いい音は空気を洗う。
加藤晴之さんの紙筒スピーカー物語。

ほぼにちわ。
通天閣あかりです。

早速ですが、カタログハウスの編集者、宮坂さんから、
驚きのメールが届きましたんですよ!

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いいいいいいま試聴会がたいへんなことに
なっていますー。
人が入りきらずにロビーにてお待ちいただく状態です。
でもみなさん、朗らかに待ってくださっています。
嬉しい!

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そうなんです。以前からお伝えしてたように
9月29日(土)は
「加藤晴之さんの紙筒スピーカー」の試聴会でした。
とても盛況だったようです。
聴かれたかたから生の声を頂いていますので、ご紹介!
評判が、いいーんです!

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はじめまして。
僕は今日、新宿のカタログハウスの視聴会で、
紙筒スピーカーの音を聴いてきました。
違いますね、音が。
今まではスピーカーより
音が耳にダイレクトに伝わるヘッドフォンのほうが、
音楽を聴くときは向いていると思ってたんですが、
まったくの誤解ですね。
やっぱり音は空気を通して聴くのが一番です。
今までは、
スピーカーの音が悪いからそんな風に感じてたようです。
自分はあまり音にはこだわらないと思ってたんですが、
あの音を聴いて、
音に自分は妥協していたんだなと思いました。

この紙筒スピーカー、すごいよかったです。


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そして、もちろん今日も試聴ができます!
試聴会は予約不要ですよ。

さらにさらに、
加藤晴之さんとdarlingの対談も
まだ若干名であれば大丈夫だそうです!
当日受付もありますので、
会社や学校が終わって間に合うかたは、
ぜひ駆けつけてください。
詳しい内容は最後に書いてまーす。
お待ちしてますね。

さて今日は、
「そもそも何でこのスピーカーは紙なんすか、
 加藤さん?」
という、この材質が選ばれた根本的な部分に立ち戻って
加藤さんのお話を聞いてみました。

ここから何回かは、
「加藤さんのスピーカーへのこだわりとヒミツ」を
中心にお伝えしますよー。



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♯7 紙である理由を加藤さんが語る

・ラジカセやウォークマン以外で聴く音楽


・・・加藤さんご自身は、創っていて
   このスピーカーは売れるぞ、
   という実感はありましたか?


出す以上は、
いい音をたくさんの人に聴いてもらいたい
っていうのはありましたけども、
一番最初の僕の目的っていうのは
売れる、売れないってことよりも、
うちの子供たちであったり、
私の知り合い関係であったり
まずそういう人たちに、
今巷で流れている音とは違う、
もう一回自分のCDを聞き直してみてよ、
ってそういうのが伝えたかったんです。

最初は、メーカーを通じて
どーんと売り出すのではなくて
設計図面をぼくが書いて、
小冊子のようなものか、
あるいは本でもいいけれども
そういうものを創って、
みんながそれを見て創れたらいいなあというのが
僕の目的だったんです。

だからずーっとこだわってたのは
紙だったんですね。
紙だったら子供たちでも簡単に作れると思ったから。
スピーカーは「箱」だとみんな思ってますから
いざスピーカーを創ろうとすると
大仕事になるわけです。
小学生くらいだと
ノコギリはまっすぐひけませんよね。
カンナもかけられない、のみも使えない、
釘一本まっすぐに打てない。

じゃあ、どうやったら小学生が
スピーカーを創れるんだろうってことを
思ったんです。
だから最初のうちはずっと段ボールで
スピーカーを創ってたんです。

・・・そういう理由で紙に。

今は子供たちがラジカセとかウォークマンとかで
音を聴いて、それが音楽だと思ってますよね。
でも、そうじゃないアプローチもあるよ、
そうじゃない伝え方もあるよ、
ってそれを知ってもらいたいなって思ったのが
今回のスピーカーの発端なんです。

うちの子供の一言から始まって、
時間に余裕ができてきて、
チャンスがあれば
子供たちが自分たちでも創れるような、
何かそういうアプローチを考えたかったんですね。

平面バッフルなんてほんとに簡単ですよ。
1.5m四方くらいの大きさの段ボールに穴をあけて
ユニットをくっつけると
オオッ!て音するんですから。

・・・普通の段ボールでいいんですか?

普通のだとちょっとだめで、
普通の段ボールが3枚くらい重なった
工業用の段ボールなんですけれども、
すごく安く買えるんじゃないですかね。

ユニット買ってきて穴あけて、
ねじ4本でとりつければエエエッ!て音が出るんですよ。
そんなの学校の音楽の時間にでも
みんなに創ってもらって、鳴らすと
そこに小さなオーケストラが現れる、
みたいなことになったらいいなあと。
そういう意味で紙にこだわったんです。

・・・実際できあがった商品自体も
   すごく手作り感がありますよね。


オールハンドメイドです。
現場に行くと、ちょっと感動ですよ。
今の日本でこんなことして
こんなものができてくるの?
しかもこの値段で?
っていうものだと思います。
カッティング係、材料仕分け係、検品係、
塗装係、組立係、再生係、
のべ25名くらいでやってます。

・・・それで一日何台くらいできるんですか。

最終段階の組み上げだけでも
300台できないくらいです。
素材からっていったら
300作るのに3、4週間かかります。

塗装だけでも乾くまでは、えらいことです。
全部並べてシューッとスプレーで塗るわけじゃなくて
一つ一つ塗ります。
普通のメーカーだったら、
今だとロボットがギイギイギイって
やってるわけですよ。
それを全部うるさーい職人さんがやってます。
ちょっとでもこっちが何か言うと
「ん?」って眉をしかめるような人たちがやってる。(笑)
1人で三度塗りくらいやっていますね。

MDFっていう素材は塗料をすごく吸うんですよ。
普通の何倍も吸う。
だから工程も乾かして塗り乾かして塗り、です。
最低3回はやりますね。

いわゆる再生素材です。
おがくずみたいなもので、
おがくずよりもっと細かい樹脂を
高圧で固めた板なんですね。
紙と木の中間みたいな素材なんですよ。
だから色にも一つ一つバラつきがあります。
今はカナダ産使ってるからちょっと白いですね。
現在大急ぎで作っている増産分も
カナダ産のMDFを使うと思いますよ。

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紙で作ってあるのは
コストがかからないからなのかと
思っていましたが、
そうではなかったんですね。

将来、自分の子供には
そんな音楽の授業を受けさせてあげたいなあって
思いました。
歌ったり、笛吹いたりばかりが
音楽を知ることじゃないですもんね。

一見シンプルなこのスピーカーですが
一つ一つに理由があり、
その一つ一つを職人さんが手をかけてくれて
仕上がったものなんです。
そんな物語も、じっくりと味わってくださいね。

ほな。



カタログハウスのB1のお店にも置いてありましたよー
残念ながらお手元に届くのは11月以降になりますが。


◆「音の不思議を語ろう対談」
加藤晴之×糸井重里
日時:10月1日(月)18:30〜20:30
場所:カタログハウス地下2階「セミナーホール」
入場料:1000円(先着100名様)

さらになんと、同時開催で、
この紙筒スピーカーの試聴会も行います!

◆「加藤晴之さんの紙筒スピーカー試聴会」

日時:10月1日(月)11:00〜17:00
場所:カタログハウス本社1階
入場料:無料(予約不要)
お好きなCDを持ってきていただければ
実際にお聴きいただけます。
本当にいい音を聴くチャーンスっ!

対談、試聴会に関してのさらに詳しい情報は
こちらのページをご覧ください。
(参加の申し込みもこちらからできます)
http://www.cataloghouse.co.jp/study/study.html




「加藤晴之さんの紙筒スピーカー」に関する
お問い合わせは、
0120-701-567(カタログハウス商品ご説明課)
お申し込みは、
0120-164-164(カタログハウス受注センター)
までお願いいたします。

2001-10-01-MON


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