もしも学校を作ったら その4

(昨日までの、もしもの世界)
「もしも」の学校には
各教科の「できない」痛みを知る
補助先生が必要だということがわかりました。
中には、昔ワル、昔エロ、の
経験を持つ補助先生もいるのです。

関根

補助先生には、そのくらいのデカさがないと
いけません。
あの先生は面白いこと言ってんな、
煙草やめようかな、という気持ちになります。
「なんで煙草喫ってんだ、喫うんじゃない!」
じゃなくて、
なんで吸ってんだ、
なんかイライラしてんのか、ということを
問うていくことも必要なんです。
「お母さんとお父さんが、不仲なのか?」

ほぼ日 いろんなことをフォロー‥‥大変ですね、
補助先生は。
関根

ですから、補助離婚先生も必要なんですよ。
バツ3先生。

ほぼ日 ご自身が体験なさってるから
「お父さん、お母さんにもいろいろあるよ」と。
関根 「君らのお父さん、お母さんも、
 すごく、がんばってるぞ。
 俺もそうなんだよ。
 息子に『ふざけんな』とか言われて
 殴られることもあるよ。
 でも、結局は、
 夫婦は別れるけど親子は別れられないんだよ」
ほぼ日 息子に殴られている先生(笑)。
関根

お父さんが厳しすぎて
子どもがイライラしている家も、あるでしょう?
そのお父さんだって、もともとはおじいさんに
そういうふうに育てられたんです。
ところが、お父さんには
それに耐え得る世の中の環境と
自己の心があったわけです。
おじいさんの厳しさに耐える、
モチベーションがあったわけですよ。

ほぼ日 はい、はい、はい。
関根

ところがそれを息子に、
同じようにやってはいけないんです。
だって、自分の遺伝子は
半分しか伝わってないし、
世の中は緩くなってるわけですよ。

ほぼ日 そうすると、まるで違ってくる‥‥。
関根

子どもには動機もないし、
耐えられないんですよ。

ほぼ日 うーん。
関根 そこも補助先生がフォローするんです。
補助親子先生っていうのも、必要なんですよ。
ほぼ日 親子を補助するんですか?
関根

「お父さん、ちょっと待ってださい。
 たしかに、お父さんは耐えられたでしょう。
 あなたは強い人だからね?
 でも、息子さんはナイーブなんですよ。
 そんなモチベーションまで押しつけて
 どうします?
 こういう事件、こういう事件、起きてますよ?
 
 確かにお父さんがおっしゃること、
 正しいんですよ。
 自分が自分のお父さんにやってもらった、
 あんとき、きつかった、やめたかった、
 でも結果、あなたはそうやって
 医者になったり、出世した。
 
 『ああ、あのときのお父さんの
  厳しさのおかげで、今の俺があるんだ』
 それは正しいです。
 それを、息子さんに押し付けちゃった。
 それもわかります。
 だけど、息子さんの気持ちもわかってください。
 辛いんです、お父さん。ね?
 
 じゃあ、お父さん、ね?
 お父さんが今、
 たとえば、えー、10キロ、
 10,000メートルです、
 10,000メートルを30分以内に走りなさい、
 つったらきついでしょ?」

ほぼ日 (その気になって)きついですよ。
関根 「ところが、1時間で走ってください、
 って言ったら、
 今のお父さんは走れないけど、
 毎日ジョギングして、
 3年ぐらいかけたら、できるかもしれない。
 だから、息子さんには30分じゃなくて
 1時間ぐらいの余裕を与えてくださいよ」
ほぼ日 たとえが具体的で。
関根 そういう家庭の先生も必要なんです。
もう世の中が間違い過ぎちゃってんですよ。
だから補助先生は、いっぱい必要なんです。
 
(つづきます!)
2008-07-25-FRI
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