ひびのこづえさんが訪れた、
「sunui(素縫い)」のアトリエ。
あちこちにいろんな素材があって、
たのしく見ているだけで、
時間がどんどん過ぎていきます。
もう、ぼちぼち帰る時間なんですけど、
ほんとに、話が尽きないですね‥‥。
あ、そうそう、今度売り出す、
あれについてもうかがっておかなきゃ。



ひびの「市場とかにも、行くんですか?」
冨沢「はい。グッときたものは買います」
根岸「日本語で値切ったりします(笑)」



冨沢「あとは、問屋街みたいなところに行ったり」
根岸「一個一個、ちまちま、手に取って見たりね」



ひびの「生地って、ちょっとならいいけど、
    たくさん買うとそれだけで重いでしょ?」
白石「重いです(笑)。帰りの飛行機で荷物が
   重量オ―バーしそうなら、背負って乗る(笑)」



片平「買う時点で最終形はほとんど見えてないんですけど、
   あ、いいなって思えたら、買っておきますね」
糸井「買ったけど、これは間違っちゃったな、
   っていうものってある?」



根岸「あれじゃない? やっぱり」
冨沢「革キャップ(笑)」
白石「そうそう、革キャップ(笑)」
ひびの「これ? えー、でもすごいかわいいよね」
根岸「なぜかつかえない(笑)」



ひびの「加工に機械はつかわないんですね」
冨沢「やっぱり、自分たちの手でやるほうが‥‥」
ひびの「まだ、みんな若いからいいけど、
    そのうち腱鞘炎になるよ(笑)?」
白石「あ、腱鞘炎、もう、なってます(笑)」



糸井「なんだかさ、料理みたいだよね。
   材料買ってきて、煮込んでみたり、
   混ぜてみたり、寝かせてみたり‥‥。
   ひょっとしたら、女の子が集まってやる、
   ままごとの延長なのかもしれない」



片平「みんな、手、動かすのが好きなんですよね」
糸井「なにをつくるっていうよりも、手を動かしてる。
   そのへんもおままごとっぽいね」
根岸「大人のおままごと」



糸井「あの、おままごとってさ、昔は、
   『おままごとじゃないんだから』みたいな
   言い方をされたりして、どちらかというと、
   仕事になんないと思われてたんだけど、
   いまは、なるよね、仕事に」
ひびの「あー、そうですね」



ひびの「いま、なにつくってるんですか?」
冨沢「いまはカンカンバッチ。
   こんど、ほぼ日さんで売ることになってるから
   カンカンバッジに集中して作業してます」
ひびの「今回、賞を取って、大々的に知られたら、
    製作が間に合わなくなっちゃうんじゃない?」
一同 (笑)



ひびの「カンカンバッチの素材は、
    おもにどこで買ったものですか?」
根岸「これはもう、ほんとうに、いろいろですね」



ひびの「あ、このカンカンを潰しているところは、
    微妙に最後までつぶしてないんですね」
根岸「そうですね、潰し切ってはいません」
糸井「それで、一個一個、表情が違うんだ」
白石「あと、カンカン自体、素材の厚みも形も
   ぜんぜん違いますから」



ひびの「(あしらった布やひもの部分を見て)
    これはもともと付いてたんですか?」
冨沢「違います」
ひびの「えー、付けたのー? えらい!」



片平「なんか、どこでもない、どこかの国のもの、
   みたいになったらいいなと思って
   つくってるというのは、あるかもしれない」
ひびの「ああ、なるほど」
糸井「つまり、うその国のものなんだね。
   このアトリエ全体がうその国っていうか、
   sunui王国みたいなもので」



冨沢「それこそおままごとみたいに
   みんなで手を動かしてつくるんですけど、
   同じ素材をつかっても、4人でやると、
   絶対、違ったものになるんですよ。
   ふと隣を見ると、すごい、
   おもしろいことしてるなぁって思う。
   つまんなくなることってないんですよ」



話は尽きませんが、
そろそろ時間が来たようです。



最後に、アトリエの前で、記念撮影!
「ありがとうございました〜」
「また遊びに来てくださいね!」


そんなわけで、
「どこでもないうその国」にある、
「sunui(素縫い)」のアトリエを
私たちはあとにしました。
なんだか、どんどんどんどんあふれてくる
4人の元気なパワーにつられて、
こっちまで元気になったような気がする、
晴れた日曜日の午後でした。
「sunui(素縫い)」さん、おじゃましました。
ひびのこづえさん、どうもありがとうございました!


2011-04-18-MON