シリコンの谷は、いま。
雑誌の記事とはずいぶんちがうみたいです。

第3回
シリコンバレーの会社で働く日本人は少ない。
一体なぜなんでしょう?



日本人の人口は少ないわけではなく、
日本食スーパーマーケットや
東京新宿にある紀伊國屋書店があるほど
シリコンバレーには多くの日本人が住んでいます。

しかし、大部分の人は日本企業から
駐在員として派遣されてきた人で、
シリコンバレーの地元企業で働く人は
ごく少数です。

僕が今働いている会社も、
その前に働いていた会社も、
どちらにも数人しか
日本人が居ませんでした。

シリコンバレーの企業で働く外国人で
人口が多いのは、インド人と中国人です。
どちらの国の人も、
大学や大学院で学ぶために
アメリカにやってきて、
卒業後、こちらの企業に就職をするという
パターンがほとんどです。

それに対して日本の人の場合は、
ほとんどの場合が日本の大学に進学しますし、
理系の留学生というのは
僕の知る限りでは
随分少ないようです。
アメリカの大学に日本人が少ないから、
おのずと働く人も少なくなってしまいます。

言い換えれば、日本の大学もレベルが高いし、
アメリカに留学しなければ
やりたい勉強ができないわけではないから、
わざわざアメリカに来る必要がないとも言えます。

でも、日本の大学を卒業しても、
仕事するのに必要な英語がしゃべれるようになるのは
多分、難しいと思います。
なんといっても、英語をしゃべる機会、
英語でしゃべる相手がほとんどないので
これは何ともしようがないことです。

英語がしゃべれなければ
こちらでは仕事になりませんから、
採用してもらえるわけがありません。
日本人が少ないのは
仕方がありませんね。

・・・・・。

まあ現状はそうなんです。

でも、難しいんですよと言いたくて
こんなことを書いているんじゃありません。
一見難しいように見えるけど、
不可能じゃないんです。

「シリコンバレーで働いてみてえ」という気持ちと
ちょっとした行動力で、それは現実のものに
なるんです。

英語の問題を除けば、
日本のエンジニアのレベルは高いと思います。
シリコンバレーには
さぞかしすごい奴がたくさんいるんだろうと
思っていたのですが、
日本に比べてレベルが遥かに高いというわけではなく、
技術レベルで言えば、
シリコンバレーに来ても通用する
エンジニアが日本にはゴロゴロしているのです。

だったら、世界のマーケットを相手に
自分の腕試しをしてみたいとは
思いませんか?

最先端の技術に
自分も関わってみたいとは
思いませんか?

かく言う僕も、
日本の大学を卒業したわけで、
英語も日本の英語教育を受け、
そこそこ読み書きはできるけど、
全然しゃべれないという学生でした。

シリコンバレーで働いてみたいな
とは思っていたけれど、
海の向こうのアメリカの会社に
どうやったら就職できるのかは
全く見当もつきませんでした。

4年前の1999年夏に、
「最近登場したこのインターネットの会社、
 良さそうな会社だね」
と友達にメールで送った会社に、
今こうして働いていることを振り返ると、
意外に実現しちゃうものなのねと思います。

エンジニアには「技術」という
世界共通言語があります。
なんとか英語で自分の作ったものを説明できるようになれば、
後はその技術力を見せればいいんです。
相手に技術力を認めてもらえれば、
仲間に入れてもらえます。

あとは少しずつ英語力を向上させていけば、
いずれはシリコンバレーの人たちと
肩を並べて働けるようになると思います。

こんな話を聞くと、
ちょっと現実味が出てきませんか?

折角の能力を仕事の場で発揮できていない人が
日本には結構いるように思います。
シリコンバレーにいればもっと活躍できる人が
日本にはいると思います。

腕に自信のある人は、チャレンジしてみてほしい。
そう願っています。

願っているだけだったら
誰でも出来そうなので、
次回はシリコンバレーでの活躍の場を見つける
具体的な作戦を考えてみたいと思います。

上田ガク

2003-09-19-FRI


戻る