この先100年後にも 誰かの胸で輝いているような、 高いクオリティで完成しました。
  • 「小鳥のブローチ」は私が監修をした、
    ヴィクトリア時代の品の「リプロダクション」です。
    つまり「復刻」にあたりますが、
    アンティークの単なるコピーや
    レプリカというわけでもありません。
    「枝の上に2羽の鳥がとまっている」
    こうした立体的なブローチは
    1890年ごろの
    ヴィクトリア時代のイギリスで流行し、
    枝の形、鳥の形にも
    いろいろなバージョンがありました。
    その中に「これこそ蘇らせたい」
    と思えるデザインとの出合いがあったので、
    もともとの雰囲気をできるだけ損なわないよう、
    イギリス人の熟練したジュエリー職人の力を借りて、
    再生を試みました。
    そうして完成したのが、「小鳥のブローチ」です。

    仮にヴィクトリア時代のひとがこれを見たとしても
    違和感は感じないくらい、
    当時のトレンドやサイズ感、
    クオリティの高さは忠実に守られていると思います。

    けれども、このブローチは
    日本の湿度で使われることを前提に、
    たとえばブローチの裏のピン部分は
    オリジナルでは柔らかく、
    くすみやすい銀製だったものを
    強度を高めるため金製にしました。
    ピン以外の部分に関しても、土台の銀には
    金とプラチナのコーティングを施しています。

    私が信頼するジュエリー職人は、
    そうしたきめ細やかな工夫を随所に加えつつ
    ひとつひとつを丁寧な手作業で
    仕上げてくださいました。
    この品を短期間で大量に作ることができないのは、
    ヴィクトリア時代のブローチ同様か
    もしくはそれ以上に
    たくさんの工程を経て作られるためです。

    いまはまだピュアで無垢な「小鳥のブローチ」ですが
    この先、大切なひとへ
    たとえば次はお子さんへ、と手渡され
    時を重ねて愛用していただけたら
    これほど嬉しいことはありません。

    100年後には、またアンティークとして
    誰かの胸で輝いていてほしい。
    そんな思いをこめて制作したブローチです。

    2014.10 イセキアヤコ

トップへ