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ほぼ日

シュタイフってどんなところ? 03

シュタイフ本社に潜入!

テディベアはここでデザインされる

せっかくドイツまで来たんだから、
シュタイフ本社のオフィスも見てみたい!
ということで、特別に入らせていただきました。
案内していただいたのは、開発部門のフロア。
こちらは部長のラルフさんです。
うしろに何か資料みたいなものがたくさん並んでいますね。

これはシュタイフのぬいぐるみに使う、
ファブリックのライブラリーなんですって。
ラルフさんが手にとってくださったのは、
ゴッホの絵みたいに、毛がぐるぐるうずを巻いているもの。
こんな毛並みのテディベアもいるんですねー。

別のコーナーには、たくさんの切り絵みたいなものが。
これもまた何かのライブラリーかな?

実は、ぬいぐるみの型紙なんだそうです。

ぬいぐるみの種類や、使うファブリックなど、
必要な事項が記載されて管理されています。

こちらはデザイナーのカトリンさん。
手がけているぬいぐるみに囲まれながら、
お仕事をされています。
ちなみに、ほかのかたのデスクも、
だいたいこんな感じでした。

サンプルの段階では、こんなふうにハサミで切って
型紙をつくるんだそうです。
(生産されるときは精度や再現性のために機械を使います)
この段階から「手づくり」なんですね。

シュタイフ製品のトレードマーク、
「ボタン・イン・イヤー」のタグを、
ぬいぐるみの左耳にボタン留めするためのマシンです。
すべてこのシュタイフ本社で取りつけるのだそうで、
わたしたちがコラボレーションさせていただいた製品の
「ボタン・イン・イヤー」も、ここでつけられています。

タグにはいくつかの種類があるため、
仕分けされてストックされています。

あ。オリジナルの「誤解されやすいくま」がいますよ。
その左には、クラシックタイプのシュタイフ製テディベア。

実は、わたしたちがドイツまで来た目的の1つは、
「誤解されやすいテディベア」について、
ラルフさんたちとミーティングをすることだったのです。
カトリンさんが手にしているのは最初のプロトタイプで、
完成品とはだいぶちがいます。
これを拝見しながら、デザインの方向性を語り合いました。
あれから、まる2年経つのかー。

ミーティングをおえたあと、
わたしたちはシュタイフ社の社長(CEO)に
会わせていただけることになりました。
こちらのダニエル・バートさんです。

せっかくなので、シュタイフについて訊いてみましょう。
シュタイフは歴史ある会社ですが、
ずっと変わらないことって、何かありますか?
「高い品質の素材を使うことと、つくりがいいこと、
こどもにとっていちばん安全なものを提供することは、
創業以来変わってないと思います。
またそれは今後も守っていくものだと思います」

いっぽう、このお部屋にもある
カール・ラガーフェルドさん(ファッションデザイナー)の
テディベアのように、ポップなこともされますよね?
「ベースさえしっかり守っていれば、
あとはゴジラでもくまモンでも、
いろいろやってもだいじょうぶだと思っています。
時代に合わせたテイストやデザインの製品を
つくっていく必要はありますし、
ちがう世界にブランドが広がることも大事だと思います」

テディベアがここまで愛される理由って、なんでしょう?
「テディベアって、ハッピーな顔をしていると思います。
見ていると、こっちもハッピーになる。
だからみんな惹きつけられるんじゃないでしょうか。
シュタイフではテディベアをはじめとするぬいぐるみを、
赤ちゃんのときから大人になるまで、
ずっと愛着をもってつき合っていく
『パートナー』だと考えています」

シュタイフ社は、ひとことでいうと、
何を提供しているんでしょう?
「エモーショナルな製品をつくりたいんですよ。
わたしたちの目標は、
ぬいぐるみのプレミアムブランドになることですが、
けっして上から目線ではなく、
『よろこんでいただけること』が重要だと考えています」

「エモーショナルな製品」って、なんだかいいなあ。
バートさん、ありがとうございました!
このあと、ギンゲン探訪のさいごは、
シュタイフの創業者、マルガレーテ・シュタイフさんの
生家へうかがいます。

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