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虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第142回
36年目の青春ガチンコ勝負とは?(その2)


最近ますます、60年代についてのことを、
メディアで色々みます。
今度、60年代のものを中心とした
ローリングストーンズのCDが一挙発売になるんです。
しかも東芝EMIから。
レコード好きじゃないとわからないかもしれませんが、
同じレコード会社から
ビートルズとストーンズが出るようになるとは、
感無量なんですよ。
レコード会社ごとライバルでしたからね〜。
新人ビートルズを見落して蹴り、
マンマとヒットされたことに焦ったデッカが
契約したのがストーンズ。
当時、デッカとEMIは物凄いライバルでした。

そんな60年代ですが、
日本ではグループサウンズというものが流行っていました。
そのメインのグループはタイガースでしたが、
それは途中からのことで、その登場前は、
スパイダースとワイルドワンズの時代。
アイドルはマチャアキ&順と
植田芳暁(ワンズ)だったわけです。
ちなみに、中山美穂と共演したことで有名なWANDSは、
ワイルドワンズからとったといいます。
綴りは違いますが。
事務所の社長さんが好きだったらしいです。

そんなGSの主役達を集めたイベントができ、
しかもタイトルも
「GSウェスタンカーニバル」などとつけるようになるとは
(って自分で勝手に名づけたのですが)
夢にも思いませんでした。
もし34年後の自分の姿を見ることが
小学生の僕ができたら、本当にビックリするでしょう。
もしそのことを知ったら、
きっとその未来を目指してスゴクがんばったと思います。
(何に?)
だから今もがんばらなくちゃ。

「第一回 トーク・ウェスタン・カーニバル」
は今週の金曜日、新宿ロフトプラスワンです。
GS知らない人でも十分楽しめる内容ですので、
60年代に興味がある人はドシドシお集まりください。
なお、加瀬邦彦さんのご好意により、
10月16日のワイルドワンズ赤坂ブリッツ公演の
6000円のチケットをこの日だけ、
「若者価格3000円」で限定30枚売り出します。
これはお得だ!
歌舞伎町で会いましょう!

さて、話はもどり、加瀬邦彦さんの
「25歳以下限定ライブをやりたい」
の案を戸惑いながらも、
「見てみたい」という気持ちを隠しきれなかった僕です。
しかし、25歳以下とは無茶な話で、
GSイベント関係者の僕や大森眸さん、
そして黒澤進さんなども、全員30代後半以降。
というのは、GSをリアルタイムで
60年代後半に聞いたことがある人は
当然38歳以上になるわけです。
25歳以下は1977年生まれ以降になるわけで、
YMOもリアルタイムギリギリかそうじゃないか?
という世代ですね。
ずいぶんJポップも年輪を重ねたな?と感じます。
そういう現在ヴィレッジ・シンガースの
「亜麻色の髪の乙女」がナンバー1をとるわけですから。
GSはある意味、まだまだ現役なのかもしれません。

問題なのは、ワイルドワンズが
現役時代の通りの演奏ができるかどうか?です。
やってくるファンは、
普段は先端のクラブ音楽も聞いているような
耳の肥えたファンばかり。
そのハードルはとて〜も、高いです。
グループサウンズといえば、テレビ等の懐メロ番組で、
回顧調の演奏を目にしますが、
現在のグループサウンズのファンは
総じてそういう演奏にキビしく、
「GSのイメージダウンになるので出ないで欲しい」
とさえいう人も多いのです。

もしワイルドワンズが本当に現役時代にもどって
ジャズ喫茶(当時のライブハウス)の通りに
演奏するというのなら、
それなりの決意と練習が必要でしょう。

場所に関していえば、
加瀬さんの経営するケネディハウスは、
昔ジャズ喫茶の「メイツ」だったところで、
雰囲気はばっちり。
彼らが当時やっていたのは池袋のドラムという店で、
ここにはあの山下達郎さんもワンズを見に通ったそうです。

ちなみに山下さんが「何度も見た」とおっしゃるので、
加瀬さんにどのくらい見に来られたんでしょうね?
と聞いたら、
「50回ぐらい見にきたといってたよ」という。
いくらなんでも50回も見に行けないだろう?と思い、
山下達郎さんに直接聞いたところ、
さすがに「6回〜8回ぐらいかな?」というご返事でした。
「やっぱりなあ」と思いましたが、しかしここでドンデン。
ジャズ喫茶は30分ステージを一日に何度もやり、
ひどい時は1日7公演も行ったそうです。
入れ替えもあったようです
が、ヘビーなファンはトイレに隠れたりして、
必ず何度も見たようです。
ですから、例えば7公演をすべて見たとすると、
最大で49回見たことになるのです。
まあ、それは極端な話ですが、
あながち数十回という表現が
オーバーでないかもしれません。

テレビでの演奏と違い、
(そのテレビもすごくカッコ良かったのですが)
ジャズ喫茶での演奏はかなり過激だったと聞きます。
ジャズ喫茶は行ったことがないのでわかりませんが、
僕は近所の京成デパートの屋上で、
宇多田ヒカルのお母さんの藤圭子がおっかけをやっていた
「オリーブ」というGSを見たことがあります。
今でもその演奏内容を覚えていますが、
その興奮は忘れられません。
なんとダブル・ドラムスだったのです。
(ファーストドラムと、セカンドドラム、
 と表現された(笑))
ある意味ではその興奮を手に、
今日まで走ってきたかもしれません。

GSのリズムは、
ストーンズやレッド・ツェッペリンのような
ヘビーなものとは違う興奮があり、
それはGSの時代だけに流行った、
マダガスカル島の動物達のような
貴重な音楽なのであります。(この項続く)



サエキけんぞうのコアトーク69回
「GS最前線 第一回
 トーク・ウェスタン・カーニバル!!」

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会場で、先着30枚限り、
ワイルドワンズの10月16日赤坂ブリッツ
6000円チケットを若者に3000円で販売!

※18:00開場19:00開演〜いつもより30分速く始まります

【Guest】アイ高野(カーナビーツ)、
 デイブ平尾(ゴールデンカップス)、
 加瀬邦彦、植田芳暁(以上ワイルドワンズ)、
 黒沢進、大森眸(以上GS評論家)
【司会】サエキけんぞう
【チャージ】¥2000(1D込)

at新宿ロフトプラスワン
http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/plusone.html
新宿歌舞伎町1-14-7林ビルB2F
(コマ劇場前のサンクス右隣)TEL3205-6864

2002-10-02-WED

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