「スーパーヴィンテージ」をテーマとして掲げた
2009年のほぼ日Tシャツ。
先日、はじめての試みとして、
ご協力いただけるデザイナーのかたを募集しました。

その結果、実にたくさんのかたが、ご応募くださいました。
「ほぼ日」は、とくにファッションが
得意なメディアというわけでもないのに、
みなさん真剣に取り組んでくださっていて、
おまけに作品のレベルもとても高くて、
びっくりするとともに、感謝しています。
どうもありがとうございました。

選考にあたっては、糸井重里、ほぼ日Tシャツチーム、
Deserticの平武朗さんにくわえて、
雑誌などで活躍中のスタイリスト、
新居崇志さんにご参加いただきました。

新居さんは、古着屋になろうと思ったこともあるほどの、
業界でも有名な、古着好きなスタイリストさんです。
「着る人」の視点で、スーパーヴィンテージな
Tシャツえらびを、手伝っていただきました。


▲新居崇志さん

それでは、いよいよ、選考結果です。

まずは、今年のTシャツをお手伝いいただく、
お二人のかたを紹介いたします!






まず、材料にする古着を集め、解体します。
次にプリントのいいところを取り出し、パッチワークして、
Tシャツの前身ごろを、デザインします。
そのあと、さらに染めて、色調をそろえたり、
上からプリントして、味をくわえます。

山下さんは、現在ロンドンで
ファッショングラフィック関係の
お仕事をされているかたです。

ヴィンテージ古着との親しみかた、あつかう手つきが、
とびぬけて優れていると、ぼくらは思いました。
そういえばこれ、Tシャツでやる
「FRITARG(フライターグ)」という感じもしますね。
とにかくかっこいいです。




 


普通の白い生地の下に鮮やかなプリントを置くと、
薄く透けて見えます。
このテクニックを使ってみたいと思います。
よく白いYシャツの下に、鮮やかなプリントのものを着て、
透けてしまっている人がいますね。
そんなシーンを形にしてみました。
透けているプリントから、その人の趣味が分かるような。
自分が密かに好きなものが、
にじみ出てしまっているような、、。
中に古着のTシャツ(タンクトップ)を
着ているように見えるデザインです。

ヤマモトさんは、ご存知のかたもいらっしゃるでしょう、
「ANALOG LIGHTING(アナログ ライティング)」という
ブランドを主宰し、実際にデザインもされているかたです。

とてもわかりやすい、スマートなアイデアですよね。
しかも、やりすぎてないというか、
適度に力がぬけている感じが、すてきです。
なんとなく、「ほぼ日」との相性のよさを感じます。





2009年のほぼ日Tシャツは、平さんにくわえて、
このお二人にご参加いただきます。

その証しとして、山下さん、ヤマモトさんには、
「金のメジャー(巻尺)」を贈呈させていただきます。

つづいては、「銀のメジャー」を贈呈させていただく、
6名のかたを紹介いたします。

今回のTシャツではごいっしょできませんが、
何かほかの機会があったら、
ぜひいっしょにやりたいと思っているかたがたです。




 


ヴィンテージTシャツの魅力はたくさんありますが、
その中の一つにプリントのデザインがあると思います。
インクのかすれ具合、ロゴ、今にはないデザイン‥‥。
ヴィンテージTシャツのプリント部分のみを
いくつもコンピュータにとりこみ、
コラージュするようにプリントしていきます。






カウチンセーターでもトラッドなデザインである
ハンティング柄をTシャツに落とし込んだデザインです。
ただそのままカウチンの編み柄では面白くないと思い、
30〜40's頃のハンティング用品のカタログをイメージして
イラストで表現してみました。







想いと時間がヴィンテージを作る

長い袖と着丈は、
自分にちょうどよいところで切ってから着たり、
夏に向かいながら袖を少しずつ短くしたり、
いろいろできる可能性の長さ。
ボーダーのプリントには、のりが入っていて、
カットした後に糸がほどけてこないようになる。
このボーダー柄が、カットしても可能な
Tシャツをつくる秘密です。
昔シャネルやピカソも着ていたボーダー柄は、
今とこれからを着る柄としてぴったりだと思う。





 


ズバリ「イトイ新聞」というコンセプトで考えてみました。
「1101」と「古新聞」を使って
デザインできないかなーと思いました。
そして着やすさも最高なものがいいなと思い、
京都ちぢみを使用しました。
京都の俵屋旅館でも使われているものです。







スーパーヴィンテージ
古くからあって、皆が認めるアイテム、
古着屋にありそうな。。。。。
家にもあるものでどうだろう。
親父かな。スーパーヴィンテージ。
親父のネクタイはどうだろうか。
クローゼットには無造作に山盛りになっている。
もう使わないのに、何十本も下がっている。
家族の為に働き、唯一の勲章かのように。
父の勲章 スーパーヴィンテージ。





 


アンティークの木製スタンプを使用して
それをテキスタイルにしてTシャツにする。
私が考えたのは、洋服以外の古い物を用いて
洋服に落とし込むということです。
おそらく1900年代前半に作られたこのスタンプを用いて、
現代にはないテキスタイル(柄)を作り、
Tシャツに落とし込みます。

どなたも、実際にお仕事で
ファッションに関わっているかたばかり。
なかには、有名ブランドのデザイナーのかたや、
靴下などで知られた会社のかたがたが、
みんなでデザインした作品を応募くださったり、
なんだか、銀のメジャーでは申し訳ない気持ちもします。

そうそう、その金銀メジャーですが、
つい先日、ようやくサンプルができてきました。
こんな感じです。


(サンプルは「銀のメジャー」のほうです)

なかなかゴージャスじゃありませんか?
8人のかたがた、たのしみにしていてくださいね。

最後に、今回の選考に関して、
スタイリスト・新居さんの感想を聞いてみましょうか。

みごと「金のメジャー」を射止めた
山下さん、ヤマモトさんの作品は、
やっぱりわかりやすい、伝わりやすいところが
よかったですね。
どこをたのしめばいいかが、はっきりしてる。
安心しておまかせできると思いました。

個人的には、好みや気分、体型によって、
Tシャツを切りましょうっていう、
森さんの考えかたがおもしろいと思いました。
古着って、前の持ち主について、
「こいつ、一体どういう着かたして、
こんなところに穴があいたんだろう」とか、
「どうやったら、こんなほつれかた、
  するんだろう」とか、
そういうことを想像しながら着るのが、
たのしいんですよね。

ほつれや、色の落ちかた、シワの寄りかた、
前の持ち主の個性が刻まれてる。
それと、自分で切って、長さを調節できるっていうのが、
近い感じだなって思いました。

ぼくが考えるスーパーヴィンテージって、
古着を着込んでいって、ずっとつき合っていって、
ぼろぼろになったとき、
そこで手を加えて、さらに着つづけたときに、
スーパーヴィンテージになるんだと思うんです。
自分のカラーを足した、っていうのかな。

こんどのほぼ日Tシャツは、
そういうTシャツになると、いいなって思います。

参加いただくデザイナーも発表されたところで、
明日からは、昨年2008年にも開催した、
「臨時アドバイザリー・スタッフ大募集」が、
はじまります。

アドバイザリー・スタッフになってくれたかたは、
ヤマモトさん、山下さんのぶんもふくめた、
今年のほぼ日Tシャツの全デザインを、
先行してご覧いただけますよ。

ぜひご参加くださいね。

それでは、また明日!

2009-03-09-MON
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(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN