シリコンの谷は、いま。
雑誌の記事とはずいぶんちがうみたいです。

第2回
シリコンバレーの会社には
どんな人がいるんでしょうか?



僕の同僚、元同僚から
適当に選んだ9人と僕の10人を対象に
出身地を並べてみると、
インド、シカゴ、シカゴ、
台湾、香港、象牙海岸(アフリカです!)、
ロサンゼルス、地元ベイエリア、
そして日本でした。

改めて列挙してみて
驚くべき事実を発見してしまいました。

 「地元の人間がほとんどいない」

ということです。
10人中1人しか
地元の人がいません。

地元出身でない9人のうち、
大学で学ぶために、
このシリコンバレーにやってきた人は2人、
僕を含む残りの7人は働く段階になって
この地域にやってきました。

日本でも、東京に来る人は、
大学入学時に東京にやってきたり、
社会人になるときに東京に来たりしますよね。
それと同じ感じではないかと
思います。

一つ日本の場合と違うのは、
若者の行き先となる都市が
ほとんど東京というように
一ヶ所に集中しないことです。

映画ならハリウッド、
政治はワシントン、
金融ならニューヨーク、
そしてハイテク産業ならシリコンバレー
というように、
人びとが目指す
場所がそれぞれ違っています。

「エンジニアやるなら
 やっぱりシリコンバレーで働きたいよねー」

という会話が繰り広げられているかどうかは
知りませんが、ハイテク産業で働きたい人は
自然にシリコンバレーに集まってきます。

その人を吸い寄せる力は強く、
アメリカ国内だけではなく、
インドや中国をはじめ、ヨーロッパ各国からも
優秀なエンジニアたちが集まってきます。

最初に挙げた9人の同僚たちの中にも
普通に中国やインドからやってきた人がいますし、
これは会社のほかの部署にいっても同じです。
西洋人風なのに、この人はちょっと英語が
訛ってるなと思えば、大抵スイスやドイツなど
からやってきたエンジニアだったりします。

外国人であるということも、
英語が訛っていることも、
みんな普通のことなので、
「ふうん」という反応しかありません。

でも、色んな外国人の人もいるのに、
日本人はなぜか全然見当たりません。
僕の働いているインターネット関連の会社で、
エンジニアは何百人もいるのに、
日本人エンジニアはたった2人しかいません。

日本はほとんどの場合、アメリカに次いで
2番目に大きなマーケットです。
多くの会社が日本市場を相手にしているので、
日本語や日本市場の知識を持った人が
もっと居てもいいはず、
とは思いませんか?

ですが、どう見てもシリコンバレーの会社で働く
日本人は決定的に少ないのです。
ここで働くのは楽しいのに。

ならば何か理由があるに違いない。

なぜシリコンバレーの会社に日本人が少ないのか
についての僕なりの考えを次の回に
書きたいと思っています。

上田ガク

2003-09-17-WED


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