いた
『IHATOVO』シリーズなど。

時間をかけてたどり着いた
黒の「LAPIS」。

ーー
でき上がった手帳を見て、いかがですか。
junaida
わくわくしますねえ。
昨年、TOBICHI2で展覧会をやらせていただいて、
その時に、思っていた以上にご来場いただいて
すごく楽しんでもらえたのが嬉しかったんです。
僕も、TOBICHIのみなさんも、
こんなに人が来てくれると思っていなかったので。
ーー
その頃はまだ、TOBICHI2ができたばかりでしたし、
「ほぼ日」ではじめてイベントをする
junaidaさんということで、
どんなお客さんが来るのかなと楽しみでした。
今回、junaidaさんの描かれている絵を
「ほぼ日手帳」に使わせてくださいという
相談を受けた時は、どう感じましたか。
junaida
TOBICHI2でイベントをさせていただいた時にも、
すごくいいことがいっぱいあったんです。
その流れで「ほぼ日手帳」でも誘ってもらえたから、
ただただ嬉しかったです。
ーー
TOBICHI2で展示会をさせていただいた『LAPIS』が、
「ほぼ日手帳」オリジナル(文庫本サイズ)の
カバーになりましたね。
junaida
「LAPIS」は画集の表紙の絵でもあって、
「手帳に使うなら、これかな」という絵でした。
僕は、自分がふだん持ち歩くような物でも、
落ち着いたデザインの方が好きなんです。
この絵って、かわいらしさはあるんですけれど、
それだけじゃない、という印象もあります。
遠目には模様のように見えますけど、
よく見たら人が踊っていたりして。
ーー
「LAPIS」の手帳カバーは
junaidaさんが描く水彩画ならではの
にじみ加減も、きれいに再現されていますよね。
junaida
僕の絵には、淡い色域がすごく多いんです。
その色域を、いかにプリントで拾って
濃淡を表現できるかが肝でした。
『LAPIS』の画集でも「ほぼ日手帳」でも、
納得のいく色を表現するために
何度も色校正を出してもらいました。
かなり時間をかけてお付き合いいただいたおかげで、
すごくいい、深みのある黒が出せましたし、
鉱石の形も、細かいところまでよく出ていますよね。
ーー
ぜひ手にとって見ていただきたいですね。
ところで、シリーズ全体では
『LAPIS』という名前がついていますが、
それぞれの絵にタイトルはつけていませんよね。
junaida
僕はもともと、一枚ごとの絵には
タイトルをつけていませんでした。
絵を見ていろいろ想像をしてもらう中で、
タイトルがその想像を限定してしまうこともあるので。
ーー
意図があって、名付けていないんですね。
junaida
このドレスは柔らかいのか、硬いのか。
とどまっているのか、流動しているのか。
それはもう、見る人の受け取り方次第で
楽しんでもらえたらなって思います。
ーー
言葉がないからこその、楽しみですね。

変化する自由さを描いた
最新作「ENDLESS」。

ーー
そしていま、新しい連作として
取りかかっているのが『ENDLESS』。
junaida
『LAPIS』を経てからの『ENDLESS』ですね。
『LAPIS』では硬い石をモチーフにしていて、
鉱石が時には柔らかく見えたりするような
おもしろさを描いていたんです。
僕は『LAPIS』を描いていたころから、
布そのもの、たとえばドレスなどに
興味を持つようになりました。
形が定まっていないドレスなどの布が、
風になびいて変化する動き方は、
どこまでも自由だなって思えたんです。
終わりがない動きの変化を描くことで、
そこにある空気だったり、重力だったり、
そういうものを捕まえられるんじゃないかなって
ぼんやり考えながら、いま描いているのが
『ENDLESS』のシリーズです。
ーー
weeksの表紙では、
黒いドレスを着た女性が描かれていますが、
こんな人を描きたいなというモチーフがあって、
描きはじめるものなんでしょうか。
junaida
捉えどころのないものなので、
頭を真っ白にして描くことが多いです。
最初に大きな形のイメージがあって、
それを捉えることができたら、
あとは、描きながら何が出てくるかなって。
『ENDLESS』のシリーズの場合、
最初は布そのものであったり、
布が舞っているイメージがまずあります。
こんな布だったら、このあたりに人がいるかな、
人がこんな動きをするんだったら
こういう展開になったらきれいだな。
そんなことを考えながら描いています。
ーー
たとえば、描いている中で、
登場人物が変わったりすることも?
junaida
あっ、人は変わっていきますね。
男性を描いていたのが
最終的には女性になったり、
女性が男性になっていったりもします。
ーー
この絵の場合、どんなイメージから
描き進めていったんでしょうか。
junaida
言葉にすると難しいんですが、
最初に、くるっとターンする時の
黒ドレスの動きが頭に浮かんだんです。
描いている時には、海のクラゲみたいに、
ふわっと浮いているようなイメージがありました。
ーー
ああ、そういうイメージがあったんですね。
クリーミーな色合いの背景も
あたたかみがあっていいなと思いました。
junaida
このプリントも、かなり頑張ってもらいました。
オリジナルの「LAPIS」では黒い世界だったので、
weeksでは白っぽい感じで対比を出したかったんです。
淡い色を拾ってもらったので、感動しています。
持ち歩く物として品のあるものになるように
試行錯誤しながら、この色合いに行き着きました。
ーー
「ENDLESS」は、シリーズの完成発表に先がけて
手帳として発売になりますね。
junaida
この絵を選んでいただいた時点では、
まだ7枚ぐらいしか描けていなくて、
その中から選んでいただいたんです。
ーー
全体で何枚くらい描くなかでの
7枚だったんでしょうか。
junaida
それは、まだわからないんです。
現時点(取材した7月時点)で
20枚ぐらい描いたものがありますが、
「描ききったな」と思える瞬間が
もうすぐやってきそうな気はしているんです。
この『ENDLESS』のシリーズが
どういう着地をするかは、まだわかりません。
ーー
『ENDLESS』シリーズの発表が楽しみです。
junaidaさん、どうもありがとうございました。
撮影:内山尚志
協力:Hedgehog Books and Gallery