いしはら・としひさ

1973年生まれ
1996年 武蔵野美術大学彫刻科卒
1998年 茨城県笠間窯業指導所終了
2000年 福岡県宮若市にて薪窯築窯
2010年 「ほぼ日」の「Love+LOVET」で
「石原稔久さんのやきもの人形」販売


2013年のインタビュー(その1)手びねりとろくろ。


今回は、ろくろのうつわもつくりましたが、
手びねりのうつわを、すごく増やしました。
手びねりが持ってる、ぼくらしさというか、
そういうものをまたやってみたくなりました。



去年は、手びねりにこだわらず、
ろくろのうつわもたくさんつくりました。
手びねりでなくても、
自分の持ち味っていうのは、
自ずと出てくるから、と考えていました。



今年は手びねりだからこその、
かたちの幅というか、そういうところに、
ふたたび惹かれたかもしれません。
もちろん、ろくろでつくったものもあります。
自分のなかで、ろくろと手びねりの
区別がなくなってきて、
ろくろでも手びねりでも、
どちらも楽しめるようになってきました。



でもそのうち、ろくろが持ってる
スカッとした爽快感のようなものが
気持ちよくなってきて、
いろいろこだわらなくてもいいなあ
と思いはじめました。
いまは、ろくろをひいていると、
手びねりをワーッ! とやりたくなってきたり、
手びねりをやっていると、ろくろがやりたくなる、
その繰り返しです。





手びねりでうつわをつくるときは、
ろくろのような速度はなくて、
鉋(かんな)で削って仕上げていきます。
ですから、ろくろのようにシュッシュッと
かたちが決まらずに、
「ここをもう1回、削っていいのかな?」と、
一瞬、逡巡してるようなところがあります。



手びねりのうつわを作っているときは、
彫刻のような感じで作っているかもしれません。



人形をつくっているときと
ほとんど変わらないでしょうね。
よく、「うつわが人っぽい」と言われたりしますし。
うつわ自身のキャラクターがあるよね、って。
ぼくの仕事は、ひとつひとつが作品、
というところがあると思います。
最近は人形をつくることも多くなりましたが、
人形でもうつわでも垣根はありません。







次回につづきます。
2013-05-13-MON


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HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN