とれたての旬のいちごを使い、糸井重里のレシピをもとに、
時間と手間をかけてつくっている
本気めんどくさ仕込みの「おらがジャム・いちご」。
製造してくれているサンクゼールのみなさんから
「そろそろことしも作りますよ!」
と教えていただいたので、チームのみんなで
長野にある工場にお邪魔してきました。
そしたらやっぱり手間のかかりかたがすごかった。
そしてことしのジャムも、じまんのできばえ。
レポート形式でご紹介しますね。

こんにちは、ジャムチームのシブヤです。
食べるのが大好きな才能を買われて(?)、
ことしからチームに入ることになりました。
ジャムもパンも大好きなので、とても嬉しいです。
どうぞ、よろしくおねがいします!

さて、ジャムチームでこの時期と言えば、
「おらがジャム・いちご」の販売が、はじまる季節。

じゃ~ん。こちらです! おいしいですよー。

「おらがジャム・いちご」は
長野産の旬のいちごでつくる、
1年に1度しか作れないジャムです。
粒がしっかり残った、満足感たっぷりのジャムで、
いちご、レモン果汁、グラニュー糖だけで作っているので
くだもの本来の味わいをたのしめるところも特徴です。

ジャム作りが大好きな糸井重里が
試行錯誤の結果たどり着いたレシピ
「本気めんどくさ仕込み」で作っているもので、
旬のおいしさがギュッと凝縮しています。
ジャムをはじめ、パスタソースやドレッシングなど
さまざまなおいしい食べものを作って販売している
長野の会社、サンクゼールさんとほぼ日が
いっしょに開発・製造しているものです。

さて、4月の終わり、サンクゼールの中村さんより
「ことしもそろそろ製造しますよ!」と教えていただいたので、
打ち合わせもかねて、チームで工場に行ってきました。
レポート形式でご紹介しますね。

訪れたのは4月下旬。長野は寒いかな、と思っていたけど、
そんなに寒くなかったです。
長野の丘の上にある、すてきなサンクゼールさんの建物。
もう少し経つと緑でいっぱいになるそうです。

工場からは、パスタソースのいい香り。
サンクゼールさんはジャム以外にも、
パスタソースやドレッシングなどもおいしいのです。

こちらが担当の中村さん。
長野出身の、すばらしく頼りになるお兄さんです。
わたしたちのちょっとした疑問にも、
とても丁寧に答えてくださいます。勉強になります!

この日はわたしのほかに、ジャムチームの
オカムラと田中がいっしょにやってきました。
食品工場見学なので、みんなで白衣に着替えます。
なんだかふたり、ハカセみたいな見た目。

さて、それでは工場の中へ。
サンクゼールさんの工場自体の設備も進化しているそうで、
今回、ジャムを煮るための釜を変更されたそうです。
「釜が大きくなったことで、くだものへのダメージが
すこし減っています」と中村さん。

そういう小さなグレードアップ、うれしいです。

おらがジャムを煮てくださるのは、
ジャム製造ラインのリーダー、ベテランの嶋田さん。
初年度から「おらがジャム」に携わってくださっていて、
手つきに非常に安定感があります。
嶋田さん、毎年ほんとうにありがとうございます!

こちらが本日煮るいちごです。きれいな色!
とはいえ、すでに前日にサンクゼールさんのほうで
さまざまな「本気めんどくさ仕込み」がなされています。
(1)前日の朝に採れたものを、できるだけ時間をおかず
いそいで下処理。
(2)少量ずつ、オーブンでセミドライ
(ジャム作りではとてもめずらしい工程)。
(3)グラニュー糖とあわせて一晩置いて水を出す。
すべて「手間がかかるけど、このほうがおいしくなるから」と
糸井がたどりついた方法です。

さて、そんないちごをどっさり投入し、
新しい釜でぐつぐつ煮ます。
工場全体に、ふわーっといちごのいい香り!
よしよし、みんな、おいしくなるんだぞー。

煮ている間に、中村さんがラインの説明をしてくださいます。
こちらはジャムを運ぶときに使う道具。
「ただ、『おらがジャム』には使わないですけどね(笑)。
少しでもいちごの粒を潰したくないので」

へーー! こんなところにも、ちいさな工夫が。

毎年作っている嶋田さん、いかがですか?
「たぶん、うちで作っているもののなかでも
いちばんくらいに手間がかかるジャムですね(笑)、
でも、毎年やらせてもらっていることで、
ぼくらもずいぶん手際よく作れるようになってきました」

新しい釜になったことで、熱を入れる時間も
短縮できたそうで、
「そういう面でも、いちごへのダメージが
減っていると思います」とのこと。なるほど。

煮上がりのタイミングって、どう決めているんですか?
「それも『おらがジャム』は独特で(笑)、
ふつうのジャムは、糖度や酸度の具合から味を決めるんです。
でも『おらがジャム』は水分量で完成を決める。
どれだけ水が減ったか、ということですね。
これも糸井さんの意図で『糖度を均一にするんじゃなく、
ことしのいちごらしい甘さをたのしんでほしい』
という発想なんです。おもしろいですよね。
そんなジャム、ほかにないです」

さて、煮る工程は終わりましたが、完成はまだまだ。
熱々のジャムを、実がくずれないようにそーーっと、
少量ずつすくって移します。これもたいへんな作業。

「釜ごとザーッと移してしまうと、粒がくずれちゃうので」
と嶋田さん。ほんとに手作りのようなジャム。

さて、めんどくさ仕込みは続きます。
瓶をずらりと並べ‥‥。

煮上がったいちごジャムを、
ひとつずつ瓶に手で入れていきます。
‥‥手で!
「ふつうはラインを通して機械で入れますけど、
このジャムは実がつぶれてはいけないですからね」

と、こちらも毎年関わってくださっている渡辺さん。
いつもお世話になっています!

こちらのジャムの充填作業には、サンクゼールの
新入社員の井上さん、池田さん、市村くんも
手伝ってくださいました。みんな、いい笑顔!

ただ、ジャムって液体だから、けっこう重いんです。
ずーっとやっていたら手がつりそう。
みなさん、気をつけてー!

量が合わないものは、やりなおし。
なんだか延々終わらなそうな作業です。
本当に手間がかかってる。
おそるべし「本気めんどくさ仕込み」‥‥。 

まだまだかなり時間がかかるということで、
感謝の気持ちを心に、次の場所へ。
ああ、みなさんありがとうございます‥‥!

工場の外に出て、できたジャムを
ちょっとだけ味見させてもらいました。いちご、大粒!  

できたばかりのジャムは、ぽかぽか。おいしくて甘酸っぱい!
ただ、まだちょっと生のいちごに近い感じ。
「もう少し経つと味わいが落ち着いて、
よりジャムらしいおいしさになりますよ」と中村さん。

そうなのかー。これは後で完成品を食べてみたい!

つづいて、サンクゼールのカフェへ移動して、
関わってくださっているみなさんに
お話を聞かせてもらうことにしました。
(また、すてきなカフェがあるのです!)

こちらが頼もしい、サンクゼールチーム。
右のおふたりが開発チームのみなさんで、
「ジャム王子」こと野崎さんと、
「おらがジャム」をずっと担当してくれている宮澤さん。
よく思いますが、サンクゼールのかたは
いつもとても楽しそうに働かれています。

さて、パンも焼き上がりましたので‥‥。

まずは食べてみることに。
(このときは、別の日に製造した完成品のジャムを
みんなでいただきました)

「おいしい!」「うん、おいしいですねー」
「ばっちりだと思います」ああよかった。
私も食べさせてもらおう‥‥おおお、おいしい。
粒の実のこりもしっかりしていて、
ザ・いちご、という感じの王道の味わい、
これぞ「おらがジャム!」という感じです。

工場の嶋田さんも、顔を出してくださいました。
いかがですか?
「どうかな‥‥あ、よしよし。おいしいです」
よかった!

嶋田さんが、ジャムに使っているいちごを
すこし持ってきてくださいました。きれいな赤色。
野崎さんが品種について教えてくださいます。
「これは、紅ほっぺという種類ですね。
中まで甘くて、甘みと酸味のバランスがいい品種。
ジャムによく向いています」

ことしのいちごの特徴ってなにかありますか?
「ことしのものはとても質がいいですね。
香り高くて、なかまでしっかり甘い。そして大粒。
だから、いい実のこりですよね」と宮澤さん。

たしかに例年より大きな粒が多い気がします。うれしい!

「おらがジャムで使っている農家さんのいちごは
東京のお菓子屋さんなどにも出荷されているんですよ。
あと、味がいいから、うちのレストランでも
使わせてもらっています」

人気のいちごなんですね。「そうなんです!」

「ほぼ日さんのジャム、おいしいですよね。
今回のいちごもすごくいいですし、
ぼくはママレードもかなり好きです(笑)」

と野崎さん。わぁ、ありがたい。

「やっぱりこのジャムは、名前どおり
『本気めんどくさ仕込み』なので手間はかかってます。
けど、うちはこういった手のかかるものを
しっかり作れる工場でありたいんですね」

と嶋田さん。頼もしい。そして、かっこいい。

そのほか、サンクゼールのカフェの
おいしいメニューをいろいろといただきながら、
すてきな時間を過ごさせていただきました。
いやはや、たのしかった‥‥。
サンクゼールのみなさん、ありがとうございました!

せっかくなので、完成品のおらがジャムを
いろいろなパンにのせて食べてみたり‥‥。

サンクゼールじまんのジェラートにのせて
食べさせてもらったりしました。
ふふふふふ、ぜいたく盛り!

わかっていたことだけど、おいしかったです。
ああ、スプーンがとまらない‥‥。

さいごに、工場と同じ敷地内にある
サンクゼールさんのショップにも寄って、
パスタソースやワインなど、
いろいろおみやげを買って帰りました。
ジャム以外にも、サンクゼールさんは
おいしいものをたくさん作られているんですよー。

と、いうわけで、こちらが、今回できあがった
2017年の「おらがジャム・いちご」です。

あらためて特徴をおさらいさせていただくと、
おらがジャム・いちごは、年に1度しか作らない、
旬のいちごとレモン汁、グラニュー糖だけで作った、
くだもののおいしさが凝縮したジャムです。
(ペクチンなどを添加していないので、
自然なおいしさを味わっていただけます)

使っているいちごは長野の「紅ほっぺ」。
人気の農家さんのものを使用しています。
ことしのいちごは大粒なのが特徴です。

糸井のレシピの「本気めんどくさ仕込み」をもとに、
いちごにダメージを与えないようにする
サンクゼールのみなさんのたくさんの工夫のおかげで、
実のこりとトロトロ感のバランスが見事な、
おいしいジャムができあがりました。

トーストにのせたときに
ぜいたく感をたっぷり感じられるのもいいところ!
写真:増田智泰

プレゼントなどにさしあげても、よろこばれますよー。

と、いうわけで、おらがジャムの作り方のすごさを
あらためて感じた長野・ジャム工場出張でした。
サンクゼールのみなさん、本当にありがとうございました!

そして、2017年の「おらがジャム・いちご」は
5月24日(水)より、
ほぼ日ストアとTOBICHIで販売を開始します。
みなさま、ぜひぜひチェックしてくださいね~。

おらがジャム・いちご(2017)

190g入り

(税込・配送手数料別)

※賞味期限が2018年4月以降のものを
お届けします。