本上まなみさんとエハイクばなし
本上 エハイクって、単発ネタだけじゃなくて、
シリーズのものが、たまにあるじゃないですか。
戦車 ええ。
本上 最近、おかしかったのが、
「チャーハン」のシリーズなんです。
戦車 ああ、ありましたね。
第1回目は‥‥これですか。


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本上 チャーハンばっかり注文するお客さんが
タンメンを注文したんで
女将さんが、ビックリしている‥‥と。
戦車 冷静に解説されるのははじめてですが‥‥。
ほんと、しょうもないことです。
本上 ふふふ(笑)。


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戦車 でも、女将さんにしてみたら、ショックなわけですよ。
待ち受けが「うちのチャーハンじゃない!」なんて。
本上 「他の店のハン」という言い回しが
すごく、エハイク的ですよね。
ムリヤリなんだけど、おもしろい。

こっちの‥‥「うな狙う」とかも(笑)。


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戦車 五七五のルールを忠実に守ろうとすると
どうしても、
こういう言い回しが出てきてしまいます。
本上 俳句って、たしかに
ブツっと切っちゃう感じ、ありますしね。
戦車 うん、プラス「七七」で
その場の情景とか詠んだ人の気持ちとかが
伝わってくる短歌も
すごいなぁと思うんですけれど、
俳句って、ブツっと切り取っちゃうのが
いさぎよいというか。
本上 そう、短歌って、自分のなかでは
「言いわけができる長さ」なんですよ。
戦車 ああ‥‥ちゃんとストーリーが詠み込めますよね。
上の句の「振り」を
下の句でまとめたり、ひっくり返したり‥‥。
本上 上の句と下の句のギャップを、楽しんだり。
でも、俳句って、
もう「放り投げちゃう」感じ、ありますよね。
戦車 そう、写真みたいなとこ、あります。
本上 あ、写真。
戦車 だから、芭蕉なんかもそうですけど、
「荒海や 佐渡に横たふ 天の川」とかなんとか、
一瞬でその絵がイメージできるじゃないですか。

‥‥まぁね、「うな狙う」とかが
そのようなものだとは言いませんけれども(笑)。
本上 じゃあ、この「ラメ断ち」のというのも‥‥。


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戦車 「ラーメン」を「断つ」という意味のことばです。
本上 こっちの「イルミネ」というのは。


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戦車 「イルミネーション」のエハイク的言い回しです。
本上 そうか、俳句の「放り投げちゃう」感じを
もっと極端にしたのが、エハイクなんじゃないかな?
戦車 まぁ、そんなたいそうなものみたいに
言ってもらえると‥‥恐縮してしまいますが(笑)。
本上 ちなみに、この「冬手錠」の人って、
あの「春手錠」のおじさん?
戦車 はい、あの「春手錠」のおじさんです。
これも、続きものっぽいシリーズです。


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本上 ようするに、「春手錠」っていうのは、
「春の季語」なんですよね?


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戦車 そうです。かなり初期から登場してきますが、
エハイクの方向性を決めるシリーズになりました。

勝手に季語をつくってしまうという‥‥開き直りの。
本上 春手錠のおじさんは、何をしたんですかね?
戦車 いや、わからないですけど、
ま、悪すぎないことをしたんでしょう。
本上 「イルミネの 球黒くぬり」ですもんね(笑)。
戦車 そう、悪すぎないんだけれども、
ちょっとばかり暴れるんで、
手錠をかけられちゃったんですよ。
本上 あ、暴れるんだ(笑)。
戦車 暴れるんです。
本上 たしかに、すこし悪そうな顔ですね。
戦車 1回脱走してるしね、たしか。


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本上 だから坊主頭なんですね。
戦車 でも、こう考えると、エハイクって
登場人物とか、ちっちゃな世界観づくりの
作業だったような気がします。

「季節もの」みたいなキャラクターや
キャラとキャラの関係性で、
やってきたようなところがあるんですよ。

<つづきます>
2008-03-26-WED
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