SBCZF
2005 /11/21 更新
ヘンなことばっかりやってます! 祖父江慎+cozfish展
第2回 ひみつがいっぱい
B1Fは1Fよりもさらに実験的な本の数々が
展示されています。
階段をおりると、すぐ左手にトイレ。
トイレの前には、darlingも参加していた
『ウゴウゴルーガ文学大賞 うんこ』
たいせつにケースに入れられてました。





「うんこは、こっちです〜。おしっこもね!」
と祖父江さん。
‥‥。
さあ、さっそく、
ご本のご紹介をしていただきましょう!

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「全部の本にひみつがあるんですよ。
 わかりやすいひみつをご紹介しましょうかね。
 ‥‥わかりやすい本、わかりやすい‥‥。
 あ! これ、わかりやすいですよ。
 ここまで育てるのに14年半かかってるんですよ。
 本が腐り中なんです!」


本が腐っても、大丈夫なんですか!?
心配しつつ、よくよく見れば、
崩れていくわけではなく、
中表紙の金インキが化学変化し、
時間とともに腐食していくそうです。
腐食の進行が1冊、1冊違うので、
育成(?)の楽しみが!


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「『陰陽師』は最初に羅盤(※)をかいて、
 シリーズプランを作りました。
 各方向に1冊ずつ配置した設計書をつくって、
 「全12巻にしませんか?」って
 岡野さんに相談したんですよ。
 最初は「そんなに描けるかしら?」って
 おっしゃってたんですけど、
 どんどんすごい内容になって、
 12巻では収まらない内容になってしまったんですよ。
 それで、中央の位置にあたる「太陽」という巻を追加して、
 全13巻にしたんですよ。
 13巻は、寛弘2(1005)年9月に亡くなった
 安倍清明の没後ちょうど千年めに刊行したんですよ。
 すごいでしょう?」


月将軍順(※)に刊行されてますが、
方位順におきかえると
カバーをはずした表紙の背の
イラストがつながるそうです。
お持ちの方は試してみて!

羅盤(式盤)
 天文、地理、方位、時間などが詳細に記された
 陰陽道の占いに使用する道具。

月将軍(十二神将)
 安倍晴明が使役したとされる式神。
 騰蛇、朱雀、六合、勾陣、青龍、
 貴人、天后、大陰、玄武、大裳、
 白虎、天空のこと。
 『陰陽師』の各巻の表紙には
 この名前が入ってます。



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「これはひとめでわかりますね!
 太いうんこ入りです♪
 う〜〜ん、悪趣味ぃぃぃ♪」


たしかに「う」「ん」「こ」の文字だけ、
太字になっています。


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「ページの文字組を比べてみると気づくかな?
 電車の中のラッシュ時のシーンは、
 文字間をつめて、ぎっしり!
 こっちの寝ているときの悪夢のシーンは、
 字の形がひずんでるんですねー!
 物語に合わせた文字組です。
 ふふふ。」


右側のページ、ほんとに字がひずんでいます!
徹底的に細部までつきつめた構想です。
ちなみに原書のイギリス版でも、
著者の意向で近い工夫がされているそうです。


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「これは気がつく人が意外と少ないです。
 (パカッと本を開いて)
 ほ〜ら、こんなところに、
 弥次さんと喜多さんが、隠れてるぅー♪


「気がつかれなくていいんですか?」と
祖父江さんにご質問したところ、
気づかれる必要は、ないんですよ。
 気がつかれてないのってドキドキしますね。」
とニッコリ。
そうでしたか!


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「この本は、最後のページに、
 隠し短歌が入ってまーす。
 これは、なるべく気づいてほしいでーす♪」


この短歌を読んでみると、
 ベストポジションだということがわかりました!
 この位置以外、考えられない‥‥すごいっ。


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「これってだれも気がつかないんです。
 よぉーく見てください。
 ほーら、本の真ん中、ノドのところが、
 ぼんやり青く光っているでしょう?
 ムーンライトシャドウですよ。
 なんで光るか、わっかるかな〜?」


ひええ! ほんとに青白く光ってる!
どうしてですか?

「見開きページの左右の端からノドにかけて、
 4%から15%のグラデーションで、
 青インキを刷ってあるんです!」


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「これは‥‥写真に写るかなあ?
 うさちゃんがいるんですよ!
 かわいいでしょ? うさちゃんっ」


ページの真ん中に、青いうさちゃんが
ぼんやり浮かび上がってきます。


次回は、印刷技術の限界に迫る
世界初のご本の数々をご紹介します!
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