実のこり、ごろごろ。

糸井のいちごジャムの特徴のひとつが「実のこり」。
「おらがジャム・いちご」は
その「実のこり」を可能な限り再現するため、
ジャムを煮るときの温度と時間、
そしてジャム自体の「扱い方」に工夫をしています。

たとえば、釜から出すときは、
先に果実だけをアミですくって移しています。
また、煮るときに羽根で混ぜるスピードは
かなりゆっくりに調節しています。
どちらも手間はかかりますが、
「実のこり」のためには大切なポイント。

たっぷりの「実のこり」を活かすため、
ジャムの瓶詰め方法にも工夫をしています。
瓶詰めは一本ずつ、工場のかたの手作業。
果肉と液の割合を一定に保つため、
「果肉をすくう」と「ジャム液をそそぐ」の
2手に分かれた職人さんが、
ちょうどいいバランスのジャムにしあがるように
ジャムを詰めてくださっています。
(工場での作業とは思えないほど、手のこんだ工程です)

スタンダードないちごジャムと、スパイス入り(カルダモン入り)の2種類です。

2014年の「おらがジャム・いちご」は、
スタンダードないちごジャムと、
昨年2013年に好評だった
スパイス入りのジャムの2種類です。
糸井はこれまでのジャム作りで
さまざまなスパイスを試してきましたが、
いちごジャムはカルダモンがいちばんあうことがわかり、
製品化しました。
ほのかなカルダモンの香りのジャムです。

こちらは、カルダモンをミキサーに加えているところ。
(粉が残らないよう、一度水に溶いてからジャムの釜に加えています)
とくに多い量でもないのに、
スパイスを入れると、ぐっと風味が変わるんです。
(カルダモンの分量は、
 バランスのいいジャムにしあがるように
 糸井が何度も試作しました)

スタンダードなジャムと、スパイス入りのジャム。
どちらもとてもおいしいのですが、迷われたときは
「これぞ、いちごジャム!」という
濃厚な味わいをたのしみたいなら、スタンダードなものを。
少し大人っぽい味わいをたのしみたいなら、
スパイス入りのものを、それぞれおすすめします。

スパイス入りのジャムは、紅茶に入れてもおいしいです。

いちごは長野産。近所で採れたもの。

原料となるいちごは2012年、2013年と同じ、
長野県小布施町のいちご農家さんにお願いしました。
通販でも直販でもすぐになくなってしまう
人気のいちごを使用した、ぜいたくなジャムです。

品種は、あまみと酸味のバランスがよく、
果肉がヘタのきわまで赤い「紅ほっぺ」です。
香りがよく、ジャムにとても向いている品種です。

果実がたっぷり。

「おらがジャム いちご」には1びんにつき、
いちご約260gを使っています。
くだものの含有量が、ふつうのジャムより多めです。

ていねいな下ごしらえ。

生のいちごから作るジャムなので、
衛生面にもじゅうぶんな注意を払いながら、
何人もの職人さんたちが数時間をかけて
ていねいな下ごしらえをしています。

めったにやらないオーブンドライ。

糸井のレシピでは、うまみ、あまみを凝縮させるため、
煮る前に果実を乾燥させています。
時間もかかりますし、工場で作るジャムとしては
非常にめずらしい工程ですが、
この作業が「おらがジャム」にとくべつなおいしさを与えています。
いちごが「焼きすぎ」にならないよう注意しながら、
低めの温度のオーブンで、じっくりドライしています。

果汁ごと、状態を見ながら釜で煮る。

オーブンドライをした後のいちごは、
砂糖といっしょに一晩寝かせて水分を出し、
その果汁ごと、大きな釜に入れて煮込みます。
いちごのサイズや固さには細かな違いがあるので、
中の状態を注意深く観察しながら
最適なポイントで火を止めることで、
「実のこり」ある、濃厚なジャムに仕上げています。

びんごとジャムを殺菌、味を落ち着かせて完成です。