吉田戦車エハイクの世界。
21世紀の武者小路実篤になるかもよ?



じつに6年間にわたってほぼ日で連載され、
先日、堂々の完結となった
「吉田戦車エハイクの世界」。
その歴史を吉田戦車さんと振り返ります!
つい最近、本上まなみさんをお迎えして
似たようなことをやったような気がしますが‥‥。
いえいえ、この企画には、6年間の回顧のほかに、
もうひとつ思惑があるんですよ。
最後に明かされますので、どうぞおたのしみに!




ほぼ日 エハイク終了、お疲れ様でした。
戦車 お疲れ様でした。
ほぼ日 6年間、ありがとうございました。
戦車 ありがとうございました。
ほぼ日 わりと「ほぼ日」の連載には、
気ままにのんびり続く
コンテンツが多いんですが、
吉田さんの「エハイク」は6年間、
ほぼ休みなし!
この驚異的な継続の秘訣は
なんだったんでしょう?
戦車 なんでしょうねぇ(笑)。
まぁ、あえて挙げるとすれば、
「休まない!」というルールを守らないと
やってられない、という感じでしょうか。
ほぼ日 休まないというルールを
守らないとやってられない?
ってことは、休まないという
ルールがないと休んじゃう? あれれ?
戦車 矛盾してますよね(笑)。
自分の中で決めないと甘えちゃうっていうか。
ほぼ日 なるほど、なるほど。
そのルールを守らないと
ずるずる休んじゃうわけですね。
戦車 そう。
ほぼ日 その、独特のルールによって
毎週つくられ続けたエハイクですが、
今日はですね、その6年分のエハイクを
プリントアウトして持ってきました。
それを見ながら思い出深い作品を
振り返ってみよう、というわけです。
戦車 はい。
ほぼ日 では、6年前のエハイクから
振り返ってみたいと思います。
どうぞ、ぱらぱらとめくりながら、
印象深い作品をピックアップしてください!
戦車 はーい。たくさんあるなぁ(笑)。

エハイク その4


戦車 これ、連載開始当初に描いたやつですけど、
いちおう、自分の子どもが
モチーフになってるわけです。
ほぼ日 はいはい、そうですね。
戦車 で、なにが言いたいかというと、
ここで「5歳児」と詠んでいる子どもが
もう中学校に入りました。
ほぼ日 え! 中学生ですか!?
戦車 6年って長いな、みたいな。
ほぼ日 長いですねえ。
あらためて、お疲れさまでしたという感じです。
そういえば、お子さんのネタでいうと、
子どもがリップクリームを拒否する、
っていうのがありましたよね。
戦車 あぁ、ありましたね。

エハイク その239


ほぼ日 「ページワンに勝った!」と喜んでいたのに、
「リップクリームを拒否される」なんて、
歳月の流れを感じますねぇ‥‥。
戦車 トランプなんて、
やらなくなっちゃったなぁ。
ほぼ日 あと、お子さんが描いたという
絵を使った作品もありましたよね。

エハイク その206


戦車 ああ、あった、あった。
なんだか懐かしいなぁ。
いまはもう、こんな親密な
つながりはないかもなぁ。
ほぼ日 さびしいこと言わないでくださいよ。

エハイク その41


戦車 サンタは毎年出るねぇ。
ほぼ日 はい、よく出ます。
そして、どのサンタも過剰に人間くさくて
内部でもファンが多いんです。
戦車 街に出るとサンタが目について、
多分、オレがイライラしてるんだろうな。
「クリスマスかよ!」って。
ほぼ日 その感じ、作品に表れてる気がします。
サンタに限らず、季節ものは多いですよね。
戦車 やっぱり、季節ものは
連載に欠かせない要素ですからね。
あ、こういう時事ネタも
どうしても入ってきますね。

エハイク その189


ほぼ日 トリノオリンピックのころですね。
これ、好きだなぁ(笑)。
戦車 自分でも、これは好きですね。
なんていうか、こう、
なんにも言ってない感じ?
ほぼ日 ふははははは。
戦車 「すばらしい」とか「きれい」じゃなくて。
足が上がっているだけ。
ほぼ日 ふははははは。
もうひとつ時事ネタを。

エハイク その95


戦車 あぁ、これはちょっと時事ネタすぎるね。
いま読むとなにがなんだかわからないかも。
ほぼ日 「新選組!」ネタなんですが、
これ、100回記念のランキング
1位に輝いた作品です。
戦車 当時は人気があったけど、
いまはもう、よくわからない。
まさに時事ネタという感じ。

エハイク その49


ほぼ日 すいません、我慢できず、
自分の好きな作品も挙げさせていただきます。
これ、大好きなんです!
戦車 (笑)
ほぼ日 もう、ぜんぶ、いい。
上の句の「はいはいはい」とか、最高。
絵にサラッと描かれてる
「おてんとうさまに生かされてる」ってのも
坊主の蘊蓄の例として‥‥わははははは!
戦車 ありそうな感じするでしょ(笑)。
でも、これ、反響として、
「そんな言い方はないんじゃないですか」
みたいなメールがあったような気が‥‥。
ほぼ日 ちょっと、毒がありますからね。
でも、毒や怒りがちょっと混じる作品は
やっぱりパワーがありますよ。
この作品も、蘊蓄を見つめる左の男が
なんだかすごく怒ってるし、
でも、怒ってるわりに、句は、
「はいはいはい」とあっさりしてて‥‥
わはははははは!
戦車 落ち着け、落ち着け。

エハイク その55


エハイク その117


ほぼ日 パン、よく出てきますよね。
戦車 出てきますね。
ほぼ日 パンが嫌いなんですか?
戦車 いや、パンは嫌いじゃないんだけど、
あまりにもパン好きな世の中に対して
ムカついてるんです。
ほぼ日 意外に複雑な感情ですね。
戦車 ええ。そんな複雑な気分が
表れてるんですよ。

エハイク その77


ほぼ日 「小野と和田シリーズ」は
意外に初期から登場してたんですね。
戦車 そうですね。このシリーズって、
永久にできそうな気がする(笑)。
ほぼ日 「小野と和田」シリーズは
何作か続いたあと、しばらく経ってから
またはじまったりするんですよね。
戦車 そういうパターンって
そういえばこれだけですね。
ほぼ日 長く続くことになる「小野と和田」の
最初の作品がこれです。
‥‥しかし、初っぱなから
いきなり意味がわからないです。
戦車 (笑)
ほぼ日 どうして「隠れ着る」のか。
なぜ「嗤う」のか。
戦車 このふたりが出てくると、
イっちゃってる方向に
振り切れやすいのかもしれない。
ほぼ日 なるほど、なるほど。
名作が多い「小野と和田」シリーズですが、
このあたりも印象深い。

エハイク その273


戦車 はははは。

ほぼ日
「字メ」って!
戦車 はははは。
ほぼ日 「字メ」って、「字メール」ですよね?
戦車 ていうか、それはただの「メール」だね。
ほぼ日 おっしゃるとおりですよ。
しかも、小野はなにをやってるんですか。
戦車 花火を見ながら
メールで中継をしてるわけだね。
ほぼ日 ふははははは。
「音、きたー!」って。
ふははははは。
戦車 和田は花火が怖いんだよね。
怖いけど、好きなんだ。
ほぼ日 このふたりの関係は特殊すぎますね。
戦車 根本的には、仲がいいんだね。
ほぼ日 そうですね。
歯がんだり、嗤ったりしながらも、
ずっといっしょにいますからね。
戦車 でも、このふたりって、
ほかの友だちがいなさそうだよね。
ふたりだけで世界が完結してるもの。
ほぼ日 たしかに(笑)。

エハイク その82


戦車 ああ、これは実体験だなー。
でっかいの、乗っちゃったんですよ、
お台場かどっかで。
ほぼ日 あらら。
戦車 で、ね。
この、絵に描かれている左右のふたりね。
これ、うちの子と、友だち。
ほぼ日 そこまで実話だったんですか(笑)。
戦車 そうそう。
かつては観覧車にいっしょに乗ってたのに、
いまでは‥‥。
ほぼ日 子どもネタが出てくるたびに
いちいち、さびしがらない!
戦車 成長ってのはそういうことですかね‥‥。
ほぼ日 つぎ、行きましょう、つぎ!

(続きます)

2008-05-20-TUE

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