SOFTWARE
シェアウェアは
ひょっとすると
デジタルユートピア
かもしれない。

シェアウエアの送金代行システム---NIFTY SERVE

では、最後は、「送金代行システム」の老舗、
NIFTY SERVEである。
前にもお伝えした通りに、これは、生身の私が
大森にあるNIFTYの本社まで取材にいってきた。

NIFTY本社

そういえば、就職活動で、確か行ったなあ。
NIFTY SERVE。解けない試験とか受けて。
最後には、お手紙で、私の健康と活躍なんかを
お祈りしてくれた。

それは、まあいいとして。
お話しくださったのは、
フォーラム部の根岸誠さん。
広報室の日高章絵さんも同席くださった。

お二人はあらかじめ、このページを
読んでおいてくださったので、ハナシははやい。

 

フォーラム部の根岸さん

インタビューを読んでもらう前に、
NIFTY SERVEをちょっとご説明。

NIFTY SERVEは、
国内最大規模の会員数を誇るプロバイダー。
だから、もちろんメールのやり取りや、
WEBページを見たり、開設することもできます。

もとは、パソコン通信の会社だったために、
普通のプロバイダーのシステムと違って、
「フォーラム」とよばれる、
共通した話題によってまとまった、
情報交換や会議室の場や、
「パティオ」とよばれる、
親しい会員同士で、
情報交換や議論ができる場などがあったりする。

この、「フォーラム」ってやつが、
「シェアウエア送金代行サービス」では、
重要な意味を持ってきますので、ちょっとだけ
覚えておいてください。

そして、ニフティでのシェアウエアの送金の方法は、
まずは、NIFTY の会員になるのが先決。

そして、会員になったら、
NIFTYにアクセスして、GOコマンドとよばれるもので、
「GO SWREG」とうちこみます。
すると、
「シェアウェアレジストレーションセンター 」へいきます。
そこで、「3. 送金代行サービス」を選択し、
出てきた指示通りに、
シェアウエアの登録番号などの情報を
入力します。

そうすると、解除キー(シリアルナンバー)が
送られてきます。
代金は、毎月のNIFTY SERVEの使用料金に
加算されます。

では、予備知識を仕入れたところで、
いってみようじゃ、あ〜りませんか。

(1)いつから、送金代行システムは稼動しているのですか?

1987年にサービスを開始してから、
4年ほどたった、1991年の5月からです。
会員数もまだすくなくて、
社名もエヌ・アイ・エフ(株)から
ニフティ(株)という名称に変わってからすぐですね。

>結構早い時期からシステムが動いているのですね。

そうですね、シェアウエアというものの、
日本での認知は、NIFTY SERVEによって
おこなわれたようなものですから。

(2)なぜ、そのようなシステムを作ろうとおもったのですか?

まず、このシステムは、こちらが作ろうと思って
作ったのではないのです。
ユーザーの方々からの要望によって
出来上がったものなのです。

NIFTY SERVEには、いろいろな「フォーラム」という
ものがあります(上記の説明を参照してください)。

具体的に説明すると、
フォーラムのなかに、ソフトウエアを作っている人が
集まるフォーラムがありまして、
ここは、もともと、自分で作ったソフトについての
話が進むコミュニケーションの場で、
最初の頃は、実際作ってる人たちが議論をしていました。
そのうち、だんだんと、それらのソフトを
「使う人」が増えてきて、
「ユーザーサポート」等の要求が増えてきました。
でも、その時はフリーウエアだったので、
どうすることもできなくて、
それならば、ちょっとお金をもらって
サポートをしていこうということになりました。

そこで、そのフォーラムのマネージャーから、
NIFTY SERVEの方に要求がありましたので、
このシステムを作ったというわけです。

あくまでもNIFTY SERVEでは、
フォーラムを支援するというかたちで
システムを立ち上げました。

(3)現在のシェアウエアの登録件数を教えてください。

総数は、8000件ほど。
OSの内訳は、最近の登録では 9割がウインドウズです。

(4)たとえば、私がシェアウエアを作っていて、
送金代行をお願いしたいとしたら、
どうしたらよいのでしょうか?
また、もしよろしければ、
代行の料金など教えていただけないでしょうか?

http://www.nifty.ne.jp/interway/swreg.htm#D01
を参照してください。

手数料は、シェアウエアの値段の10%、
これが、銀行振り込みされますが、
振り込み手数料は、作者の方もちです。

(5)月にどれくらいの、件数があるのでしょうか?
さしつかえなかったら教えてください。

ウン万件ほどです。

(6)大変聞きにくい質問なのですが、
「もうかりますか?」

ぼちぼちです(笑)。
シェアウエア送金代行サービスを運営してゆく
だけのお金にはなります。

(7)いちいちNIFTYに別のソフトでアクセスして、
それから支払いとなると、
ちょっとめんどくさいなと思うのですが、
インターネットからは代金を支払えないのですか?
NIFTY SERVEのページを見てもみあたらなかったんですが。

インターネットからでも、支払いは可能ですよ。
http://www.nifty.ne.jp/interway/swreg.htm
にアクセスしてみてください。

インターネットからでも支払えることは
あまり知られていないのですが、こちらも便利です。

(8)ここ最近、他の「シェアウエア送金代行」システムも
出てきていますが、老舗のNIFTY SERVEとしては、
どうお考えですか?

まず、近い内に、決済システムを新しくする予定でいます。
そして、ゆくゆくは、会員以外の方も、
利用できるようにしていくつもりです。

(9)アンケートをとってみると、
カードの番号をインターネットで送信するのが
不安だという意見が大変多く、実は私も結構不安です。
そのへんはイカガなものでしょうか?

NIFTY SERVEにアクセスして、
システムを使用する場合は、
盗まれたら危険な情報を入力する必要は全く在りません。
インターネットからアクセスする場合でも、
会員番号とパスワードを入力するだけです。
もちろん暗号化されます。

質問は、以上でしたが、根岸さんは、
シェアウエアについて、こんなふうに話してくれました。

『シェアウエアというのは、
ソフトがただあって、
それにお金をはらうってだけではなくて、
それを使うユーザーと製作者の
コミュニケーションがあってこそ
シェアウエアだと思うのです。

いま、シェアウエアに対しては考え方が
バラバラになっていると思います。
作っている人も、
単にソフトウエアのオンライン販売としてとらえていたり、
ユーザーも
「自分もソフトウエア作りに参加しているんだ」
という考えのひとと、
ただお金をはらって使うソフトだと思っている人と。

そんな感じで、シェアウエアのなかにある
コミュニケーションの部分が、すこし壊れてきている
ような感じがします。

極端な話、シェアウエアと、
ソフトウエアのオンライン販売の差がなくなってしまう
可能性だってあると思いますよ。』

と。
日本でのシェアウエアの歴史まで
ひもとけるお話が聞けたのでした。
いまほど人が、コンピューターを
持っていなかった時代に、
そんなところでシェアウエアの
基礎が踏み固められていたのでした。

なんか、NIFTY SERVEの「送金代行システム」が、
シェアウエアな感じがしますね。

根岸さんのいう、
シェアウエアとオンラインのソフトウエア販売の
ふたつがいま、頭をグルグルしてしまっております。
その差は、考えてみるとわからなくなったりする。

次回は、シェアウエア送金代行システムのマトメと、
いよいよ、シェアウエアの作者の方への
インタビュー(ドメスティック編)を
お伝えしていきます。

1999-02-17-WED

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