デザイン素材サイズよくあるご質問と答え知っておいてほしいこと


ハラマキというもの自体が、
一般的に決して数多く流通している商品ではないため、
「ハラマキ専用の糸」というものはないんです。
そこで、ほぼ日ハラマキでは、

・しめつけ感が強くなく、
 なおかつ伸び縮みしやすい。
・吸汗性、通気性が高く、蒸れにくい。
・アレルゲンの心配が少なく、直接素肌に巻ける。


といった、ハラマキにとって
大切なポイントを兼ね備えた糸を、
独自に開発・改良をしています。

こうしたほぼ日ハラマキの糸の開発から
ハラマキの製品の完成までを一手に担っているのは、
新潟県栃尾市にあるニット工場の
ハシレトノサマくんこと白倉重樹さんをはじめ、
糸屋さん、染め屋さん、洗い屋さん、縫製屋さんといった
製作チームのみなさまです。
2001年のほぼ日ハラマキ誕生以来、
これまでの、全7シリーズすべてのハラマキの製作は、
このトノサマくんチームのみなさまなんですよ!

「ハラマキ・ザ・ワールド」でも、
トノサマくんチームならではの、
キメ細やかな技や工夫が施されています。
技術的なことは、製作者ご本人に語っていただくのが一番。
というわけで、トノサマくんこと、
ニット工場の白倉重樹さんにお話いただきます!




ほぼ日ハラマキ製作者代表・
白倉重樹さん(通称ハシレトノサマくん)

こんにちは、ハシレトノサマこと白倉重樹です。

毎回、新作のハラマキの製作をするたびに、
僕ら製作チームでは、
前のシリーズよりも、
もっと巻き心地のよいハラマキをお届けできるよう、
「もっとやわらかくなるには、どうすればいいだろう」
「もっと伸縮性があげるために、
 なにか工夫はできないか」
「もっと長持ちできるようにならないだろうか」
と話しあって、研究、改良を重ねています。

今回お届けする「ハラマキ・ザ・ワールド」でも、
いくつかの改良をしているのですが、
それらの工夫をすべてお伝えしますと、
少し専門的すぎるお話になってしまいますので、
今回は代表的な工夫のポイントを
3つほど、お伝えします!

1.生地加工で柔軟剤をできるだけ控えめに。

通常の衣料品では、
「店頭に並べられた瞬間が最高品質」を目指しています。
この基準は、
「使い続けていくうちにドンドン品質が下がっていく」
ということを前提としています。
“のびのびタオリン”の開発者であり、
繊維業界では“糸の神様”という異名を持つ金子さんは、
「カシミアなどの高級素材は特にそうだけど、
 天然素材は使っていただくうちに体に馴染んでいくので、
 加工で無理に柔らかさを出すと
 製品寿命が短くなってしまいます。
 素材本来の柔らかさは
 使う人がそれぞれの生活の中で作るもの
で、
 我々がそれをやってしまうのはどうかなと思う。
 使っていくうちに
 もっと柔らかくなるのにもったいない。」
とおっしゃっていました。
今回の素材“のびのびタオリン”と“うすいタオリン”は
2つとも強制的に柔らかさを出すための
柔軟剤の使用をできるだけ、控えめにしています。
それは、綿そのものの柔らかさを、
実際に巻いていただくお客さまそれぞれの
使用頻度に合わせて作っていってもらうためです。
だから、どんどん使ってください。
どんどん柔らかくなります。
「できるだけ長く最高品質でお使いいただけるように」
との僕たちのささやかな工夫です。
ただし、家庭でお洗濯されるときにも、
あまり柔軟剤は、使わないでくださいね。
お客さまそれぞれの柔らかさが出てきにくくなりますので。

2.“うすいタオリン”に「形態安定」を。

締めつけ感があまり強くなく、
しかも伸びきりにくく、そして柔らかい。
これらの条件は、
どちらか一方を立てれば、どちらか一方が立たず・・・・
といった具合で、相反しているんです。
でも、どれも、ハラマキにとっては、
大切なポイントです。
できるかぎり、実現させたい。
その結果、生まれた今回の“うすいタオリン”の特長は、
ずばり、「形態安定」です。
よくワイシャツなどの機能として広まっている
形態安定(形状記憶)という言葉とは
ちょっと意味が違います。
「熱で固めて型崩れしないようにする」
ということがワイシャツにおける
形態安定の特長だとすると、
「伸びるだけ伸びても元のサイズに戻る」
というのが、
今回の“うすいタオリン”の形態記憶の特長です。
普通、ゴムなどのストレッチ素材は、
伸びた状態で、長時間置いたり、熱をかけたりすると、
伸びきってしまいます。
これを防ぐには、「伸ばさない」ことが一番なのですが、
それはハラマキではなく、ワイシャツの考え方です。
今回の素材は、あくまでも、
「伸びても元に戻る」ことが特長です。
そのために、たとえば、混紡率を変更して、
糸の芯のゴムの部分(ポリウレタン)の混紡率を
前回よりもアップしたりといった、
見た目にはわかりづらいたくさんの技術を施しました。
去年の“うすいタオリン”をお持ちの方は
是非比べてみてください。
横へ引っ張ってみてください。
確かな違いを感じていただけると思います。

3.特殊ストレッチ染色法「ロケットマフ」

“のびのびタオリン”は、
世界で新潟県栃尾市でしかできない染色法
「ロケットマフ」を採用しています。
これは簡単に言いますと
「糸をできるかぎり、フリーな状態にして染める」
という方法です。
一般的に、糸の芯のゴムの部分(ポリウレタン)などの
ストレッチ素材は、熱に弱い性質があります。
これを引っ張った状態で染める通常の方法では、
ポリウレタンにダメージが残ります。
これを最小限に抑える方法が「ロケットマフ」です。
この特殊染色法は、
できるだけ長く着用し続けられる「ハラマキ」には
最も良い方法だと思っています。


技術的な部分の話はまだまだたくさんありますが、
それらのすべては長くお使いいただけるための
小さな工夫の積み重ねです。
僕らの周りではよく
「技術の基本はまず見ること。きちんと見ること。」
だと言われます。
僕自身はこのことを
「先入観で物を見ず、自分なりにでもきちんと感じること」
だと思っています。
実際には、まだまだ改良の余地はあるかもしれませんが、
しかし、毎回お手元に届くハラマキは
すべて、「その時点で最高だと思われること」は
すべてやっております。


できるだけハードに使ってください。
そして、もしよろしかったら感想をお聞かせてください。
みなさまからいただくメールを読むときが
一番、厳しく、うれしい瞬間です。

白倉ニット ハシレトノサマこと白倉重樹




ほぼ日ハラマキをご購入いただいた方から、よく、
「いままで市販のハラマキを使っていましたが、
 ほぼ日のハラマキの巻き心地のよさには驚きました!
といったメールをいただきます。
ほぼ日ハラマキが、
たくさんの方々に愛用されつづける理由は、
実際に、巻いていただいたときに、
より気持ち良く快適に巻いていただけるようにという、
こうした製作者のトノサマくんチームのみなさまによる、
独自の技や工夫にもあるんですよね。
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