報告レポート その3


洗濯に関する不具合のありました
「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」について、
原因の調査、代替品の仕様やスケジュールなど、
順次皆さまにご報告をさせていただいております。
(お買い求めいただきました皆さまには
 「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の
 洗濯に関する不具合について
 2004年11月6日付けで
 メールをお送りしております。
→11月6日付けの内容はこちらです。

 なお、ご注文くださった方のうち、
 代替品をお送りする予定の皆さまへは
 2005年1月13日付けで
 最新のご案内をメールにてお知らせしております。
→1月13日付けの内容はこちらです。

 万が一、届いていないという方は、
 store@1101.comまでご連絡ください。)

下記にも詳しくご説明をさせて頂いておりますが、
代替品のお届けは、
「2月後半」
となることが決定いたしました。
お届けに関する詳細については、
こちらのページでもご案内を掲載するとともに、
「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」をお買い上げいただいて、
特にご返金の希望をいただいていない方に
2005年1月13日付けで
個別にメールをお送りしております。

本日は、
下記3点の項目のうち、


「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」が洗濯機を使用して
丸洗いできないのはなぜか?
ご報告はこちら→


「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の
内側に施したコートが剥離してしまうのはなぜか?


問題のある製品をお届けしてしまったのはなぜか?
ご報告はこちら→

ご報告がまだだった、


「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の
内側に施したコートが剥離してしまうのはなぜか?


について、ご説明させていただきます。

また、代替品の仕様と、
お届けまでのスケジュールも決定しましたので、
そちらもお伝えいたします。

【調査のご報告】


「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の
内側に施したコートが剥離してしまうのはなぜか?



今回の「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」は、
コート剤の布地への定着が不十分だったため、
洗濯機で洗濯をすると、剥離してしまうことが
お買い求めいただいた方からいただいた
メールによって判明しました。
そこで 、ただちに工場に確認を求めました。
長らくお待たせいたしましたが、
このたび、剥離してしまう原因がわかりましたので、
ご報告いたします。

コート剤(PUコート)は以下のような工程で、
施されます。

1.液状になったポリウレタンを、
  布地に塗布します。


※コーティング液の量は、
 1ヤードにつき10gでした。
 このときの、液状のウレタンの量が、
 コートの耐性に関係しますが、
 今回は、問題のある数値ではありませんでした。

2.乾燥させる。

※乾燥させる時に、
 ・乾燥させる温度
 ・乾燥させる速度
 が、コートの耐性に関係します。
 今回は、乾燥させる温度は、145度となっており、
 問題のある数値ではありませんでした。
 そして、乾燥させる速度なのですが、
 工場にはその情報がすでに残っていませんでした。
 ただ、布地に塗布したコート剤の量、
 そして、乾燥させるときの温度に
 問題がないということがわかっており、
 「乾燥させる速度」のみが不明であるということは、
 この 「乾燥させる速度」が適正ではなかったために、
 剥離をまねいたという結論をだしました。

 さらに、色による、
 剥離の大きさに差が出たことに関しては、
 染料と、コート剤の相性によるものも
 多少は考えられることですが、
 今回の剥離の原因は色の相性よりも、
 コート剤を施すときのロットのほうにありました。

 つまり、コート剤は、
 布地の色ごとにまとまった量で作業をしていきます。
 そのときに、布地の色によって、「乾燥させる速度」に
 ぶれをだしてしまいました。

 繊維製品の検査をする機関の検査結果によれば、
 「ブリック(オレンジ)」
  「ニュースペーパー(グレー)」=剥離大
 「ハトロン(白)」
  「クラフト(ベージュ)」=剥離小
 という結果になっています。
 「ハトロン(白)」
 「クラフト(ベージュ)」の布地に
 コートを施したときよりも、
 「ブリック(オレンジ)」
 「ニュースペーパー(グレー)」に
 コート剤を施したときのほうが、
 「乾燥させる速度」の適正な値から、
 逸脱が大きかった。
 ということになります。


【結論】
つまり、PUコートは、通常は洗濯をしても、
剥離することはありません。
「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」のPUコートが、
剥離してしまった原因は、
コート剤を塗布してから、乾燥させる速度が
適正ではなかったために発生した、
ということがわかりました。

以上で、「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の
洗濯に関するご報告は全てです。



【原因究明を終えて。】

2004年11月より「ほぼ日」では
「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」製作にあたっての
問題点を洗い出し、
剥離の原因を調査してきました。

※まとめてお読みになりたい方は、
こちらにまとめたものがあります。


調査を終えて痛感したのは、
「剥離の原因」と「剥離する商品をお届けした問題」は
全く別であるということです。

今回の一番大きく、重大な問題は、
「コート剤が剥離する商品をお届けした」
という点につきます。
そして、その原因が、
モニタリング不足という、
あってはならないミスでした。
私たちは、このことを深く反省し、
今後は、商品ができあがってから皆さまへと
お届けするまでの間には、
厳しいモニタリングと、
しかるべき検査機関に調査を依頼し、
自信をもって、お客様に届けられる品質の商品を
つくっていくようにつとめます。

今回「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」を
ご購入くださった方には、
大変なご迷惑をおかけいたしました。
あらためて、心よりお詫び申し上げます。


【代替品の仕様など】

「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の代替品は、
製作するメーカーを変更いたしました。

今回の「不良品お届けしてしまった」ということの
原因は、ほぼ日のモニタリング不足という
あってはならないミスであったのは
いままでご報告してきた通りです。
また、「不良品の原因」は製品の製作過程で、
発生しています。

原因究明にあたり、「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」を
製作してくださったメーカー(A社とします)に
お願いをして、
調査いただきました。

ただ、私たちはそれと平行して、
もう一件別の(B社とします)にも同じように
「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の
不良の原因調査を依頼したところ、
代替品の製作にも手をあげてくださったので、
見積もりを提出していただきました。

また、両者ともに製作過程の中で
いくつか製品の強度、洗濯に対する強度についての
検査をしていただくようにお願いをいたしました。

その結果、
・不良の原因究明の確実さとはやさ
・商品の品質に関する提案が数多くあったこと
・できあがりのスケジュールの確実性
・コスト面での合意
・B社がこれまでに製作してきた商品の確かさ
・品質管理についての基準の厳しさ

以上の項目が、A社にくらべ、
B社のほうが優れていたために、
メーカーの変更を決定いたしました。

※今回の洗濯に関する不具合の
 いっさいの責任は
 ほぼ日刊イトイ新聞にありますので
「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」ならびに
 代替品の製作費用等は、
 すべてほぼ日刊イトイ新聞が負担しています。


布地とコート剤

・布地

ナイロン100% 420デニール

※こちらは、「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」と
 変更ありません。

・コート剤

アクリル樹脂コートに変更。

※また、PUコート(ポリウレタンコート)、
 アクリル樹脂コートをそれぞれ
 ナイロン100%の布地に施した
 サンプルを、洗濯機で10回以上洗濯し、
 正常にコートが施されていれば、
 そのどちらにも、剥離は認められないことが
 わかりました。

 ただ、洗濯後の風合いに若干の違いがあります。
 アクリル樹脂コートのほうが、ハリがあり、
 ソフトな風合いでした。

 温度の変化による耐性にもすぐれていることから、
 アクリル樹脂を選択しました。

  アクリルコート PUコート
耐光性 非常に良好 不良
耐熱
耐寒性
80度くらいから軟化する。
-30度を越えると亀裂を生じ、
風合いが堅くなる。
比較的変化なし。
仕様温度範囲 -30度〜180度 -30度〜80度
用途 袋類、テント、医療、産業資材。
(野外で仕様されるものに多い)
衣類、袋類、家具
(衣類に使用されることが多い)
長所

ソフトである。
水圧に強い。
経済性に優れる。

反発弾力がある
温度による風合いの変化がすくない。
耐洗濯性にすぐれる。

欠点 温度による風合いの変化がある。 高価である。


また、アクリル樹脂コートは、
「ほぼ日永久紙ぶくろ3」に施されたコートと
同一のものです。


サイズ・カラー・デザイン

カラーとデザインには変更はありません。

※写真は、「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」です。
 代替商品は、コート剤や製作工場の違いから、
 「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」と
 若干の色の差が生じることが予想されます。
 あらかじめご了承いただけると幸いです。


生産国

中国

【お届けまでのスケジュール】

「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の代替品のお届けは、
2月後半に決定いたしました。

【サンプル製作】

年内:
・布地のサンプルを試験
・色サンプルを製作
・プリントの版下を起こす

このときにまず、
・布地の洗濯試験。
・縫製サンプルの強度検査。
を、行います。

【製品製作】

年明け:
・生地の製作
・1月中に縫製
・中国が旧正月のお休みにはいる前に日本に出荷

皆さまにお届けする際に、
さらに、製品の抜き取りをし、
・布地の洗濯試験。
・強度検査。
を行います。

この結果についても、順次ご報告して参ります。

ご不明な点、ご質問などございましたら、
store@1101.comまでお願いします。

ほぼ日刊イトイ新聞・ほぼ日ストア


2004-12-20

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