「ベア1号」と「ベア2号」
どんな土鍋?
「ベア1号」と「ベア2号」ができるまで
使い方とご注意
販売時期と販売方法


土楽窯の7代目当主、福森雅武さんといっしょに、
あたらしい土鍋をつくりました。
名前は「ベア2号」。
おなじみの「ベア1号」より、ひとまわり小さい、
おとうと分のような鍋です。

この「ベア2号」ができるまでを、
動画とともに、紹介します。
ろくろを担当しているのは、
土楽の若き職人、中村周平さんです。
どうぞ、よろしくおねがいします。



ひとり用の土鍋、「ベア2号」の
開発が始まったのは1年ほど前のこと。
福森雅武さんの、こんなひと言からはじまりました。

「夫婦ふたりで、ちょっと食べるときや、
 ひとり暮らしの人のための小さな土鍋は
 どうかなあ?
 昔、半助って鍋があってね‥‥」

福森さんが、ひとり用の土鍋もいいんじゃないかな、
と思ったきっかけは、「半助鍋」。
関西では「半助鍋」といえば、
切り落とした鰻の頭を
豆腐や葱といっしょに炊いた料理として、
知られているそうです。
(鰻の頭のことを、
 「半助」って言うんだそうですよ。)



でも、福森さんによれば、
半助の「半」は、半人前の「半」で、
江戸時代、まだ修行中の若い職人や丁稚が、
お金がないから、鰻の頭や野菜の切れっ端を買って、
土鍋もないから、大きな貝を鍋代わりにして
つくった料理を半助鍋と呼んだこともあったとのこと。

「今は家族の人数が少なくなっているし、
 ひとり用の土鍋ってのは、いいんじゃないかな。
 卵とじやあさりのバター炒めのような、さっとした料理や、
 シチューやカレーの温め直しにもいい。
 残りものも立派な一品に見えるから、ねえ。」



福森さんは、さっそく原型をつくってくれました。
一番、検討に時間をかけたところは「容量」です。
ひとり暮らしの人にとって、
重宝な大きさはどのくらいだろう?
たくさん食べる人も、小食の人も、
どちらも納得できる大きさは?
最終的に、具がたっぷりの鍋焼きうどんが入る容量で、
お米なら1合半炊けて、
材料を足しながら食べるときには、
2人用としても使える大きさになりました

「ベア2号」をつくる。
福森さんがつくった原型をもとに、
じっさいに手を動かして
「ベア2号」をつくってくれるのは、
土楽の職人さん、中村周平さんです。



静かで、まじめな空気をまとう中村さんは、
どの工程でもていねいに一生懸命につくります。
彼が器をまわすときに漂う緊張感や集中の度合いは、
写真にもうっすらと漂っていますよね。



福森さんは中村さんについて、
こんなことを教えてくれました。
何年か前、中村さんが壁にぶつかって悩んでいたとき、
福森さんは「湯飲みを1万個つくれ。」と言ったそうです。
ろくろを回して、1万個の湯飲みをつくる‥‥
それは、とほうもない数です。
「しかし、あれは途中でほうり出さずに、
 1万個、つくりあげた。そういうやつなんだ。
 ここ3ヵ月は土日も休まず、夜遅くまで
 『ベア2号』をつくっている。
 つくることがおもしろくなった、と言うんだよ。」
福森さんは、ほんとうにうれしそうです。


ピリッと冷えた空気のなかで、
真剣なまなざしで手を動かす
中村さんの姿には、
なんとも言えない美しさがあります。

力の入れ具合やら、
指1本1本の動かし方やらが
綺麗につながりのある動作としてあらわれる
彼の手つきはとても滑らかで、
眺めていると
ついつい見入ってしまいます。

工房に流れるかすれたラジオの音を聴きながら、
中村さんは
この作業を黙々とこなしていきます。

こんこんと作業を進めるとき、
中村さんは、胸に何を思っているのでしょう?
そのことについて聞いてみると、
いつも大切に思っていることがひとつある言います。
それは、「土徳」という言葉。
これは、二宮金次郎さんが
農民たちに説いた言葉で、
土に心を宿らせる、そんな気持ちで作業をする、
そういうを意味するのだそう。
中村さんは、
その心を器づくりに活かせないか、
そう考えているのです。




これは、
ヘラを使って削る作業です。
こちらも、なかなか見応えがあるものです。

集中はしていても
力は抜いてリラックスしながら、
滑らかにヘラを動かすことで、
シュルシュルと勢いよく乾いた粘土が
流れるように削り出される。

ひとつひとつの作業をみていると、
熟練した技術がなければ、
とてもできそうにない、
まさに職人技だということが、
見ているだけで伝わってきます。
こちら、ぜひ、動画でも見てください。


小ぶりながらも存在感があり、
料理を盛る器としても使える「ベア2号」は、
こんなふうにつくられています。



「ベア2号」のはじめての販売となる今回は、
中村さんが3ヵ月かけてつくりためてきた、
500個すべてを販売いたします。
今後、この数をご用意することは
なかなかむずかしいため、
ご希望のかたは、お早めにご検討くださいね。

2009-12-10-THU