『はじめての落語。』瓦版。
春風亭昇太さんのCDブック発売
「はじめての落語。」いよいよ本日発売。
ほぼ日乗組員的おすすめどころは?


CDブック「はじめての落語。」、
本日3月24日、全国の紀伊國屋書店さんで
販売がはじまりました。

おかげさまで紀伊國屋BookWEBでは
予約分だけで特典付きの500冊分が
なくなってしまったそうです。
ご予約いただきましたみなさま、
どうもありがとうございました。
CDブックが発送されしだい、
お知らせのメールが紀伊國屋さんから届きます。
どうぞ到着まで楽しみにしていてください。
店頭で手に入れる! というみなさま、
最寄りの紀伊國屋書店さんは
ぜひこちらでチェックしてくださいね。

本日は「はじめての落語。」を
企画、制作を担当しましたほぼ日乗組員が
このCDブックに込めた思いを語らせていただきます。

まずは本の企画、編集チームの永田ソフトから。


主役のCDと、じたばたした本。

春風亭昇太さんの落語を、
どうにかして紙の上にうまく再現できないかと
いろんな工夫を凝らしてできあがった本ですが、
やはり、主役は三席の落語がおさめられた
CDだと僕は考えています。
まあ、当たり前の話なんですけど。

もともとこの企画は、
「昇太さんのCDを出そうよ!」
というところからはじまったものです。
そこで僕らが最初に突き当たった問題は、
「CDショップで落語CDって、
 すっごく目立たない位置にあるよね」

ということでした。
もちろん落語コーナーが充実している
CD屋さんはあるけれど、
いわゆる一般的なCD屋さんでは
落語の棚というのはとても目立たない。
そこで、「はじめての落語!」とアピールしても
そもそも落語ファン以外の人の目にとまらない。
それで、「本屋に落語CDを流通させる」
というアイデアが生まれました。

ですから、誤解を恐れずにいえば、
「本」の部分というのは、
企画当初、あくまでCDの補佐でしかなかったのです。
ところが、つくっていくうちに、
「本」を担当するチームは
「CDの補佐」という本来の目的を
すっかり忘れてしまいました。

どうにか、これまでにない落語本をつくりたい。
なんとか、昇太さんの熱気と勢いを表したい。
読むだけでも十分たのしいものにしたい。

それで、もちろんCDにおさめられた
生の三席にはかなわないのですけれど、
ああでもないうえにこうではないのだなあ
などとチームで頭を突き合わせているうちに、
生の三席に近づこうとじたばたしている
ちょっと変わった「本」ができあがりました。

CDを出すというのが当初の目的でしたから、
CDブックの価格は、
一般的な落語CDの値段と同じ2300円に設定しました。
CDを出すというのが当初の目的でしたから、
CDのパッケージは、本から取り外したあとで
CD棚にそのまま挿せるように、
ちゃんと背のあるしっかりとしたパッケージにしました。
(本におさめる都合上、やっぱり少し薄いですけどね)
主役はあくまでもCDです。

けれど、結果的に、「本」の部分も
主菜に添って疎んじられないサイドディッシュに
仕上がったのではないかと、いま、思っています。
とってもおもしろい落語CDに、
ちょっと読みでのある、
風変わりなブックレット
がついていると
考えてもらってもいいかもしれません。
ブックレットだと考えると、
「これは豪華なおまけですよ!」と胸を張れます。
ついでに先着2000名には、
ほんとうのおまけの「万能てぬぐい」もつきます。
多くの人に渡るといいなと、思っています。
どうぞ、よろしくお願いします。

そしてCDブックのデザインを担当した
べっかむ3です。


「はじめての落語。」の「本」、ここが見どころ!

このCDブック「はじめての落語。」は、
今まで、この瓦版の連載でもお伝えしてきましたように、
そして、この上で、永田ソフト氏も言ってるように、
よく本屋さんで見かける今までの落語関係の書物とは、
全く趣をことにした「本」になりました。

今回、このCDブックをデザインするにあたって、
一番気をつけたところは、
「この本は、本当に昇太さんらしいかどうか!」です。

CDを聴いていただくと、もちろん、そこには、
「生の春風亭昇太さんの噺」があるわけですが、
「本」の部分に関しても、単にCDの解説ではなく、
やはりそこは少しでも、CDの中身に近づけたい!
「本」担当チーム一丸となって、連日意見を交わし、
熱い思いで、この「本」を作り上げました。

CDをじっくり堪能して、たのしんでいただき、
それぞれのあたまの中に昇太ワールドを作られたあとは、
このCDブックの、ブックの方を手に取ってもらって、

ライムグリーンのカバーや見返しの色合い、
なんだかすごい形相の見開きの4枚の写真、
笑える太字と、ことばとことばの絶妙の「間」、
ゆるーいイラストの持つ独特のへんな空気、
時々急にあらわれる昇太さんの
「大アクションセリフ付き連続写真」など、

随所にどっさり詰め込んだ昇太さんエッセンスを、
ページを繰るごとに発見してもらいながら、
昇太さんのほんとうの落語の楽しさを、
この本から少しでも感じてもらえればなあ、
と思っています。

「じゅげむ」好きの小学生たちには、
おかしな絵がいっぱい載ってる、
たのしい国語の教科書みたいな感じで、
みんなで読んでくれてもうれしいですし、
表紙がカラフルなので、iPod miniで落語を聴きながら、
通勤電車の中で読んでみても、問題ナシ!ですし、
比較的、字が大きめですので、年配の方でも、
たのしんでいただけます。

去年の「はじめての落語。春風亭昇太ひとり会」の
イベントに参加してくださった方も、そうでない方も、
本当に落語がはじめての方も、長年の落語ファンの方も、
このCDブックをネタにして、仲間や家族といっしょに
わはは!と笑ってもらえたら、とってもいいなと思います。
どうぞ、よろしくお願いします。


最後にわたし、アロハ・トミタの
このCDブックにあたってのおすすめは
いままでの瓦版で、
いろいろと書いてまいりましたが、
ぎゅーっとまとめるとただひとつです。

「落語」と出会えて
ハッピーな時間が増えました。

発売日の本日も、昇太師匠が定期的に開催している
独演会に行ってたくさん笑ってきます。
落語の入り口に
すこしでも興味を持っていただけたのであれば、
胸をはってこのCDブックをおすすめします。
ぜひ一歩足を踏み入れてください!


2005-03-24-THU