結果的に、辿りついたのはとてもシンプルなことでした。
ポケットの位置を少し寄せただけ。
でも、そうすることで、いくつかの収穫があったんです。
まず、これはもともとの目的でもありますが、
ポケットにものを入れたときに、
手帳のはじめのページがこれまでよりもフラットになったこと。
ポケットに同じ分量のものをいれてみても、
凹みの分量は、次のように変わっています。
2010年版 ポケットにものを入れた場合
2011年版 ポケットにものを入れた場合
写真のそれぞれ、ピンクに色づけした部分に注目を。
ポケットの位置を少し移動したことで、隙間の分量が少なくなったのがわかる。
また、ポケットを内側に移動したことに付随して、
バタフライストッパーの取りつけ位置も
少し内側に移動するという微調整をしました。
それによって、バタフライストッパーの太さを、
これまでよりもいくぶん広げることができたんです。
もうひとつ、これは副産物的なことですが、
現行モデルのカバーでは、カバー・オン・カバーをかけたときに、
ポケットに入れたものの端が、
カバー・オン・カバーのへりに若干かかるという状態でした。
これも、ポケットの位置を内側に移動したことによって、
改善されました。
2010年版のオリジナル。カバー・オン・カバーをかけると、
幅広のものは、カバー・オン・カバーのへりにかかってしまっていた。
2011年版オリジナル。ポケットを右側に移動したことで、
カバー・オン・カバーをかけていても、ポケットにおさめたものが
カバー・オン・カバーのへりにかかることはない。
カズンの場合も同じ考え方です。
もともとカズンのほうは、ポケットにものを入れても
横幅があるために、吸収するストロークが長くて、
オリジナルよりもポケットの膨らみの影響は少なかったんです。
でも同じ理屈でポケットをセンターにもってきて、
かつ、オリジナルでは実現できなかった、
ポケットを横位置にするという案が採用できました。
横位置にしたことで、ポケットの数は現行モデルよりも
ひとつ増やしています。
2010年版のカズン。ポケットの形状は、
カードを縦向きに入れるようになっていた。
カズンのポケットの検証のために森蔭さんがつくった手製のサンプル。
2011年版のカズン。ポケットを横位置にすることで、
ものをはさんだときの盛り上がりがゆるやかに。
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