いい音は空気を洗う。
加藤晴之さんの紙筒スピーカー物語。

まいど。通天閣あかりです。
そろそろ、ご注文していただいた方には
お手元に紙筒スピーカーさんが
届き始めてるのではないでしょうか。
実際、お聴きになって
いい音していましたでしょうか?

宮坂さんから発送に関して連絡がきました。

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スピーカーの再生産のスケジュールをお知らせします。
10月中にすでに600台を発送、
11月いっぱいで新たに1500台を発送、
これで今までお待たせしていた方々は
ほぼ全員に行き渡るそうです。

そして、12月はじめからは
春号掲載分に向けての納品が始まるそうです。
この数はまだ確定はしていませんが、
今回の好評ぶりをもとに
今度こそ皆様にご迷惑をおかけしない
個数を確保するものと思われます。


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ほほう。ほほう。
「通販生活」春号にもスピーカーは
登場するそうですよ!
自分の写真が17の時、
「セブンティーン」という雑誌に
掲載されることになって
それを心待ちにしているような
かなり楽しみな心境であります。

さて。darlingがどーして
スピーカーを世に出さなくちゃ!と
思ったのかが、今回、明らかに。

♯15 加藤さんとdarlingが話す その4

・商品化する意味

加藤   糸井さんがおっしゃった
     ご自分の仕事が
     表に出ないっていうのが
     ベストだっていう話ですが、
     スピーカーの存在そのものが
     なくなっちゃう瞬間が
     私にはくるんです。
     
     ぼくがスピーカーを作ってて
     音的に満足っていうか
     あるレベルを超えたとき
     っていうのが
     時間を忘れることなんです。
     時間を忘れて音なんか
     気にならなくって
     音楽に入っていっちゃってるって
     いうときが
     しめたものなんです。
     
糸井   段ボールで作った平面バッフルは
     どれくらい試されました?

加藤   それは100は超えてると
     思いますね。

糸井   加藤さんが
     最初におっしゃってたのは
     みんなにスピーカーの作り方を教えて
     子供たちがみんな空気で波をおこして
     それを聴くような音楽に
     触れてくれるような機会を
     たくさん作れたらいいなと
     いう風におっしゃってて
     それはなるほどっと思ったんですけど
     そういう風にのっぽさんのように
     伝えていっても
     実際にはたくさん広がるのは
     難しいだろうなと思ったんです。
     
     それよりはパッケージにして
     しまって、
     まず一旦ヘッドフォンから
     はなれてみたら分かるよって
     いう意味で商品化していったほうが
     いいんじゃないかなって思ったんです。
     
     なかなかこれだってものができるまでに
     時間がかかりましたけど
     今、加藤さんは紙筒スピーカーで
     ここまではできたなっていうイメージ、
     あるいは、ここをもっと
     まだやりたいなっていうイメージを
     お聞かせ願いたいんですけど。

加藤   上を見ればきりがないっていうのが
     日常食の中にもあるんですよ。(笑)
     同じ夕食を作るにしても、
     どこどこの塩を使うと
     おいしくなるとかですね、
     そういうことはやっぱりあるんですよ。
     それで今、考えうる頭の中で
     商品化できる一番いい形態は
     これだって思ってます。

     ただアイデアは頭の中に
     いっぱいあるんですよ。
     今、僕の中では気持ちのいい音が
     鳴ってるって思います。
     今回カタログハウスさんや
     フリーハンドさんを
     紹介していただいて
     それでほんとに
     たくさんのかたが関わってくださって、
     やっとこういうものが
     できたわけですよね。
     
     で、やっぱりうちで1人でこつこつ
     段ボール切って作ってるのは、
     いくらでもできるんですけども、
     やっぱりラインにのせて、
     商品として出すっていうことは
     まるで違うなと思いました。

糸井   加藤さんはどちらかというと
     商品化したいっていう気持ちは
     あんまりなくって
     ただ伝えていきたいっていう気持ちが
     大きいんですよね。

     商品ってことばには
     「商い」って文字が入ってて、
     商いっていうのは
     闇雲にいやがる人がいたりするんだけど
     商いの形をとるからボルテージが
     あがっていくんだと思うんです。
     あるいはその周辺に
     善意もあって悪意もあって
     うねりを作って広げていくときには、
     必ず商品の形をとったほうが
     スピードがあがるって
     いつも思ってるんです。

     で、商品の形をとっていけないことって
     いうのがいくつかあって、
     「儲けたい」が先にたったときには
     いいエネルギーが
     吸い込めないんですね。
     儲けは2番目以降にしてくれって
     考えると
     やっぱりコンセプトを中心にして
     人が、稼ぎ高以上の何かを
     ふかしてくれる。
     このことについてぼくは
     このスピーカーを改めてやってみて
     ほんとによかったなと思うんですよ。

     ぼくは一部では「資本主義の犬」と
     呼ばれていますけれども(笑)
     資本主義っていいもんだなあって
     こういう時に思うんです。
     これを僕がみなさん、
     タダでさしあげますからって配ったって
     こんな会場にこんな風に
     人は集まってくれないし、
     その一番やりたいことが
     恥ずかしくないことで、
     ぜひオススメしたいことだった場合には
     ちゃんと商品というものを
     使っていったら色んなことができると
     思うんです。
     
     だから
     加藤さんも企業にいらっしゃったから
     分かると思うんですが
     企業がつまらなくなってるっていうのは
     優先順位が、いくら売り上げて、
     いくら利益があがって、から
     考えちゃった商品に囲まれてますよね。
     みんな。

     たくさん世の中に出回ってる商品って
     これをこの値段でど
     ういうこと考えてるんだろうって
     思うんだけど
     それでご飯食べていく人が
     こんなにいる以上は
     しょうがないんだよ。ていう論理で
     展開してたと思うんです。
     でもこれから商品っていうものも
     人々のためになるし
     自分がぜひ使ってほしいっていうものが
     あったときに、いくら儲かる、
     どうやって売るっていうことを含めて
     パフォーマンスを考えていったら
     やっぱり人々を喜ばせるのに
     一番効率がいいし
     その次を考えながらもできるし
     ていうことは、商品ていうことの意味が
     昔と全然違ってきてるんじゃないかな
     って思うんですね。

     ぼくは実験とあえて言いたいんだけど
     スピーカー出したときに
     一般にカタログハウスの通販生活を
     読んでる人はある程度、
     歳のいったかたが多いし、
     スピーカーをつなげるなんて発想が
     ないんです。
     ですから、ほとんど売れないだろうって
     いう風に判断して
     スタートしたんだけれども、
     実はもう売れてしまった。

     スピーカーをつなぐって
     どうめんどくさいかなんてことは
     消費者の側の自己責任で
     めんどくささを解消するわけで、
     そこは実は
     乗り越えてくれないんじゃないかと
     思ったら、実は乗り越えてくれたり。

     さらに言えばこうやってこういう場所に
     話を聴きにいきませんか。って言ったら
     来てくれる。
     試聴会をやったら自分のCDを
     持ってきてくれる。

     何がみんなほしいんだろう
     っていうことが
     まだ言葉にならなかった。
     なんか不満だったものを
     形にして結晶にして
     ぽんと放り投げてあげたら
     すーっと甘味として広がっていって
     甘いねという商品であるとか
     ビジネスであるとか
     そういう形をとってることによって
     よかったな、こういうメディアがあって
     って思ってるんですよ。
     
     今、これだけのかたが
     音を聴きにきてくださって。
     全員がマニアじゃないんですからね。
     
加藤   自分の中でも
     ちょっと消化しきれていません。
     何が起きてるんだろうなっていう
     感じでいます。
     
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いいものを作る、だけじゃなく
それをいかに伝えるかが
いいものの価値を高めるのですね!

「それ、なんぼ儲かんねん?」という会話が
私の生まれの地、大阪シティでは
「おはよう」の挨拶をするくらいの勢いで
よく交わされていましたが
そのような方達にも、ぜひ読んでいただきたい、
この第16回でありました。

ほな。



アンプつき
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スピーカーのみ
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「加藤晴之さんの紙筒スピーカー」に関する
お問い合わせは、
0120-701-567(カタログハウス商品ご説明課)
お申し込みは、
0120-164-164(カタログハウス受注センター)
までお願いいたします。

2001-11-25-SUN


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