乗組員やえの疑問

空撮ってどうやってるの?

スカイツリーおじさんの解説

空撮とは、セスナやヘリコプターなどの航空機から
撮影する写真・ムービーのことです。
ほかに、パラグライダーによる撮影や
ラジコンヘリを使った無人空撮などもあります。

東京スカイツリーは市街地にあることやその高さから
セスナやヘリコプターによる空撮が多いようです。
航空機チャーター代は、
だいたいは1分あたりや10分あたりの時間制で、
セスナの1時間チャーター料金だと8万円前後、
小型ヘリでは1時間35万円前後といったところ。
もちろん、目的地に着くまでの時間も料金に入ります。

ヘリだと垂直、水平移動が容易で、
空中停止できることが魅力です。
また、夜景撮影の場合、
シャッタースピードが長くなりますし
空中停止できるヘリじゃないと
なかなかキレイに撮れないみたいです。

これまでに東京スカイツリーの空撮に
同行したことがありますので、
そのときの体験からお話します。


▲2011年2月の空撮写真。
 空気の澄んだ冬期では富士山まで良く見えます。

私たちが飛んだのは、
調布飛行場にある航空会社から。
航空会社は、大きなガレージのように見える
格納庫に併設されています。
受付を訪ねた後は、待合ロビーに通してもらい
パイロットの方と、天気状況、ルート確認、
誓約書サインなどの手続きを行いながら、
飛行機が準備できるのを待ちます。

予め予約をするのですが、
当日の天気や風により航空会社まで行ったものの
飛ばずに引き返すこともあります。
撮影のスケジュールや目的にもよりますが、
当日、空撮を決行するかどうかの判断は、
すでに飛んでいる飛行機パイロットからの無線情報や
詳しい天気予報システム、気象庁データ、
そして飛行場の方の経験に基づく勘です。

準備ができればいよいよ飛行場へ。
でも、その前にトイレを済ませます。
通路を過ぎればすぐに飛行機の格納庫。
しかも滑走路と地続きで、思わずわくわくします。
パイロットの方は、西部警察の大門デカのような
大きな黒サングラスを装着。
聞けば、太陽光がまぶしいため必需品なのだとか。

「じゃあ、こちらへ〜」と見た目に反して気軽に
言われた先にセスナ機が鎮座しています。
が、印象としては‥‥小さい!
全長で約8m、翼の幅で10mちょい、
といったところでしょうか。
高さも低くて、機体が触りたい放題です。
4人乗り機なのですが、
正直「え? これで飛べるの?」って感じです。

前後左右に1席ずつあり、前方左側が操縦席です。
写真家は比較的スペースのある後部座席に座ります。
「あ、窓が開くんだ。」またも驚きです。
しかし操縦席回りには
いろいろな「それっぽい」計器があり、
やっぱり飛行機なんだなぁと認識が改まります。

各種チェック後、滑走路へ移動し、
エンジンの唸りが上がると共に、
滑走、そして離陸!
この瞬間はけっこう感動しました。
あっという間に上昇していき、
街や人、車などが眼下に小さく見て取ることができます。
旅客機だと空を飛ぶのが大仰にも感じていましたが、
「空って意外と身近なんだ」と感じました。

飛んでいる間は、電車で揺られるくらいの振動ですが、
これが風にあおられると、
フヮ〜としたジェットコースターの落下のよう。
さらに、10分ほどで目的地について撮影が始まると、
対象との距離や高度を変えて旋回していきます。
特に「真見下ろし」のカットでは、
飛行機を90度くらい傾けての飛行。
乗り物酔いに弱い私は、すぐにグロッキーでした。
あとで写真家に聞けば、
撮影中は集中しているから保つものの
帰り道はきついとのこと。
でも何度か空撮するうちに大丈夫になったそうです。

撮影後、都心部を通り過ぎていき帰還。
この頃にはすっかり酔っていて、1秒でも早く
地面に着きたい気持ちでいっぱいでした。
「行きはヨイヨイ、帰りはコワイ」ってやつです。
なんだかんだ入れて1時間弱くらいのフライト。
乗り物酔いはつくづくまいったものの、
空からの眺めはすごく魅力的でした。

ちなみに、こうした航空会社では、
普段は漁業、農業の調査や地図制作などで
飛ぶことが多いのだそう。
また、ヘリコプターを利用した一般向けの
空撮体験サービスを提供している航空会社もある
そうです。

空撮に限らずですが、東京スカイツリーは
空を身近に感じられる、きっかけになるかも。

前へ 最新のうんちくへ 次へ


2011-08-23-TUE