シリコンの谷は、いま。
雑誌の記事とはずいぶんちがうみたいです。

第27回
祝日って多いの? 少ないの?


シリコンの谷より、明けましておめでとうございます。
みなさんの今回の年末年始のお休みは、
結構な日数になったのではないでしょうか。

僕は有給休暇と年末年始の休みを組み合わせ
2週間ほどお休みしました。つまり、12月の後半は
ほとんど休みだったことになります。
こう書くと、アメリカの会社は休みが多いように
思えるのですが、実際に休みの日数を数えてみると、
アメリカの会社の休みは日本の会社より
少ないようです。

子供の日、春分の日、体育の日など、
日本には色々な祝日があります。
ちょっと調べたところによれば、その日数は15日。
これに加えて、年末年始には、通常会社がお休みになる
大晦日や1月2日、3日があるので、
それを加えるとお休みは合計18日ほどになります。

一方、僕が今働いている会社は
年に祝日扱いの日が10日です。
祝日だけ単純に見れば、約半分しかないことになります。
確かに実感として、祝日はあんまり無いなあと感じます。

ところで、「僕が今働いている会社は」と書いたのには
実は理由があります。
アメリカでは、国で決めた祝日を
みんなが休むという仕組みはなく、
会社によって休みが違うのです。
これには驚きました。

確かに、独立記念日やサンクスギビング(感謝祭)などは
大体どの会社でも休みなのですが、
他の休みは会社によって休みの場合もあれば、
休みでもない場合もあります。

逆に、祝日的にお休みになる日というのもあります。
つまり、何かを祝してお休みにするのではなく、
休みにした方が合理的だと考えて
休みが設定される日のことです。
例えば、去年のクリスマスの翌日の
12月26日がそれにあたります。
12月24日、25日は、それぞれクリスマスイブと
クリスマス当日で休み、そして、27日、28日は土日でした。
ならば26日だけ営業日としても仕事にならないだろう
ということで、26日がお休みになっていました。
これで24日〜28日まで全員5連休になります。
その代わり、年間の祝日の数は決まっているので、
その年のどれかの祝日が休みではなくなります。

こんな具合に、祝日は毎年会社が勝手に決めるので、
前の年の終わりには来年のお休みがどうなるのか
ちゃんと確認しておかなければなりません。

アメリカで大きな休みになる可能性が高いのは、
11月末のサンクスギビング、そして、
12月後半から1月頭のクリスマス・新年にかけてです。
アメリカ人も自分の故郷を離れて働いていることが多く、
サンクスギビングのお休みは帰省が最も多い時期です。
シリコンバレーで働く人も、両親や親戚に会うために
里帰りする人も多く、サンクスギビングの前後は、
会社は開店休業状態になります。

クリスマスの休みは、それに比べると
里帰りする人はかなり少なく、
自宅で休みを過ごす人が多いようです。
それでも、クリスマスから新年までは
ほんの数日しか仕事をする日がないので、
みんな休みを取ってしまい、12月後半もほとんど仕事に
なりません。ただ、お正月の重要度は低く、
通常は1月2日からみんな会社に揃い仕事が始まります。
仕事初めのような行事もなく、
いつものように仕事が始まるのが、
日本人の僕には不思議な光景に見えます。

この2つの休みのせいで、
12月は毎年あまり仕事が捗りません。
この状態を会社では「12月はスローだからねぇ」
というような言い方をします。

日本ではゴールデンウィーク、お盆、そして年末年始と
人々がまとまったお休みを取る事の出来る時期が
何度もあるのですが、その割には、
1ヶ月間仕事にならないといった感じがしないのは、
それぞれの休みが、4月、8月、12月とうまい具合に分散
しているからでしょう。

祝日の仕組みはアメリカの会社と日本とでは
ずいぶん違っていました。
しかし、もっと違いが出るのは
有給休暇の使い方ではないかと思います。
次回はシリコンバレーで働く人の
有給休暇について書いてみたいと思います。

上田ガク

2004-01-06-TUE


戻る