シリコンの谷は、いま。
雑誌の記事とはずいぶんちがうみたいです。

第37回
英語の上達法ってありますか?



僕がこちらで一番苦労していることは
いまだに自分の英語力です。もっと英語が上手に喋れれば
もっと上手く仕事が進むのにと思うことがよくあります。
それでも、大学を卒業した頃に比べれば、
大分上手く喋れるようになったなと思います。

先週は、とにかく英語を話す時の恥ずかしさを
なくすことがまず大事ではないかという話を書きました。
そのほかにどんなことをしたのが良かったのかを
今回は書いてみたいと思います。

僕の経験では、英語力が伸びるのは、
なるべく連続して英語を使う環境にいる時でした。
合計して同じ時間英語を勉強するのであれば、
短期間でも毎日続ける方が、
週に1度か2度勉強するよりも良いようです。

日本語が聞こえる耳から、
英語が聞こえる耳に切り替えるのには時間が掛かるので、
時々勉強するというスタイルだと、
その切り替えに時間が掛かってしまい、
英語力が伸びる時間がその分
少なくなってしまうからではないかと考えています。

短い期間でも語学留学などが出来れば、
それが一番だと思うのですが、
それもホイホイ行くこともできませんから、
日常出来ることで、こんな方法が
僕にとって効果がありました。

その方法とは、
同じものを毎日繰り返し読んだり、
見たりすることです。
同じものといっても、同じテープを
毎日聴くとかそういうことではありません。

どういうことかというと、同じテレビ番組を見ること、
同じ英語の新聞を読むこと、
同じ人と喋ることなどといったことです。

僕は英語をもっと上手になりたいと思っていた頃、
英語の新聞を毎朝買っていました。
最初はもちろんなかなか読むことはできませんでしたが、
そんなことは気にせず、朝電車に乗っている間、
1面の記事から順番に読んでいました。
そして電車を降りるまでただ単純に読んでみます。
少々もったいないですが、電車を降りたらそれで終わり、
その日の勉強はそれでおしまいです。

しばらく毎日同じ新聞を買っていると、
電車に乗っている間に読める記事の量が日に日に増えて、
最初は記事が1つも読めなかったのが、
1面を全部読み終え2面に突入できるようになってきます。
1面を読み終わって新聞をめくるのが、
最初はうれしくて堪りませんでした。

英語力がアップしてくるというのも、
もちろんあるのでしょうけれども、
速く読めるようになるのは慣れが大きいと思います。

新聞には新聞なりの記事のスタイルがあり、
使われる言い回しや言葉には決まった癖があります。
毎日読んでいると、その癖に慣れてくるので、
新しい記事を読んでも面食らうことが
段々少なくなってきます。
そうすると、1日に出会う新しい言葉の量は
限られていますから、
すらすら読めるようになってくるようです。

同様に英語が聴こえるようになりたいときには、
同じ英語のテレビドラマを毎日見ていました。
新聞と同じく、同じドラマには同じ俳優さんが出てきて、
当然、毎回、同じ話し方をします。
同じ人の英語を聞きつづけると、
その人の話す英語は分かるようになってきます。
こうして1人ずつ聞き取れる人が増えていけば、
そのうちに他の人の言葉も分かるようになってきます。

また同じ人と毎日のように英語で喋るのも
良かったというのは、ドラマの話と同じです。
テレビと違って自分が話す練習にもなるので、
その分良い事は確かです。
知らない人と話すのと違って、
良く知っている人と話すのが
気楽なことは日本語でも同じですね。

英語の新聞・英語のドラマ・外人と話すことの
すべてに共通することですが、どの場合でも毎日、
中身はちょっとずつ変わっていきます。
中身が変わることが毎日新鮮なので、
飽きることもそれほどありませんでした。

そしてもう1つ見逃せないのが、
それらが実際に世の中で使われている英語だ
ということです。

勉強として習う英語と
実際の英語はやっぱりどこか違います。
特に会社にいるアメリカ人が話す英語のスピードは
とても速く、英語の授業で聴くテープのようなスピードで
話してくれる人は誰一人としていません。

英語のスピードが速かったり、
使われている単語が難しかったり、
最初はなんだかほとんど訳が分からない
ということになるとは思いますが、
基本的な英語の力は、
高校までの6年間の勉強で
そこそこついているように思います。
分からないなりに見たり読んだりしているうち、
今まで勉強した英語の知識と、聴こえてくるものが
つながる瞬間があるはずです。
そうなれば、そこからどんどん分かるように
なっていくと思います。

上田ガク

2004-03-16-TUE


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