ほぼ日ハラマキのデザインを、
何度も手がけてくださっている大橋歩さん。
今回も大橋さんならではのシンプルで愛らしい、
りんごの図案を2種類仕上げてくださいました。
じつは今回のデザインは、
糸井重里から大橋さんに「ぜひ、りんごの柄を!」
というリクエストがあって描かれたものなのです。
そういう経緯でデザインされてのご感想や、
「りんご」そのものについてのたのしいお話を、
大橋さんのギャラリー「イオ グラフィック」
にお邪魔して、うかがってきました。

大橋歩さんの
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いただいたイメージを描くのは、 とてもたのしかったです。
ほぼ日 今回のハラマキのテーマが
「森」と決まったとき、
まず最初に糸井が言ったんです。
「大橋さんの、りんごがさ、
 ハラマキになってたらかわいいじゃん!」
大橋 そうだったんですね(笑)。
 
ほぼ日 はい。
糸井にそう言われて、
わたしたちもイメージしてみたんですが、
「どう考えても、それはほしい!」と(笑)。
これはもうお願いするしかない
ということになりまして、
大橋さんには快く引き受けていただいて、
そして‥‥
こんなにかわいいハラマキになりました。
 
大橋 いい具合の色になって、
さわやかで。
ありがとうございました。
ほぼ日 お礼を言うのはこちらのほうですよ!
読者のみなさんにも、
よろこんでいただけましたし。

ふたつとも、デザインのラフの段階では
色を決めないで
白黒で描いていただきましたよね。
大橋 はい。それで、どちらがいいか、
ひとつを選んでいただこうと思ったんです。
そしたら‥‥。
ほぼ日 けっきょく、両方お願いしました。
大橋 ねえ(笑)。
両方になるとは思ってなかったから、
ええ? いいのかな?って(笑)。
なんだか申し訳なくて。
ほぼ日 もう、選べなかったんです。
どちらもかわいくて(笑)。
大橋 ありがとうございます。
色も、いろいろと試していただいて。
黄色とかも試してみて、
それはそれでかわいかったけど、
やっぱりこの2色にしてよかったですね。
ほぼ日 はい、赤いりんごと、青りんご。
裏側もかわいくて‥‥。
 
大橋 私が描いたラフよりも、
実際にこうやってハラマキになったほうが、
かわいくなりましたね。
ほぼ日 あ、そうですか。
大橋 そう、糸で表現したほうがかわいいです。
ほぼ日 りんごのデザインと、糸で編むという手法の、
相性がよかったということでしょうか。
大橋 そうだったんでしょうね、きっと。
 
ほぼ日 今回、「ほぼ日」としては、
ほんとにたのしい進行だったのですが、
大橋さんはいかがでしたでしょう?
最初に具体的なテーマを決められるのは、
やりにくくなかったでしょうか?
大橋 「りんご」という範囲の中で考えて、
うまくいけばいいですけど、
もしうまくいかなかったらどうしよう、
という心配は、なくはなかったですよ?
ほぼ日 あ、そうでしたか。
大橋 でも、とりあえず、
「りんごでやってみよう」って、
思えましたから。
だからぜんぜん、
やりにくいということはなかったです。
あまりにも難しいリクエストだったら
「難しいです」って言えるんですけど、
やってみようと思えましたから。
ほぼ日 そうですか、
そこは私たちにはわからなかったので、
そう言ってくださるとうれしいです。
安心しました(笑)。
大橋 むかしは一時期、
誰かが描いたラフを見ながら
それを私の絵に描き換える
という仕事も多かったんです。
そういうのは、苦痛で苦痛で。
「わたしは線をなぞるだけかー」って(笑)。
ほぼ日 ああ‥‥。
大橋 でも今回は、「りんご」って、
投げてくださったじゃないですか。
ビジュアルじゃなくて、
イメージを届けてくださったでしょ?
そうすると、
じゃあ私はどうやって描くかな?
というたのしみが出てくるんです。
「これかもしれない、こうかもしれない」って。
ですから、すごくたのしかったです。
 
りんごは、 身近で日常のもの。
ほぼ日 以前、ジャムおじさんこと糸井重里に、
ジャムについてのインタビューを
していただいたことがありましたよね。
大橋 ええ、糸井さんはジャムを、
とてもていねいに作られていて。
ほぼ日 大橋さんもジャムを作られるそうですが、
りんごジャムも、お作りになりますか?
大橋 作りますよ、
毎年、りんごをたくさんいただくので。
1年分のジャムを作るんです。
 
ほぼ日 1年分?!
そんなにりんごが届くんですか。
大橋 「アルネ」で岩手のりんご園を
紹介させていただいて、
そのご縁で、毎年送ってくださるんです。
「さんさ」とか「サンつがる」という
すごい赤くてかわいいのが
9月の頭くらいに届いて、
それがその年の初物ですね、いつも。
ほぼ日 そのりんご、
大橋さんのサイトで見たことあります!
大橋 毎年すごくたのしみなんです。
でも、みんなにわけたら
自分の分がなくなっちゃったりして(笑)。
ほぼ日 それもサイトで読んだことがあります(笑)。
「スタッフみんなにわけたら
 自分の分がなくなっちゃった」
ていうのを、よく読みます(笑)。
‥‥じゃあ、1年分のジャムは?
大橋 12月にかけて、いろんなところから
たくさんいただくんですよ。
私ね、野菜ジュースに一時こってたんです。
ニンジンとセロリと、りんごのジュース。
それを毎朝飲んでたころ、
「毎日飲む分りんごを買うのはたいへんだー」
って、いろんなところで言ってたんですね。
そしたら、いろんな方が
送ってくださるようになって(笑)、
12月ころにはもう、こーんなにたくさん。
 
ほぼ日 なるほど(笑)。
大橋 ほんとに、ありがたいことですよね。
でも、今は野菜ジュースを
飲まなくなっちゃったんですよ。
ほぼ日 あらら(笑)。
大橋 近所の人におわけしてもまだあるから、
それで、もったいないから、
ジャムを作るんです。
ほぼ日 そうでしたか。
大橋 でもね、ジャムだけじゃなくて、
りんごは一年中、うちにあるんですよ。
今はどんな季節でもあるでしょ?
むかしは季節外れのりんごって
味がいまひとつでしたけど、
最近のはおいしいんですよ。
ほぼ日 言われてみれば、そうですね、
一年中おいしいですよね、りんごは。
大橋 季節感がないのは
ちょっとつまらないですけどね。
でもうちは、りんごが毎日必要なので。
ほぼ日 必要‥‥。
どなたか大好物の方が?
大橋 いえ、あの(笑)、
ほんとはあんまりいけないんですけどね、
うちの、だるまーが大好物で。
夕食のあとにリンゴの皮を
8分の1くらいあげてるんですよ。
そしたらりんごは、いつもうちに
なくちゃいけないものになっちゃって。
ほぼ日 だるまーは、そんなに好きなんですか。
大橋 食べたくてしょうがないんです(笑)。
いっつも、「りんごは? りんごは?」って。
ほぼ日 それは欠かせませんね、りんご(笑)。
大橋 もちろん私も大好きだし。
飽きないでしょ? りんごって。
私にとっては、
とても身近で、日常のくだものですね。
 
ほぼ日 今回のふたつもハラマキも、
長い間ずっと使っていただける、
飽きのこないデザインだと思います。
ほんとうに、ありがとうございました。

デザインが生まれるまでの
クリエイティブに関するお話、
とても興味深かったですね。
りんごそのもののエピソードもたのしくて、
聞きながらどんどん、りんごが食べたくなりました。

そんな大橋さんはいま、
10月に三重の美術館で開催される展覧会のご準備で、
大忙しのご様子でした。
12月で雑誌「アルネ」を終了される大橋さんは、
その展覧会を、今までのご自分の仕事を見渡す
回顧展のような内容にしたいとおっしゃっていました。
‥‥それは、見逃せません。
展覧会についての情報は、
「三重県立美術館」の公式HPをどうぞ。

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【大橋歩展】


『平凡パンチ』創刊号表紙原画(1964年)

2009年10月24日(土)〜12月6日(日)
主催・三重県立美術館
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2009-05-02-SAT
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