#06 全国のあちこちに、桜の風景。

こんにちは。
あなたの場所の桜はどうですか?
もう葉桜? まだつぼみ?

ともあれ、今日ものんびりいきましょう。
申し遅れました、「ほぼ日」の永田です。

上の地図、見てのとおり、
ずいぶん桜マークで埋まってきました。
どんどん拡大できるから、
ついついいろんな場所を見ちゃうんですよね。
家の近所、毎年花見をする場所、昔住んでいた場所‥‥。

今日もみなさんからいただいたメールを
ぽつぽつと紹介していきますね。
のんびりあくびでもしながら、
風流を、ごいっしょに。


小見出し わたしの桜自慢

メール 武蔵野地区にある築7年の
分譲マンションの2階に住んでいます。
マンションと同時に作られた隣の児童公園との境に、
桜の木が植えられています。
3日前の事、朝カーテンをあけると
目の前がぱああ〜と明るいのです。
前日まではそんなに気にとめてなかっただけに、
一斉に咲き誇る桜がまぶしいのです。
それで、ああこんな季節になったなあとうれしくなります。
こんなに桜がまぶしく感じるようになったのは、
3年くらい前からです。
マンションも7年、赤ちゃんだった子供達も
もう小学校で生意気に大きく、
桜の木も大きく丈夫になったという事なのね、と思います。
家の近くでは地元で評判の桜並木があり、
そちらも素敵なのですが、
朝カーテンをあけた時の桜のまぶしさが、
今だけ1週間限定の宝物となっています。
(武蔵野地区在住しろおび)
ほぼ日 「桜がまぶしい」っていうのは
なんだか新鮮な表現でした。
たしかに、いつもの窓のすぐ外に満開の桜があったら、
まぶしいような感じがするのかもしれません。
なんだかちょっとうらやましい。
そして、「成長していく若い街」の
息吹のようなものも感じました。
メール はじめまして。
私の車の駐車場の後ろには1本の大きな桜の木があります。
その桜が散り始める頃、雨の日の翌朝などは、
車へ本当にたくさんの花びらがつくんです。
私は車通勤なので、そんな日は桜を乗せて一緒に出勤。
さながら春を運ぶ車とでもいいましょうか。
(なおみ)
ほぼ日 春を運ぶ車!
きっと、掃除だってたいへんでしょうに、
おおらかで素敵だなあと思いました。
桜の季節の終わりに、
気持ちよく洗車! でしょうか?

小見出し 桜の思い出

メール 子どもの頃、親がけっこううるさくて、買い食いは禁止。
まして露店の食べ物など「衛生的じゃない」と
買ってくれるはずもありませんでした。
お花見時の公園に立ち並ぶ露店のヤキソバもたこ焼きも、
みそおでんも、りんごあめも、ただ眺めるだけ。
そんな私に、親戚のおじさんが
わたあめを買ってくれたのです。
うすいピンク色のビニール袋に包まれた、
ふわふわのわたあめ。
とってもうれしかったのに
「おうちに帰ってからね」と言われて
大事に大事にかかえて持って帰りました。
帰り着いたときにはすっかりしぼんでしまったけど、
初めてわたあめを食べることができた
うれしさは忘れられません。
おじさんには4人の娘がいたけれど、
その頃にはもう大きくなっていて、
わたあめを喜ぶ年頃は過ぎていたんですね。
桜咲く公園で、ほろ酔いきげんで
にこにことわたあめを買ってくれたおじさん。
娘たちの小さかった頃を思い出していたんだと
わかる年齢に、私もなりました。
(雪あかり)
ほぼ日 風景が目に浮かぶことはもちろん、
砂糖の甘いにおいや
べたべたする手触りまで伝わってくるかのようです。
そして、そのおじさんの笑顔まで。
桜の花びらも、わたあめの袋も、
同じように薄桃色。
メール 私にとっての一番の桜は
通っていた高校の坂の両側に植えられている桜です!
とても急な坂を自転車でわざとゆっくり降りて、
流れる桜色と
北国にやっと来た春を満喫するのが大好きでした。
このゆっくり降りるときのブレーキの音から、
出身校の坂は伝統的にうぐいす坂と呼ばれています。
高校を卒業して2度目の春がもうすぐです。
もうみんなばらばらになってしまいましたが、
うぐいす坂の桜を写真に撮って
みんなに送ろうと思います。
まだまだ寒い、吹雪の秋田より。
(オレンジ)
ほぼ日 通っていた学校の桜というのは、なにか、特別ですね。
上の地図で、母校の桜を探した人、
けっこう多いみたいです。
「うぐいす坂」っていうネーミングは風流ですね。
メール 10年前の秋、
夫の赴任地のカリフォルニアに行きました。
アメリカというだけで、恥ずかしながら、
なんとなくノー天気に
「やってやるぞー」という希望を持って。
でも、そんな希望は、冬の雨と共に、
少しずつとけていきました。
それでも異国の地で、目新しい事ばかりだし、
そういう事を面白おかしくぎっしりと葉書に書いては
友人に送ったりしていました。
毎日、郵便屋さんの気配がすると、
すぐに郵便受けを見に行ったものです。
雨ばかりの冬が終わると、あたりは一気に春。
アパートの敷地内で他の木々に埋もれるように
桜が咲いているのに気付きました。
根元まで駆け寄って、見上げると、視界一杯の桜。
涙が出そうでした。
しばらくそのままでいてから、
ぽんぽん、と幹をたたいてお礼代わりにして帰りました。
その後、徐々に友人も出来、帰国する頃には
「ここは私の第二の故郷だから」なんてホザク程でした。
今では桜の幹をぽんぽんとたたくなんて事はしないし、
もちろん、桜を見てさみしいなんて思うこともありません。
ただ、あの時の桜は、一生忘れないような気がします。
(メグ)
ほぼ日 海外の方からも、
「地図のあちこちに貼られた桜」を見て
なつかしい気分になったという
メールをいただいています。
桜の花そのものというより、
「桜の花をうれしく思う気持ち」が
日本というものを象徴しているのでしょうか。

小見出し 恋は桜色

メール 仙台はここ数日雪でした。
まだまだ桜は咲かなそうです。
私と彼との間ではお花見に行くのが毎年恒例の行事です。
電車や車でいつもよりちょっとだけ遠くまで足をのばして。
シートを敷いて、桜の下で手作りお弁当をたべてのんびり。
桜を見ながら他愛もない話をするだけだけど、
幸せな時間です。
先日その彼が就職で遠くへ行ってしまいました。
駅のホームで涙をこらえる私に
彼は「お花見いこうね」と言ってくれました。
桜が咲いたら、また会える。
彼との9回目のお花見ができる日がくるのを
ほぼ日桜前線をみながら心待ちにしています。
(くまぷ)
ほぼ日 設定は少し違うけれども、
まるで『なごり雪』のような風景。
桜は、かならず来年も咲くのです。

小見出し 北海道をなめるな!

メール 北海道から新潟に来て3回目の春です。
北海道から内地(北海道では本州をそう呼ぶ)に来て
感じるのが桜がとても近いんです。
北海道の桜はとても高い位置に桜が咲いているので
見上げるという感じなのですが、
内地の桜は桜との距離が近くて好きです。
あ、でも、GWの旭山動物園とか神楽岡公園で
ジンギスカンを食べながらみる桜が一番好きです。
GWに旭山動物園に行く予定の方は桜がきれいですよ〜☆
(ジンギスカンは炭焼き派:おっち〜)
ほぼ日 へえ、北海道の桜は高い位置で咲く?
このコーナーをはじめてから、
北国の桜にずいぶん詳しくなった気がします。
メール 函館育ち、内地在住の道産娘です。
「五稜郭を上から見るとピンクの星!」
っていう投稿に触発されました。
実家が五稜郭の近くで、よく散歩してました。
上からもいいでしょうけど、お堀端からもどうぞ。
私の一番大好きな桜は、五稜郭に散った桜です。
散った花びらがお堀を埋め尽くし、
さながら桜色の天の川ができるんです。
桜の数と、お堀の大きさと、
土手との距離が絶妙なのでしょうか。
淡い桜色が重なり合い、濃いところ薄いところ、
そよぐ風に揺れる水面とともにゆらゆら揺れ、
それでいて、花びら一枚一枚も見え、
光を反射する水の輝きとも相まって、
星の瞬きのように美しいのです。
いやもう思い出しうっとりですよ。
見たいなぁ。見せたいなぁ。見てほしいなぁ。
それはそうと、花見ジンギスカン、したいなぁ。
(出羽の国より。今年も花見は霞城公園で)
ほぼ日 「見たいなぁ。見せたいなぁ。見てほしいなぁ」
地元の桜を愛する気持ちがこもってます。
みなさまからの、桜に関するメール、
まだまだお待ちしていますね!

2006-04-04-TUE
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